私は現在、小学校で英語のクラスのアシスタントをしている。
同僚のアメリカン人ボブとは休み時間や移動時、よくおしゃべりをする。
ボブはゲーマーで、日本のアニメ文化を愛するちょいオタな男だ。
性格は温厚で、英語クラスのスケジュールが変わる度に私に連絡をくれる、いい奴である。
しかし、なぜかボブに、私も彼と同じくらいのゲーマーだと勘違いされている。
「若い頃やっていた、今も家族とたまにやる。」くらいの情報しか与えていないつもりなのだが・・・。
ボブ 「Hey!!ゆりさん!!Do you know this game?(このゲーム知っているかい?)」
私 「No...」
ボブ 「This is really interesting!! You should play this!The characters are...(これは本当におもしろいんだよ!遊ぶべきだ!キャラクターはね・・・侍、魔女、ヒーラーと色々いてね。ぼくのパーティーはこんな感じ、ね、ビジュアル最高だろ!!)」
どうやら携帯ゲームにお熱なようだが、全く興味が湧かない。
私 「oh nice....amazing!(おおっいいね、すごいね!)」
感じの良いコメント(ほかに思いつかない。)をすると、すかさずゲームの概要を永遠とまくしたててくる。
どうしよう。
とりあえず、次の授業も控えているので、会話を終わらせることができた。
しかし翌日。
LINEに英文メッセージが入っていたので、何だ?と目をやると、ボブからだった。
以下、LINE********************************
ボブ 「Do you know undertale?(アンダーテール知ってる?)」
アンダーテール?なんだ?私の知らない英単語か!?
私 「No. What's that?(いいや、なにそれ。)」
ボブ 「あれ?知らない?前に話したと思うんだけどなぁ・・・。」
私 「それはそうと、昨日クラッシュバンディクーっていうゲームなら遊んだよ。(こっちの話にもってくる作戦)」
ボブ 「アンダーテールだけど、かなりおすすめなんだ、●×△□○▲×~!!!」
私の話、ガン無視!!
ー終了
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許してくれ。
たぶん、話してくれたのかもしれないが、興味がなかったので、左から右に流したのだ。
ー後日
ボブ 「こないだLINEした、アンダーテールあるだろ?RPGのゲームでさ、MOTHERシリーズのゲームをもとにしたとも言われているのさ!それからのこのゲームのBGM!!実に良くてね、聴いてみたいかい?」
!?
どうしよう、BGM、激しく聴きたくない。
ボブ 「Do you want to listen or not?(あれ?聴きたいのかい?聴きたくないのかい?)」
こ、怖えええ。
これ、聴きたくないって答えたらこの場が炎上するだろう。
私 「Oh sorry. I was spacing out...(ごめん、ぼーっとしてた(どう断ろうか考えていた。))Yes! I want to listen to it.(棒読み)」
ボブ 「OK !!!」
ボブは嬉しそうにBGMを流す。
よくわからないゲーム音楽が流れているが、まったく頭に入ってこない。
職員室で、アメリカン人にゲーム音楽を聴かされている女、ここにあり。
あぁ、どこかへ流されたい。
ボブの満足そうな顔を横目に見ながら、私の意識は、太平洋に流れ着いているのであった。
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