小笠原諸島旅行記⑤〜四日目〜

朝からシトシトと雨が降る。

深刻な水不足に喘ぐ父島において、少しの雨でも恵となる。

取りあえずこの日は何も予定はたてなかった。

昼まで寝て、午後からレンタサイクルでぶらぶらしようかといったところだ。

思いつきで来た父島なので、やることも特に決めていない。

何たって昨日のツアーも一昨日申し込んだくらいなのだ。

 

雨は午前中でひとしきり降り終えた。

民宿の庭ではフジコさんがご近所さんとお喋りをする声が聞こえる。

ようやくベッドから起き上がり、行動を開始する。

朝食というか昼食を近所のお店で済ませ、レンタサイクルを借りる。

受付は一昨日と同じ、地元の女子高生風の女の子だ。

レンタサイクルにまたがり島へ繰り出す。

どこへ行ったのかは記憶が曖昧だけど、ウミガメを見に行った事は覚えている。

島には二つ海の生物を見れるミニ水族館的な施設があって、そのうちの一つでウミガメを保護したり、ウミガメの赤ちゃんを育てて海に放したりしている。

施設の名前は忘れたので、適当に調べてください。

 

自分自身、カメが好きかと問われるとそうでもないと答えると思う。まあ、なんとなく泥臭いイメージがあるからかもしれない。

しかし、ウミガメだけは別だ。別腹ならぬ別亀だ。

理由はよく分からないけど、強いて言えばナチュラルにムスッとした表情をしているのが逆に良いのかもしれない。

という訳で施設内に入ってみる。

入場料は払ったかもしれないし、払わなかったかもしれない。めんどくさいので、適当に調べてください。

 

施設内に入ると、まず、小笠原とウミガメにまつわる資料コーナーが。

そこを抜けると大人?のウミガメがいけすに1頭ずつ入れられている。

人影が近づくと、ウミガメも近寄ってきてくる。

ただし、頭に手を近づけようとすると噛みつかれることもあるので、気を付けよう。

 

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これらのウミガメは何らなの理由で保護が必要で、この施設で育てられているという。

その奥のいけすにはウミガメの赤ちゃんが。

その姿はフニフニしていて、なんともかわいい。

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これらのウミガメたちを眺めてるうちにある疑問が浮かんでくる。

 

ここの職員の人たちはカメ肉を食べるのだろうか?

 

もちろん直接聞いてみた訳ではないし(聞いてみれば良かった)、本当のところはよく分からないけれども、やっぱりここの職員でもカメ肉は食べるんじゃないだろうか。そう思わせる凄さが小笠原にはある。

小笠原の人にとってはカメを保護することも自然なことであり、カメを食べることもそれと同じくらい自然なことなのだ。

ってこれはあくまで想像だけど、父島を訪れてみればなんとなくそう感じることは出来る。

 

宿の方に戻る。

民宿の目の前が船着場になっているが、ちょうど第二十八共勝丸が停泊していた。

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この船は貨物船で、日用物資から危険物や廃棄物など、おが丸が運べない荷物を主に運んでいる。

おが丸が光なら、影で活躍する存在。ゴッサムシティにおけるバットマンみたいな感じだ。

※2019年1月から新造船として番号のつかない共勝丸が就役している。

ちなみに、過去に27隻の共勝丸が存在していたわけではなく、ナンバリングは適当につけているとかなんとか。

 

そんなこんなで四日目が終わろうとしていた。

明日は明日の午後には竹芝に帰る船が出る。

 

続く