私たちは今、新しい掃除機を買うことを検討している。
なぜなら、今の掃除機は吸引力が落ちていて、かけてもなかなかゴミを吸い込んでくれないことがあるからだ。
夫、なおぴょんは、家電を愛しており、さらに分析することを趣味としている。
一度家電を買うとなったら、ネットのデータをしらみつぶしに収集し、あらゆるスペックを照合した上で、我が家の一品を探し出すのだ。
スイッチが入った夫は、ここぞとなく生き生きしている。
「ねぇ、なおぴょん。買う前にさ、今の吸い込み具合、確認してみてよ。(ついでに、掃除機かけてくれると助かる。)」
「ふむ。」
-数分後
「あのー・・・吸い込まないと思ったら、さっそくヘッド部分に髪の毛が絡みついていることを確認しました。」
「あっごめん、ヘッド掃除、さぼってました。」
「そして、謎の空気音がしたもので、ホースの中を調べてみたところ、洗濯ばさみが挟まっていました。」
「えっ!うっそーっっん!信じられない!」
「我が家は、呪われているのでしょうか。誰かがホースに、洗濯ばさみを詰め込んだのでしょうか。」
「わはは。」
「これは、吸い込まないはずですわ。おーっほっほぉ、ホースが腸閉塞を起こしています。髪の毛やらティッシュやらがたーくさん、でてきますねぇ。」
「わぎゃ!!!!!」
「おじさんが、手術をしますので、ちょっと待っててください。」(※注:夫の一人称は、おじさんです。)
-さらに数分後
「大手術が終わりました。とりあえず、新しい掃除機を購入するまで、腸閉塞を再発させないように、努めてください。」
「はい!すみませんでした!!!」
こうして、腸閉塞専門医なおぴょんによって、掃除機についていた悪霊は取り除かれた。
私は、「こまめに掃除」という名の処方箋を出され、この事件は一件落着したのであった。
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