今回の四方山話は、久しぶりの「分水嶺」ネタのご紹介です
昨日、6月27日(土)の北海道新聞朝刊の19面に、メコン川流域の国々、
それも主に下流域でその恩恵を受けている東南アジアの国々に今、
農漁業被害が起きているという特集記事を読んでの感想です
インドシナ半島のメコン川流域「大規模ダム(計画を含む)」
ここで分水嶺ネタなので、インドシナ半島の分水嶺は何処に存在するかといことから説明すると、
それは過去に「分水嶺4」で取り上げた『世界の分水界』の地図を眺めるとよくわかります。
ミャンマーとタイの国境が分水嶺になっているらしく、
その両国の国境に高い山があるということです、どうやら。
インドシナ半島の紫色はすべて南シナ海(太平洋)に流れます!
さて、今回はその分水嶺の東側にあって北から南に大きく流れるメコン川について、
これまた以前「分水嶺3」で取り上げた中国の「黄河断流(こうがだんりゅう)」と同じような川の水の枯渇が
起こっているという驚くべき事実についてです。
しかし、
メコン川と聞いて、中国を思い浮かべることができる人が日本にどれだけいるでしょう?
メコン川の知識は、メコンデルタで有名なベトナム、カンボジアにひろがる広大な稲作地域で
その肥沃な土地から農漁業産物がたくさん採れて国を豊かにしているんだろうぐらいのものです。
なんと、
このメコン川は、流れ出る南シナ海から上流に遡ること、
ベトナム⇒カンボジア⇒タイ⇒ラオス⇒ミャンマー⇒中国(雲南省)となっており、
最上流域の中国に既に完成しているダムの数だけでも数十1基あって、その流量の調節弁によりまず最初に
中国がその恩恵を欲しいままにしているのです。
そして次に流れ着くミャンマーにはダム建設ができるような場所がそうないのか、
あるのは次の次に流れるラオスです。
ラオスはタイとの国境の半分以上がこのメコン川を境にしていて、
タイ側にもおそらくはダム建設できる場所がないのか、
その恩恵に与っていないようです。
つまり、水利権はすべてラオス側にあってダムの建設も今ある1基の他、
すでに稼働している5基に加えこの先も大小100基の建設を予定していて、
その電力をタイに売っていくらしい。
さらにその下流域の親中で知られるカンボジアには現在ある2基に加え1基が建設中
いずれにしても、中国と“一帯一路”で深い関係にある国にはダムの建設費を含めて配慮するものの、
敵対する国には干ばつになっても我関せずということらしい。
ここでもアメリカが衛星を使って雨季の間に中国のダムに潤沢に貯められている川の水が制限されていると結論付けている。
記事中⇒国際河川をめぐっては、アフリカのナイル川でも上流国エチオピアが中国国営企業の技術支援で大規模ダムを建設、
下流国のエジプトとの調整が難航している。
それにしても、Toshiが毎度驚かされるのは黄河やメコン川のような膨大な水量を枯渇(断流)させるほどの
人間の営みって「どんだけ?」って感じであります。
直接地続きでない日本は台風や豪被害の心配はあっても水が無くなる心配がないので幸せですね。