【映画リレー・映画チャレンジ】⑥「夢」⑦「ずぶぬれて犬ころ」、そして終わり | 大岩主弥のガンガンいこうぜ

大岩主弥のガンガンいこうぜ

岡山出身、在住の俳優です。JAEに12年所属。現在は岡山をベースに映像、舞台問わず活動しています。
愛媛県東温市を舞台にしたドラマ「Guardian of TOON~東温の守り人~」の脚本・監督をはじめ、作品を作る事にも力を入れています。

【映画リレー・映画チャレンジ】⑥

黒澤明監督「夢」

映画にしろ、舞台にしろ本当にそれを仕事にしたいなら、古典の名作に触れろと言われて育ってきました。
「名作だから今も残ってるんだよと。」

「あの映画も見てないの?」「あの本も読んだ事ないの?」「本当にやりたいなら年間最低200本の舞台見なよ。」
何て事も言われたりしてましたが、若い自分は
「じゃあ、見たら良いんだな。文句は言わせねえ。」
と悔しくてとにかく数をこなしたりしてましたぶー

触れてしまった事を忘れた作品も多いのですが、余りに衝撃的で未だに思い出す作品も沢山。沢山見たからこそ、自分の好きな事に気が付けたように思います。
まずは数に当たってみる。大事だと思います。
先輩のおっしゃる事にはまず耳を傾けるのは大事ですねにやり

最近の若い子は舞台も映画も本もほとんど触れないなんて話も聞きますが、確かにそういう人も多いなあと思う時はあります。
好きなら言われなくても見ると思いますが、もしかしたら役者になりたいという目的が先にあって、舞台や映画が好きではないのかなと思ったり。
特に舞台に多いかも。知り合いの舞台は見るけど、自分で開拓して見ない人。僕が学生の頃は「ぴあ」を片手に見てない劇団を片っ端から見たりしてたなあ。懐かしい。
映画好きな人はそうではないかも。好きな映画の話が湯水の如く出てくる方は多いですよね。

最近はどうしても、以前に比べると映画、舞台を見れる時間が減ってしまっています。だからこそ、若い頃の時間の余裕のある時に、好きに映画や舞台を見れたあの頃の記憶は財産だなと思いますキラキラキラキラキラキラ

さて、黒澤明監督の「夢」
見たきっかけは前述のごとく「黒澤作品も見てないのかよ」という先輩の言なのですが、そもそも子供の頃に「用心棒」「椿三十郎」は見てたんですよ。痛快で楽しくて。椿三十郎のラストの殺陣なんか最高でしょ。
ですが、大人になって見た「乱」「影武者」が辛すぎて他のを保留してたんです。映画といえばエンタメであって欲しかったんでしょうね。僕は。

でも、「夢」を見た時に映像美ってこういう事なのかも。こういう映画もアリなのかもと思わせてもらえたのです。
一回しか見てないのですが、ひな人形のシーンの美しさ、トンネルのシーンの不気味さ、ゴッホのシーンのアート感。未だに思い出します。
今一度見直したい作品。
あの頃とは違う感覚があるかも。

以降色々見ましたが「七人の侍」のラストシーンは大好き。「新幹線大爆破」は普通に面白い。「デルス・ウザーラ」のモヤモヤした感じも味があったし。「生きる」は文句なしの名作だし、遺作の「まあだだよ」もとても素敵な作品でした。

数多の映画が作られ、消えていく中で残されている古典の名作たちは未だに輝いてますね。

夢 - 作品 - Yahoo!映画夢(1990)の映画情報。評価レビュー 399件、映画館、動画予告編、ネタバレ感想、出演:寺尾聰 他。 黒澤明が、自分の見た夢をもとに撮りあげたオムニバス。「日照り雨」、「桃畑」、「雪あらし」、「トンネル」、「鴉」、「赤富士」、「鬼哭」、「水車のある村」の8話を収録。リンクYahoo!映画



