Q&A2479 ヘパリン使用期間について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2016年に第一子をリプロ大阪にて授かり、2017年に無事に出産することが出来ました。その際、ヘパリンは16週まで使用していました。今回、第二子もリプロ大阪にて授かることができ、第一子同様ヘパリンを使用していました。ただ今回はヘパリンは10週までしか使用していませんでした(プロテインS活性が元々低い値なのですが、妊娠後も大幅な減少が見られなかったためです:数値46%)。その後順調に進んでいると思っていたのですが、10週6日の明け方に強い腹痛と大量出血があり、産婦人科を受診したところ、まだ胎児は生きていたのですが、その数時間後更に大量出血があり流産してしまいました(子宮内物が全て排出)。

そこで質問なのですが、ヘパリンを続けていたらこの流産は避けることが出来たのでしょうか。また、こんな大量出血で流産することはよくあることなのでしょうか。
 
A プロテインS活性は、妊娠中30%以上あれば問題ないとされています。したがって、それとは異なる要因が働いていたものと推察されます。大量出血で流産することはあまりありませんので、今回は出血性流産に当たると思います。ヘパリンを続けていたらこの流産は避けることが出来たとは言えませんが、そのような無用な心配を避けるために、次回はヘパリンを妊娠16週まで使用してみても良いと思います。
 
なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。