月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ディンブラ(紅茶)にいれるミルクには

2020-01-24 22:44:30 | writer希望を胸に執筆日記

1月7日(火曜日)雨

起きて、紅茶を入れるのが習慣だ。
今日は「べにたちわせ」(ムジカ、和紅茶)にした。シュンシュンとお湯がわくのを待つ間、冷蔵庫とガス台のコーナーを背に、武田百合子さんの本を読む。正月時期には毎年のごとく、読みたくなる。


うちの家は、どの部屋もオレンジの電球ばかりだが台所はそうではない。白い灯りの下、さらさらと文字が体にはいってきた。
「べにたちあわせ」(ムジカ)は、秋の香りだ。爽やかな渋みが和菓子によくあう。


冷蔵庫のうーんという音、換気扇のゴーという音をBGM に読んでいると、吉本ばななさんの「キッチン」の冒頭のところを思い出した。

「私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。(中略)。どこへいても何だか寝苦しいので、部屋からどんどん楽な方へと流れていったら、冷蔵庫のわきがいちばんよく眠れることに、ある夜明け気づいた」(キッチン)。


ここも、なかなかおちつく台所だ。私は背が低いので踏み台を置いており、こうやってこの位置に座ってみれば、本も読める。目の高さに六甲山系もみえるのだ。


お昼。昨日のビーフカレーを温めて。ふと香草をいれてみたくなったので、ミルクティー用の紅茶にいれるレモングラスを少し、ネギをたくさん入れる(ネギはオーブンで茶色になるくらいに焼く)。


午後は銀行へ行き、ウィーンのカード払いの金額を振り込んできた。(私にしてはどえらい金額)


帰宅して寒かったのでムジカティーの紅茶、「デラックスディンブラ」をいれる。ミルクにする牛乳は今日は木次牛乳(奥出雲)。









あ、やはりこれだ! ここ数ヶ月、北海道の「町村牛乳」や「蒜山ジャージ牛乳」。気に入った銘柄がなく「よつ葉牛乳」など、ぐるぐるとあれこれ試してみたが。ムジカの「デラックスディンブラ」には、木次牛乳が最も合うと落ち着いた。


夜ごはんは七草粥(五分粥で)、塩さば、おみそ汁。ブロッコリーとりんごのサラダ。栗きんとん。




1月8日(水)

クリスマス時期から今日まで、夕ご飯にあわせたお酒を選ぶのをたのしみにしてきたが、どうやら胃腸がお疲れ。朝から食欲がない。


朝の紅茶のあと、無理をしてお粥と目玉焼き、お味噌汁などを胃にいれて、仕事の原稿をつくる。午後、是枝監督の「真実」をみるために車を出すが、黄色い金柑の木が見えたところで、「今日が燃えないゴミの収集日」と思いだし、家に戻ってきた。年末年始の酎ハイの缶が、台所にうず高く積まれているのだった(相方の晩酌)。


年末年始から「今晩はなにを飲もう」が楽しみで台所にたち、食卓を整えてきたがいよいよ今日で終止符。食後に宇治茶をいれてみた。あぁー。なんて清々しいことよ。千枚漬けにもお味噌汁にもよくあう。体にみにしみ入る緑茶よ。ゆうごはんは、北海道のホッケを焼いて、粕汁をつくる。


夜は12時にはベッドへ入る。Nがあかちゃんの時に使っていた湯たんぽを布団の中にいれて、今これを書いている。軽く本を読み就寝。





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