建前の餅撒きと銭撒きと | トミーは虫の息

トミーは虫の息

40代半ば仕事で身体を壊し、50歳で会社を辞てから早十年!
悲しいことに未だに身体が動かない。5分も歩けばへたり込む。
この世知辛い世の中で再就職もままならず、ただひたすら引篭り
ニートを決め込む毎日。

ここ数年で僕の棲家の周りにあっという間に
何軒ものモダンな造りの新築の家が建った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ここ東京でもまだ家を建てる際の"地鎮祭"
欠かさず行っている所が多く見受けられるが

でも最近は「上棟式」まできちんと行っている

家と言うのをトンと見掛けなくなった気がする。

 

 

 

 

 

 

 


そう言えば、子供の頃の記憶を思い出す・・・。

 

 

 

 


僕の田舎は棟上げ式の事を建前と呼んでいて

祝式の最後に家の梁の上から威勢よく紅白の

丸餅やらお菓子の小袋やら小振りの蜜柑やら

和紙で包んだ5円玉の"捻り銭"やらが盛大に
撒かれて、それを拾うのを目当てに老若男女
問わず人が大勢集まって随分賑わったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最近の家の多くは既に大部分建築メーカーの

工場で組み立てられてしまっているから現場

ではそれをクレーンでヒョイと持ち上げ基礎の

上に直接ポンと乗っけるだけ!っていう所謂

「組み立て型」って感じだからか、今更敢えて
現場で上棟式を行う意味も意義ももはや無く

なってしまった、という事なのかも知れないが。

 

 

 

 

 

 

 


余談だけれど・・・

 

 

 

 


僕の実家の家が建ったのは、確か昭和45年。

 


元々は畑だった小高い丘の坂の上の土地を
親が買って、そこに念願の新築の家を建てた。

 


僕はまだ小学3年生、弟は幼稚園児だった。

 


僕にとって4歳の時以来2回目のお引っ越しで
真新しい木と畳の匂いにワクワクしていたが
幼い弟は中々慣れず
「早くお家へ帰ろうよ」
数日の間夜になる度にそう言ってぐずってた。

 


兄弟共に50の坂を越え今や「アラ還」と化した

オッサンズのちょいと良き想い出だったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







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