 【映画リレー・映画チャレンジ】⑦

「ずぶぬれて犬ころ」本田孝義監督


最後はやっぱりこれにしたくて。

地元岡山を舞台にした映画。

東京で活動を続けていたら多分出会わなかった作品。


12年所属したJAEを離れたのが2012年。地球ゴージャスの「海盗セブン」が最後の仕事でした。

東京で何が出来るか試行錯誤していた際に、教えてもらった坊っちゃん劇場の事。

学生時代から好きでビデオで見たり、生で見ていた横内謙介さんが作・演出をされるという事に大変興味を惹かれオーディションに参加。有難い事に合格しミュージカル「げんない」に出演する事になりましたウインク


愛媛県東温市で過ごした10ヶ月。東温市を隅々まで探検して気付いた事。その場所の事を知れば知るほど好きになれるという事。そして、住んでいる人は意外とそこまで地元の事に詳しくなかったりする事。身近過ぎて、当たり前になりすぎて、良さに気付かなかったりする事。

そこで改めて気付いたんです。自分は岡山の事、何も知らないなあとえーん


色々思うところがあり、坊っちゃん劇場以降、岡山に拠点を移しました。

そこでまずやったのは岡山の事を知る事。

岡山には面白い偉人が沢山いました。

孤児院を作って沢山の孤児を救った石井十次。

ライト兄弟より先に空を翔んだと言われている鳥人幸吉。

桃太郎と温羅の話もその時初めてちゃんと知ったし。

自分は本当に岡山に興味なかったんだなと反省しました。

その時に読んでいたんです。住宅顕信さんの詩集や伝記も。「ずぶぬれて犬ころ」という句はとても印象に残っていました。


それから数年。住宅顕信さんの映画が撮られる。出演者オーディションがあると話を聞き、これは是非にと受けに行きました。

結果は松本信夫さん役で出演させていただく事に笑い泣き


アクション無しで、1役者として映画に参加出来るという事が初めてで、とても嬉しくて。

完成した作品を見て、僕はこういう映画に出演したくて、生きた証を刻みたくて、役者やっていたんだと感じたんです。

岡山に帰って来て、幸せな出会いが本当に沢山あって。

その中の大きな一つがこの映画「ずぶぬれて犬ころ」です。

9月にはDVD発売との事です。

レンタルショップにも並ぶと思いますし、末永く愛してもらえたら嬉しいですおーっ!


自分の出演作でアレですが、凄く好きな作品なので書かせていただきました。


https://filmarks.com/movies/74918


【映画リレー・映画チャレンジ】終


そんな訳で時間がかかってしまいましたが、7作品書かせていただきました。

自分にとっての映画って何だろうと改めて考えられた幸せな時間でした。

お声がけいただいた福永監督。ありがとうございました!!

進役で参加させていただいた「ユメミルサクラ」も引き続きよろしくお願いいたします!!


「ユメミルサクラ」のホームページ(本編、メイキング見れます。)

↓ 

https://yumemiru-sakura.jimdosite.com/ 

Home | Yumemiru Sakuraユメミルサクラ. Yumemiru Sakura. Movie Project. since 2018リンクYumemiru Sakura

 


一つ前の記事で岡山に帰って来て、沢山の幸せな出会いがあったという話を書きましたが

ジョン・ウー監督の「マンハント」

名倉監督の「BD~明智探偵事務所」

主演させていただいた広瀬監督の「xcoiaチコヤ」






NHKの「八つ墓村」

山崎監督「歩むなら」などなど役者として記憶にも記録にも残る作品に沢山参加させていただきました。


これからも自分がやりたいと思える仕事を少しずつ積み上げて行けたらと思います。

引き続きよろしくお願いいたします。


コロナ自粛もボチボチ解除されつつありますし、こういうバトン企画も終わりかなというところですが、映画の話をどうしても聞きたい方がいらっしゃったので無理言って、リレーとは関係なくお願いをいたしましたニコ


前の記事に書いたミュージカル「げんない」で共演させていただいま森一馬さん。我らがアニキです。

愛媛では面白い映画や本の話を沢山聞かせていただいたり、一緒に映画見に行ったりと大変良くしていただきました。

リレーという形では僕からのバトンはここでおしまいですが、森さんがどんな映画を紹介して下さるか楽しみに待ちたいと思います。


僕の映画思い出話にお付き合い下さった皆様。ありがとうございました!!