じいじは、就職してこの方、ずっと営業畑だ。
営業が天職といっても過言ではない。
そんなじいじは、家庭内でも営業してくるほどだ。
大じいじが天に召されたため、大じいじの家の片付けをしていたじいじ。
「お~い!ちょっと、大じいじの遺品で、あんたら欲しいものあったら持っていってくれ~。」
「えー、別にないけど~。」
箱の中を確認するとこんな感じ
「オレ、これがほしいな・・・。」
!?!?!?
息子よ、何をすかさず見繕っている・・・。
「いいぞ、いいぞ♪もっていってくれ♪」
「え!いらないよ!うちにいっぱいあるし!」
「これは、すごいんだぞ~!!夜になると、キラキラっと光るんだぞ。」
「って、おやじ使ったことあるの!?新品っぽいじゃん。未開封じゃん。」
「だって元々これワシのだもん。」←真っ赤な嘘を平気で言う。
「絶対違うね!これ、どうせ大じいじがノベルティでもらって、とりあえず持ってたものでしょうが
!」
「そうだっけ!?いや、これ本当、楽しいよ♪流れ星みたいだぞ。」←家のゴミが減るので、持っていってもらいたいだけ。
「流れ星グラス、オレほしい!オレほしい!だめぇ~?」
「そんなに欲しいなら・・・もらっとけば・・・、じゃあ・・・。」
こうして、じいじの営業と息子のおねだりにより、家にまたひとついらないものが増えたのである。
実際、じいじが言うキラキラの流れ星グラスは、どれほどのものかと使ってみたが、それほどキラキラせず、ただの普通のグラスであった。
・・・・・・。
自称、泥水をふつうの水だと言って売れる男、父きみじにより一杯食わされたのだった。
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