雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

ほろり。 4

2019-02-13 00:15:49 | セツナイ
 
 
 
 
 
 
水木しげるさんのお墓はすぐにわかりました。
それは、あまりに特異な存在感があったからです。
正面には丸くデフォルメされた
可愛らしい鬼太郎さんとねずみ小僧さんの石像が置かれていて。
墓碑を取り囲み、敷地を区切っている石壁には、
水木さんの漫画に出てくるあらゆる妖怪の姿が彫り込まれています。
 
 
 
なるほど。
確かに此処にはツカヘイさんの仲間達が揃っています。
これならツカヘイさんが言う様にハナちゃんも寂しくないかもしれません。
 
 
 
「こんな場所が東京にあったのか、、、」
 
 
 
と、僕は少々驚きつつ、そもそもねーさんは、
ツカヘイさんの言葉を降ろした時には、
この調布のお墓のことなど全く知らないまま受け取っていたわけです。
それをよくわかっている僕としては、
彼女が降ろした言葉通りのモノモノが実際にあった!
ということにかなり驚いてもいました。
そして、それらのことに輪をかけて感心させられたのは、
そんな水木さんのお墓の造りやデザイン。
実際目にしてみると、
 
 
 
 
 
 
と、改めてそう強く思わされもしました。
聞くところによると、このお墓は
水木さんが生前に自分自身でデザインして作っていたものらしく。
しかも、水木さんらしいというか、なんというか、
本来、水木さんの家の宗派は代々曹洞宗だったらしいのですが、
このお墓のある覚証寺は浄土真宗のお寺となっているのです。
どうして?そうなったのか?といえば、
 
 
 
「ただ単に自宅のすぐそばだったから......」
 
 
 
というのが一番の理由らしく。
しかもこちらの住職さんと妖怪の話で盛り上がったからなのだとか。
こんな逸話からも水木さんというのは、
本当に何ものにも囚われない、おおらかな方だったのだなぁ、と。
それはそれは、妖怪さん達にも好かれるわけだ、と。
そんな感慨も湧いて来るのです。
水木さんにはそんなつもりはなかったのかも?しれませんが、
こうして、自分のお墓までもが座敷童子さんや妖精さんや
妖怪さん達の拠り所となってしまっている!?
なんていうことは、偶然のこととしても?
並大抵の感性や感覚で無かったであろうことがよく伝わってもきます。
水木さんの残した偉大な作品群は勿論のことですが、
このお墓の存在感にしても僕は恐れ入ってしまうのです。
世知辛い東京でハナちゃんが眠るには、
これ以上良い場所はないのだろうな、と。
僕はそんなふうにも思わされました。
しかししかし、ここは人様のお墓。
水木さんには少々申し訳ない......!?
という気持ちなどもありつつ、ただ、
水木さんの故郷からやって来た座敷わらしのツカヘイさんが、
他でもなく、
 
 
 
「ハナちゃんはココに眠らせたい、、、」
 
 
 
と、強く望んでくれたことに関しては、
天国の水木さんも喜んでくれているのではないか......と。
そんな勝手なことも思いながら、
とにもかくにも僕等はお墓参りをしたのでした。
 
 
先ずは水木さんにご挨拶を、と、
お水とコロッケとお香を差し上げました。
こんな奇跡的な場所を作ってくれていたことへの感謝の気持ちと、
尊敬と。
あちらの世界で安らかに過ごされています様に......
という僕らの真っ直ぐな気持ちと。
何卒、ハナちゃんを宜しくお願いします、ということと。
そして、僕らはツカヘイさんがハナちゃんを埋めたと言っていた
お墓の後ろ側に回り、ハナちゃんに、
 
「どうぞ安らかに休んでください、、」
 
と、お花とお水とコロッケを差し上げました。
 
 
 
差し上げた後は、お花以外、コロッケと水はすぐに下げ。
お墓もきれいにして。
ハナちゃんと水木さんに届くように......と、
その場で皆で飲んで、食べました。
ふと、空を見上げると、何かと騒がしくもあり、穏やかでもあり......
水木さんのお墓にいる間は、僕はずっと両肩がズシリ......と、
痛む様に重く感じていました。
そんなふうに、この日僕等は自分達に出来ることを誠心誠意、
心を込めて捧げました。
 
 
翌日、ツカヘイさんが皆に話をしに来てくれました。
 
 
 
「ツカヘイです。
昨日は、ありがとうございました。
 
ハナちゃんが大好きなコロッケを食べてくれたので、
供養になりました。
 
水木しげるさんの墓は、妖怪の世界でも有名です。
彫刻がスゴく上手く出来ているからです。
見ることが出来るのは、少ない妖怪もいますよ。
 
花は黄色がよかったのです。
ハナちゃんは、ヒマワリが好きでしたから。
コニャ(奥さん)さんも好きだから子供の名前にしようとしていたのです。
ただ、女の子の名前は二文字に決まっていたので、“キミ” にしました。
肩が痛いと言っていたでしょう。uzmetさんが。
沢山の神が来ていましたよ。」
 
 
 
 
 
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