#4のコントですが、独立しているので、

#1~#3を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら

#3はこちら


 

カツオ
(正座してバインダーに何か書いている)

波平
「(部屋に入ってくる)あぁ、呼び出してすまんな。」

カツオ
(首を横に振る)

波平
「どうだ、夏休みは。

 楽しんでるか?」

カツオ
(うなづく)

波平
「そうか。

 でも、ちゃんと宿題もやらないとダメだぞ。

 宿題、やってるか?」

カツオ
(うなづく)

波平
「おぉ。感心感心。

 今日呼び出したのはその宿題に関することなんだ。」

カツオ
(波平の髪を見て、バインダーに何か書く)

波平
「夏休みに入ってからかなぁ。

 父さんの周りで色々な異変があってな。」

カツオ
(また髪を見て、バインダーに何か書く)

波平
「最初は気のせいかと思っていたんだが、

 だんだん異変が続くようになって、父さんも不審に感じてな。」

カツオ
(さらに髪を見て、バインダーに何か書く)

波平
「調べてみると、その異変は全部、

 カツオ、お前の仕業だったようだ。」

カツオ
(髪を見て、バインダーに何か書く)

波平
「単刀直入に言おう。

 カツオ。お前、父さんの髪の毛を自由研究のテーマにしてるだろ。」

カツオ
「っ!!」

波平
「さっきから何を書いてるんだ。

 父さんの髪を見ては何か書いているようだが。

 今も何か研究の資料を集めているのか?」

カツオ
(髪を見て、バインダーに何か書く)

波平
「うん。一旦、研究の手を止めなさい。

 その研究について父さんから言いたいことがあるから。」

カツオ
(バインダーを置く)

波平
「確かにこの髪の毛は異様だ。

 自由研究のテーマにしたい気持ちもわかる。」

カツオ
(うなづく)

波平
「マスオくんも初めて父さんを見たとき、二度見した。」

カツオ
(うなづく)

波平
「確かに自由研究だ。

 なにを研究するかは自由だ。

 だが、カツオ。自由にも限度があるぞ。」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「いいか。

 自由研究で自分の父親の髪の毛をテーマに挙げるってなかなかすごいことだぞ。

 他に何かなかったのかって言われるぞ。」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「100歩譲ってお前のやっている研究がOKだったとしよう。

 だが、お前のやっていることはめちゃくちゃだぞ。」

カツオ
(やったことを思い出そうとする)

波平
「思い当たる節がないか。」

カツオ
(うなづく)

波平
「では言おう。

 お前、父さんが寝ている隙にすり替えただろ・・・?」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「父さんの髪の毛を・・・。」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「毛糸に。」

カツオ
(ポンと手を叩く)

波平
「なんだ、その実験は!

 父親の頭頂部の唯一の毛を毛糸とすり替えるって!」

カツオ
(満足そうにうなづく)

波平
「あの日大変だったんだからな。

 通勤中、周りからやけに視線を感じるし。」

カツオ
(うなづく)

波平
「その日の昼、部下に言われたよ。

 『磯野さん、今日、暖かみがありますね』って。」

カツオ
(バインダーを取り、メモる)

波平
「メモるなメモるな。

 メモってどうする気だ。

 どこで使う気だ。

 『磯野さん、今日暖かみがありますね』って。」

カツオ
(バインダーを置く)

波平
「いいか。自由研究とはこういうものではない。」

カツオ
(うなづく)

波平
「仮に自由研究だとして、少なくとも毛糸にすり替えた日は父さんを尾行しなさい。」

カツオ
(うなづく)

波平
「お前、その日、家で普通にSwitchやってたよな。」

カツオ
(うなづく)

波平
「ドッキリ仕掛けといてフォローしないってヒドいぞ。」

カツオ
(うなづく)

波平
「トイレで毛糸に気づいた後、

 父さん、小型カメラがないか、会社中走り回ったんだからな。」

カツオ
(うなづく)

波平
「その後、会社で注意喚起があったんだぞ。

 『頭に毛糸をつけた不審人物が会社中を走り回ってます』って。」

カツオ
(バインダーを取り、メモる)

波平
「だから、メモるな!

