イエスが第六の封印を開くと大きな地震が起こり、太陽と月と星に異兆があります。そして、巻き物が巻き上げられていくように天が去ってゆきます。(啓示6:12-14)今回は、ここを解説してみます。
(1)天が去ってゆく
巻き物が巻き上げられていくように天が去ってゆきます。(啓示6:14)ここでの天とは何を意味するのでしょうか。天とは、人間社会の中の支配的な部分、つまり政府を意味します。なぜなら、イザヤ書の中で「新しい天」とは、イスラエルの首都であった「エルサレム」を意味しているからです。(イザヤ65:17,18)
新しい天とは新しいエルサレム
つまり天とは政府を意味する
さらに、このシリーズの「(11)第六の封印を開くと大きな地震が起こり太陽と月と星に異兆がある」で言及したように、類似の表現がイザヤ34章にあります。
それは、「すべての国の民」「彼らのすべての軍隊」に対する、エホバの「激しい怒り」の表明に関係した表現です。エホバは、「彼らを必ず滅びのためにささげ,必ず殺りくに渡され」ます。(イザヤ34:2)そして、その文脈の中で、「天の軍勢の者たちはみな必ず朽ち果てる。」という文の後に、「天は書の巻き物のように必ず巻き上げられる。」という表現が出てきます。(イザヤ34:4)
天が巻き上げられた巻き物のようになる
これは、「彼らを・・・必ず殺りくに渡される」と表現されているので、天の軍勢の者たちは、超自然的な仕方で、全滅するのではなく、戦闘で全滅してしまうのでしょう。
天の軍勢の者たちとは政府に属する兵士の軍勢を意味する
「天の軍勢の者たち」とは、人間政府の中の兵士で成る軍勢を意味するでしょう。(イザヤ34:4)
それゆえに、天が書の巻き物が巻き上げられるように天が巻き上げられるとは、人間政府の中の兵士で成る軍勢が全滅してしまうために、人間政府の実体の大半が無くなり、人間政府の権威と、実効性が無くなってしまうことを意味するでしょう。
天が巻き上げられた巻き物のようになるとは・・・
軍勢が全滅することを意味する
(2)北の王による一度目の南に対する攻撃の時
この啓示6章で預言されている状況は、三度目の攻撃の時だと思いますが、一度目の戦闘の時にも、南の王は非常に多くの兵士を犠牲として失います。(啓示6:13)
そして、一度目の攻撃の時は、南の王国そのものは無くなることはありませんが、その時の政権は消え去ることを余儀なくされるでしょう。南の王は、最初の総攻撃の時に、「彼の美食を食していた者たち」によって、「崩壊」をもたらされることになっています。(ダニエル11:26)
北の王が南の王を一度目に総攻撃をしかける時には、南の王の「軍勢についても、それは押し流され、多くの者が打ち殺されて必ず倒れる」ことが預言されています。(ダニエル11:26)ですから、実質的に敗北したその時の政権は、倒れて過ぎ去ってしまいます。いわゆる、天が過ぎ去ることになります。
北の王の一度目の攻撃の時南の王の軍勢はその多くが倒れることが預言されている
(3)北の王による三度目の南に対する攻撃つまり大患難の時
当然、三度目の攻撃の時の方が南の王の軍勢の犠牲は大きいでしょう。北の王に率いられた膨大な数の軍勢の前に、「エジプトの地は逃れ出るものとはならない」ことが予告されています。(ダニエル11:42)エジプトとは、霊的なエジプト、つまり、大いなるバビロン、米国を意味しています。霊的なエジプトの軍勢は、三度目の戦いの時に、北の王の軍勢の前に、おそらく全滅してしまうでしょう。
南の王の軍勢はおそらく大患難の時にほぼ全滅してしまうでしょう
ですから、北の王が南の王を攻撃する時に、天が巻き上げられるように、南の王の政府は消え去ってしまいます。さらに、諸国家の政権も、人間の政府は、エホバ神のご意志に逆らい、その律法に違反する時、巻き物が巻かれるように簡単に過ぎ去ってしまいます。
南の王の軍勢は大患難で巻き物が巻き上げられるように簡単に過ぎ去ってしまうことが預言されている
啓示16章には、「大いなる都市」「大いなるバビロン」が倒れる時に、「諸国民の数々の都市」が倒れることが預言されています。(啓示16:19)ですから、三度目の北の王の南に対する総攻撃の時に、米国だけでなく、その他の米国の同盟国の政権も倒れてしまうでしょう。いわゆる天が過ぎ去ることになります。
私たちは人間政府に、敬意を払うべきですが、人間政府は、永遠に存続するものではないので、崇拝する事、つまり絶対的な従順を捧げることは避けるのが賢明です。
天すなわち政権は過ぎ去ってしまう