私の恋愛身分証明 第七話 バーテンダーの男 | なんやかんやあって最終的にYouTuberになった人のブログ

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ここではその情報やなんか適当にぺぺーいと記事書きますよ

 出会い系アプリは使い方次第で有用なコンテンツだ。
 刺激が欲しい私には欠かせないものになっているけれど、あいつは否定的だ。真面目な出会いを求めているわけじゃない。何度も言う。刺激が欲しいだけそう思っていた。

「お前はすぐ飽きる癖を治せ」

 飽きるには理由がある。一気に遊び倒すから精神的に疲れるのだ。

「疲れる?憑かれてるの間違いだろwww」

「うけるwww」

 出会い系アプリにもイケメンは居る。大半がブスだけれど、私にはイケメンも寄ってくるから、その辺のブスに比べたらよりどりみどりだった。真面目な出会い?をして清い交際をしている人達から見れば愚かな行為に思えるかもしれないけらど、その価値観を押し付けられても困る。どうせ寂しい心を満たす為に出会い系アプリを使っていると勘違いしているのだろう。

 それは間違いだ。

「最近、楽しいwww」

「次はどんなやつ?」

「今はバーテン」

「あ〜この前言ってた奴か」

「そうwww」

「あれは?美容師」

「あれは飽きたwww」

「でたよwww お前はもう少し忍耐をだな…」

 忍耐って何?いい男がいれば乗り換える。普通の事だと思っていた。乗り換えるは表現として正解ではない。いい男がいればコレクションに加える。これが正解だ。

 私と遊べるレベルの基準としてはイケメンなのは必須なのは言わずもがなで、おしゃれでセンスを持ち、金を持っているるが最低ラインだ。
 何かが欲しいわけではない。物欲は少ないし、高いものを食べたいわけでもない。言ってしまえば近所のラーメン屋でも安い牛丼屋でも構わない。自分で言うのも変だけれど、結構お手軽でお金のかからない女だと思う。
 お金持ちと結婚したいと言う女はその辺に一杯いる。大っぴらに宣言する女は少ないけれど、お金はあって困る事はないしその考えは否定しない。ただ一つ、  "あなた達はそのお金持ちになにを提供するの?"  と言いたい。

「なんか元カノの画像みたらブスだった」

「お前、相変わらず検索厨だな」

 出会った男のSNSを漁るのは趣味だと言える。特に元カノの画像を発見した時の興奮は格別なのだ。
 今まで自分より可愛いと思える元カノ画像を見た事がない。スマホ片手に優越感に浸り勝手にマウントを取るのが楽しくてしょうがない。

「お前は見た目は抜群に可愛いのに中身が本当に腐ってるよな?」

「うざwww」

 あいつは遠慮がない。だからこそ仲良く出来ているのだろうけれど、たまに説教モードになって心配もしてくれる。まあ聞かないけど。

「ねえ? ささみに合う人ってどんな人だと思う?」

 色々遊び回っているけれど、突如襲ってくる不安。そういう時はあいつに構ってもらうのが定番になりつつある。

「そうだな…まずは出会い系を辞める事だな」

「わろたwww」

「お前は猫だからなあ」

「どういうこと?」

「自由に放し飼いにしてやらないと窮屈を感じた瞬間に逃げていく」

「あー確かに」

 私の唯一の理解者でもあるあいつの言葉はいつも突き刺さる。聞かないけど。

「だから心に余裕があって、お前を猫可愛がりしつつ帰る場所を作ってくれるような人だな」

「いるか?そんな男www」

「同年代じゃ厳しいなwww 強いて言えば年上だな」

 そんな都合の良い男がいるのなら出会いたいものだ。そんな男に出会えば変われるのかな。

 バーテンダーの男は本人曰く、とにかくモテるらしい。話せば話すほど共感できる考え方で、自分の存在が認められた気分にさせてくれる。

 居心地が良い。

 承認欲求が強いところも似ている。お互いに自撮りを送りあったりもした。昼と夜が逆転しているせいで中々会う時間が取れないのが残念だったけれど、逆にそれがちょうど良かった。

 泊まりに行った時には下着を買ってもらった。こういう配慮は嬉しい。私専用のお肌のケア用のパックも常備してくれていたり、モテる男は目の付け所が違うと感心もした。いつも可愛いと褒めてくれる。

 でもそれだけだった。

「バーテンどう思う?」

「んー俺の知ってるバーテンもモテるけど、女を性処理の道具にしか見てないって言ってたな」

「だよねー」

 そんな事はわかってた。たまに会って遊んで寝る。世間一般でいう都合の良い女なのだろう。それはそれで後腐れがない分利用がしやすいと私自身も思っている事なので、特に気にはしない。でも何か物足りない。

「どうせ繋ぎだろ?」

「イケメンだからねwww」

「自分を大切にしろとかは言わないけど、それ本当に楽しいか?」

 既読無視をした。

 図星を突かれたから既読無視をしたわけじゃない。ちょっと面倒くさい事を言い始めたから既読無視をしたただけ。

 あの頃の私は、あいつの言う正論がとてもうざかった。

 私の前を都合の良いバーテンダーの男が通ったからキープした。