アルメニアコニャック(ブランデー)の試飲付きファクトリーツアー NOY

皆さん、アルメニアといえばどんなものをイメージされますかね。

自分はの頭の中では、アルメニアと聞くとこの画像が連想されるんです。

スターリンとチャーチルとアルメニア・コニャック(ブランデー)と。一度目にしたら中々忘れられない渋い絵面でしょう。

では、スターリン、チャーチル、アルメニアブランデーがどう繋がるのか。
ヤルタ会議の際にスターリンがチャーチルにアルメニアのブランデーを勧めたらしいんですよね。当時のアルメニアはアルメニア・ソビエト社会主義共和国時代でしたから、スターリン的にはトップ営業も兼ねてたのかも。
すると、勧められたアルメニアのブランデーをチャーチルが大絶賛。あまりに気に入って一生愛飲し続ける宣言までしちゃったもんだから、以降スターリンが毎年400本ものブランデーをチャーチルに送るつけることになったというw。ヤルタ会議マル秘舞台裏エピソードっすね。

この話を聞いて以来、ときの大物指導者たちを虜にしたアルメニアブランデーに対する謎の憧れみたいなものをふわーっと持ち続けていたんです。

チャーチルが愛したアルメニアブランデー アララト


スターリンとチャーチルを魅了したブランデーメーカーとは、アララトというブランド名で知られるYerevan Brandy Company。同社が生産するブランドの中で、チャーチルが寵愛したのはDVINという最高級ブランドらしい。世界を動かす政治指導者が愛飲するエクスクルーシブなアルメニアブランデー、うーん、飲んでみたい!

ということで同社ホームページからDVINの試飲体験付きファクトリーツアーを予約しようとすると…


無情にも改装中につきツアーを受け付けていないとのことでした。

いやー残念!

ただ、NOYというブランド名で売ってるYerevan Ararat Brandy Factoryという別会社も試飲付き工場ツアーを開催しているとの情報があったので、今日はプランBとしてそちらの工場を訪問してみることに。

てゆうか名前似すぎですよね。それどころかもう一社の方の社名にアララトって入ってるし。

Yerevan Brandy Company:ブランド名=Ararat(アララト)
Yerevan Ararat Brandy Factory:ブランド名→Noy(ノイ)

不正競争防止法的な法律に抵触しないのかな?⇒この謎は、後のファクトリーツアーで明らかになりました。

ノイ ファクトリーツアーへ

では、どんな工場なのか、行ってみましょう。

アララトと並ぶアルメニアブランデーの二台巨頭ノイ。両社似たような場所にあり、アララト工場から真っ直ぐ南に500m程行ったところにノイの工場がありました。工場とは思えない非常に厳つい建物で、工場というよりは本社的立ち位置の拠点なのかもしれません。


ツアーガイドの引率を受け中庭に入ると、ここでもまた厳つい大砲が。どうやら、かつてのエレバン要塞に作られた歴史ある名門メーカーらしいっす。

博物館ツアー


先ずは資料館的な建物で工場の歴史についてお勉強。

会社の創業はロシア帝政時代の1877年。
実はアララトで知られるYerevan Brandy Companyも元々はこの会社の一組織で、1948年の組織改編で別会社として分離独立していったらしい。アララトの本家本元がノイにあたるので、社名が似てても暗黙の了解的なことで許されるんでしょうね。三菱より社歴が古く先に商標登録してた非財閥の三菱鉛筆が三菱の名を名乗れているみたいな?いや、ちょっと違うか。


そんなアルメニアブランデー。その歴史は古く、紀元前3,000年頃にノアの方舟がアララト山に漂着した時に始まったとされている……という伝説にあやかって、アルメニア語でノアを意味する“NOY”というブランド名が名付けられたそう。

ひだり みぎ
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ソビエト時代には旧ソ諸国へのブランデー供給元の一つとして大発展。1901年にはパリ国際博覧会でグランプリを獲得し、フランス外のメーカーとして世界で唯一コニャックを名乗ることを認められるなど躍進したそうです。

因みに、コニャックとはブランデーの中の一種。
シャンパーニュ地方のスパークリングワインのみがシャンパンと名乗れるのと同じく、コニャック地方で一定の基準を満たしたブランデーのみがコニャックと名乗れるという認証制度に守られた商品なんです。
フランスってこういった認証制度を活用した地域資源のブランディング大好きですよねw
で、やっぱりアルメニア産のブランデーがコニャックって名乗ってるのおかしいだろ!って時を経てから指摘されるようになっちゃって、仕方無くアルメニアではアルメニアンコニャックという新規格を設けることになったらしいですw

貯蔵庫の見学

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さくっと社史を紹介いただいたところで、続いては地下に設けられた貯蔵庫の見学へ。


ひだり みぎ
ひだり みぎ
ソビエト時代に作られたアンティークなエレベーターで地下へと降りると、目の前は鍾乳洞のような地下の天然貯蔵庫。ブランデー臭が漂っていて、ここにいるだけでハッピーになってしまいそうですw



一通りの見学を終えてから、1944年物ヴィンテージワインを試飲。

ブランデー試飲タイム


そして、最後にテイスティングルームでお待ちかねのブランデー試飲タイム。



ここでは5年物と10年物の2パターンを試飲。5年の差でこれほどまでにも色の差が生じてくるんすね。味もまろやかさが全然違います。

あのチャーチルの愛したブランデーは飲めませんでしたが、ノイのファクトリーツアーも中々良かったです。5,000ドラム(≒1,000円)で1944年物のヴィンテージワインと5年・10年物のアルメニアブランデーを飲ませてもらえるわけですから。

ツアーは1時間程度、市街地からの移動時間を合わせても2時間あれば収まりきるかと思いますので、エレバンでの隙間時間にさくっとツアーに参加してみるのも良いかと思います。

【Yerevan Ararat Brandy Factory】

公式サイト:https://www.brandy.am/eng/
所在地:9 Argishti St, Yerevan
電話:+374 10 547048

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