 こんなの自由研究じゃないからな。」

カツオ
(バインダーを置く)

波平
「別の日も、お前、すり替えただろ?」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「父さんの髪の毛を。」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「ヘビに。」

カツオ
(ポンと手を叩く)

波平
「だから、なんだよ。

 何がしたいんだよ。

 父さんの髪の毛をヘビにすり替える自由研究ってなんだよ。」

カツオ
(うなづく)

波平
「父さん、その日、会社で部下に言われたよ。

 『さみしいメデューサ』って。」

カツオ
(うなづく)

波平
「そういえばお前、この前、父さんの髪の毛とマッチを交互に見てたな。」

カツオ
(うなづく)

波平
「誤解のないように言っておくぞ。」

カツオ
(首をかしげる)

波平
「父さんの髪の毛は導火線ではない。」

カツオ
(急いでバインダーを取りメモる)

波平
「いやいや、そんなに大発見か?!

 言わなければ、いずれ試す気だったのか?!」

カツオ
(バインダーにメモりながらうなづく)

波平
「いいか、カツオ。

 自分で言うのもアレだが、これほどの毛根の持ち主、しばらく現れないと思うぞ。

 もう少し丁寧に扱え。」

カツオ
(バインダーにメモりながらうなづく)

波平
「そして、母さんの気持ちも考えろ。

 仮に本当に導火線で父さんが爆発したとしよう。」

カツオ
(バインダーを置いてうなづく)

波平
「・・・母さん、マスコミになんて発表すればいいんだ。」

カツオ
(うなづく)

波平
「『まず主人の毛根は奇跡の毛根で』ってところから始める必要があるぞ。

 ネット荒れるぞ。」

カツオ
(うなづく)

波平
「とりあえずだ。

 この自由研究はボツ!!」

カツオ
「っ!!(固まる)」

波平
「当たり前だろ!

 OKすると思ったか!

 髪の毛を毛糸にすり替えられた張本人が!」

カツオ
(うなだれる)

波平
「・・・もう少しまともな研究を探しなさい。」

カツオ
(うなだれる)

波平
「・・・そんなにショックか?」

カツオ
(うなだれたまま、うなづく)

波平
「そうか・・・。まぁ、確かに苦労した研究だったもんな。」

カツオ
(うなづく)

波平
「なんか食べに行くか?」

カツオ
(顔を上げる)

波平
「何が食べたい?」

カツオ
(波平に耳打ちする)

波平
「牛丼か。

 いいぞ。牛丼食べに行こう。

 それで少し元気出せ。」

カツオ
(うなづく)

波平カツオ
(部屋を出て行く)


(翌日)


(波平の会社)


波平
「(頭に糸こんにゃくをつけて走り回っている)どこだー!!カツオどこだー!!」


(磯野家)


カツオ
「(Switchの Joy-Conを振りながら)ヘーイ!」

中島
「(Switchの Joy-Conを振りながら)ヘーイ!」

カツオ
「(Switchの Joy-Conを振りながら)ヘーイ!!」

中島
「(Switchの Joy-Conを振りながら)ヘイヘーイ!!」

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

波平さんの設定はやはり作りやすいので、また1本作りました。

どうしても、僕の中では実験している人が無言で、被験者が一方的にしゃべる構図があって、今回もそれに乗っ取っています。

 

【上演メモ】

人数:3人

波平

カツオ

中島

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★☆☆
備考:衣装以外に難しいところはないと思います。ただ、カツラは大変です。

糸こんにゃくのシーンで十分オチているので、最後のswitchのシーンはカットしても問題ありません。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】大型アップデート
【コント】ウィリアム・テル ~エピソード0~
【コント】神様との別れ
【コント】午前0時のシンデレラ#3
【コント】金の斧、銀の斧

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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