今日は昨日の続きを書くことに。
実は後日談めいた嬉しいサプライズがあり、これについて。
歯科健診が始まると、
生徒さんは健診する場所、すなわちスタンドライトで照らされた私の前に立って検査をうけることになる。
具体的な健診内容、手順は先の記事で示したように、①顎関節(がくかんせつ)、 ②歯列・咬合(こうごう)、 ③歯垢(しこう)の付着状態、 ④歯肉の状態 、 ⑤歯の状態 になっている。
以下、⑤歯の状態の診査に関して少々説明を加える。
上図に、永久歯と乳歯における各歯の正式名称と歯科での呼び方を示した。
歯の呼び名を簡単にいえば、永久歯および乳歯の各歯は各々数字とアルファベットで呼称する。
たとえば、図中の星印を付けた上の前歯(上顎(うわあご)右がわの歯)は、永久歯の場合は右上1番、乳歯の場合には右上Aというような呼び方をする。
小学生の場合、ちょうど乳歯から永久歯に生え替わる時期にあたり、乳歯と永久歯とが混在する場合が多い。
したがって、「2だEだ…」と英数字が入り乱れることが多い。
健診で使用する歯の状態は、健全な歯(現在歯)の場合には”/”で、むし歯(未処置歯)は”C”、治療した歯(処置歯)は”○”等で、健康診断票に記載する(下図)。
各記号の代表的な呼称を下図に示す(岩見沢歯科医師会作製:http://www.ganshi.jp/topics_2-2.htmより)
それぞれの記号の呼び方に特に決まりはなく、歯科医により、まちまち。
自分は健全な歯(”/”)については、”シャ”とよく言うが、生徒さん達には『何言ってんだコイツ』というような顔をよくされる。
「左上から6番はシャ、Eは○、Dはシャ、Cバツ…」
といった感じで口の中の歯とその状態を診て述べていき、担任の先生が健康診断票にこれを記録してゆき健診を進める。
正直、担任の先生も大変な作業なんである。
今回の健診では、4年生2クラス、最後に5年生1クラスを診た。
5年生にバトンタッチし、健診者数が100名を越えると自分の声もだいぶしゃがれてきている。
お山さん座りをして待つ生徒さんがいよいよ10数人となった時のこと、思わぬサプライズがあった。
なんと、先ほどプラカードを下げて案内してくれた生徒さんが、自分の目の前に現れた。
お互い目を見て、自然と笑みがこぼれる中、
「西中先生、よろしくお願いします!」
と元気な声が体育館に響いた。
健診の際、私の名前を呼ばれるのは始めての経験。
というか、知り合いや自院の患者さんでない限り、まずない事である。
書類に顔を寄せていた担任の先生もびっくりして顔を上げ二人を見た。
「先ほど、ここまで案内してくれた生徒さんです…」
っと、説明を加えた先生の顔にも笑みがあふれていた。
ほどなく、健診は終わったが、
何とも気持ちのいい終わり方を迎えたのは言うまでもない…。