【6月貸出・預金動向】
 日本銀行が8日に6月の貸出・預金動向(速報)を発表。

 貸出動向をみると
 総貸出平均残高は前年同月比+6.2%の570兆1110億円、前月は+4.8%。
 銀行計(都銀等+地銀)は前年同月比+6.5%の497兆7580億円、前月は+5.1%。

 預金動向をみると
 3業態計(都銀+地銀)は前年同月比+8.0%の786兆1263億円、前月は+6.2%。

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 詳細は日本銀行で確認できます。

 6月の総貸出平均残高は前年同月比+6.2%と前月(+4.8%)、銀行計(都銀+地銀)も前年同月比+6.5%と前月(+5.1%)から加速しました。新型コロナウイルス感染拡大により企業は業績が悪化、手元に運転資金を確保する動きが強まっているようです。
 一方、預金平均残高(都銀+地銀)も前年同月比+8.0%と前月(+6.2%)から加速しています。

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 総貸出平均残高を業態別にみると都銀等が前年同月比+8.6%と前月(+6.6%)から加速、地銀も前年同月比+4.7%と前月(+3.7%)から加速しました。最後に信金についても前年同月比+4.5%と前月(+2.7%)から加速しています。
 都銀の伸びが地銀の伸びを上回っていることから比較的大きい規模の企業が売上急減もしくは見越して手元に運転資金を確保する動きが強まっているようです。

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 一方、預金動向をみると預金平均残高は前年同月比+8.0%と前月(+6.2%)と加速しました。業態別にみると都銀が前年同月比+10.2%と前月(+8.2%)から加速、地銀も前年同月比+5.7%と前月(+3.8%)から加速しています。
 預金も貸出金と同様に都銀の伸びが地銀の伸びを上回っており比較的大きい規模の企業が景況悪化等の理由で運用先の選定が難しくなっており預金を積み上げているように見えます。

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 預金・貸出率(預貸率、貸出金÷預金)は前年同月から▲0.9ptの63.3%となり過去最低となりました。業態別にみると都銀は前年同月から▲0.8ptの56.1%と前月から下げ幅を縮小したのに対し地銀は前年同月から▲0.7ptの71.6%とほぼ6年ぶりに前年同月を下回っています。

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 今後ですが貸出金は企業の業績が悪化していることから運転資金の確保手段として需要が高い状態が当面続きそうで一定の伸びは維持しそうです。
 一方、預金も海外経済の悪化で運用先の選定が難しくなっているため預金は伸びを維持しそうです。預金の伸びが貸出金を上回りやすい状態に変化は起きなさそうで、金融機関は運用先に難しい選択をしなければならない状況が続きそうです。

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