Q&A2401 41歳から43歳で流産3回、現在46歳 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 46歳

41歳、42歳で自然妊娠、43歳で体外受精にて妊娠しましたが、いずれも胎曩確認後、心拍確認できずに流産しています。流産では3回とも自然に流れてしまったので手術はしておらず流産の原因は不明です。3回目の妊娠の際には、Th1/Th2を検査し、13.9ということで移植時にはプログラフを服用したところ、着床しましたが、流産に終わっています。

 

その後、夫婦染色体異常の検査では異常なく、リプロ大阪での検査では耐糖能がひっかかりメトグルコを現在服用中です。3回とも同じ時期に流産ですが、たまたまなのでしょうか。やはり年齢のせいでしょうか。今後、どのように治療を進めていったらよいでしょうか。

 

A 流産の採卵には子宮内容物の染色体検査を行い、異常か正常か判断して、初めて次の妊娠への対策が可能になります。すなわち、染色体が異常なら受精卵の問題であり、染色体が正常なら不育の対策が不十分ということになります。

 

しかし、3回とも自然排出したとのことですので、何ら手がかりがありません。43歳以上の方の受精卵の染色体異常頻度は80%以上ありますから、染色体異常だった可能性が高いと推測されます(断定はできません)。理想的には着床前診断を行い、正常受精卵を移植するのが良いですが、現在の日本では認められていません。

 

下記の記事を参照してください。

2016.8.9「☆女性の年齢別染色体異常頻度 その2

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。