親が喜ぶ話し方 ここまでをまとめ読み その4
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*この記事は、2021年5月頃からシリーズで配信したものに多少の修正を加えたものです。
のつづきです。
前回は、日常生活や仕事でのコミュニケーションという観点で考えると、
最も悪影響が大きいと言える3つ目の特徴の前編として、あまり知られて
いないけれども、加齢性難聴による周波数分解能の低下によって、
言葉は聞こえるけど、聞き分けができないという特徴があるのだ、という
お話をしました。
前回、言葉は聞こえているのに、聞き分けが出来ないというのは、
加齢性難聴による周波数分解能の低下が原因であるという
お話しをしました。
まず、言葉(声)に限らず、全ての音は様々な周波数成分が
混じり合って出来ています。
音の違い、言葉の違いなどは、多くの場合、この周波数成分の
混ざり方の度合いの違いで決まります。
人間は、耳の穴の奥にあるカタツムリのような形をしている
内耳(蝸牛)と呼ばれる器官で、耳に入ってきた音の周波数成分を
分析し、その混ざり方の度合いを脳に送っています。
脳は、内耳から受け取った周波数成分の情報から、言葉を聞き分け、
理解しているのです。
で、
加齢性難聴になると、内耳の機能が衰えてきます。
衰えてくると、耳に入ってきた音に含まれる周波数成分の分析が
上手くできなくなります(これを周波数分解能の低下と呼びます)。
そうすると、脳に正確な情報が伝わらなくなり、言葉の聞き分けが
出来なくなるのです。
前回とは違う↓の動画の音を聞いて、周波数分解能が低下すると、
どのように聞こえるのか体験してみてください。
↑のクイズ形式の動画で、一発で正解が分かった人はいるでしょうか?
おそらく、いないのでは?
気を付けて欲しいのは、この症状がある人は、声は聞こえているので
反応、応答はします。
しかし、言葉が聞き分けられないので、おかしな返答をしてしまったり、
誤解などが多くなるので、
認知症初期症状と
間違われやすいのです
さらに、この症状は、程度の違いこそあれ、ほとんどの人で、
40歳くらいから出始めます
老人だけの話だと思ったら大間違い!
10代~30代の皆さんも、自分のお父さんやお母さんに、
うまく話が伝わらない時は、感情的になる前に、この症状を
疑ってみてください。
ここからは、無自覚な加齢性難聴の代表的な5つの特徴の
4つ目です。
今回の特徴も、もちろん仕事や日常生活の場での影響が
大きいのですが、さらに、
自分の親の聞こえに
こういう特徴(症状)があると
分かれば、
子としては対処しやすい
という特徴があります。
早口で話されるとついていけない
という症状は、加齢に伴って誰にでも起こるものです。
40歳くらいの人でも、10代や20代の人たちがお喋りして
いるのについていけなくなってきた、という経験や自覚が
あるのではないでしょうか?
そう、だからこれは、決して”老親”だけの話ではなく、
お父さん、お母さんが40歳代くらいの皆さんにも、
ぜひ、知っておいて欲しい話なのです。
さて、ここで、「早口で話されるとついていけない」と
言われると、
多くの人が
脳の機能(認知機能)の低下と
決めつけてしまう傾向にあります
では、まだ認知機能の低下は起きていないであろう世代の
皆さんは、↓の動画の説明を読みながら、音を聞いて
みてください。
最初から聞き取れたでしょうか?
おそらく、大部分の人は聞き取れなかったと思います。
認知機能は衰えていないのに?
これが、無自覚な加齢性難聴なのです。
そして、↑の動画の声ですが、ゆっくり、ハッキリ、丁寧に
話せば、ほとんどの人が内容を聞き取れる(ついていける)
ことが実験的に明確に証明されているのです。
なぜ、こんなことが起きるのでしょうか?
例えば40歳くらいの人の大部分は、若い人の話を理解でき
ないと??・・・そこまで認知機能は低下していないでしょう。
ではなぜ?かと言うと、これは、
無自覚難聴の5つの特徴③(後篇) 言葉の聞き分けができない
↑でお話しした、周波数分解能の低下が最大の要因なのです。
内耳の機能が衰えて、音(声、言葉)の周波数成分が正確に
脳に送れなくなると・・・
その内容を理解するのに時間がかかるようになります。
当然ですよね?
大事な内容が欠落していたり、曖昧な情報しかもらえ
なかったりしたら、そこから正確な内容を推測、予想して
理解しなければならないので、それに時間がかかると
いうのは、誰もが想像できると思います。
(無自覚な)加齢性難聴になっているあなたの親の脳は、
あなたが早口で話すたびに、こんな風に高速で回転して
いるのです。
いや、あなたには、親に対して早口でまくし立ているつもりは
ないのかもしれません。
でも、あなたの親の聞こえは、あなたがまだ小さな子供だった
頃とは違うのです。
確実に、無自覚な加齢性難聴になっているのです。
よって、まずは、とにかく
ゆっくりと話す
ことが最も重要です。
それも、普通にゆっくりではダメです。
極端なくらいに、ゆっくりと
話すように心がけてください。
無自覚な加齢性難聴の人への話し方のコツは、
↑にも詳しく書かれていますので、ぜひ参考に
してみてください。
つづく-> 親が喜ぶ話し方 ここまでをまとめ読み その5
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