日本未承認薬オメガベン | 憧れの(?)Italia Firenze生活

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イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪

ピピウが短腸症候群になってから、ネットで同じような状況の子供を、

日本語でも、イタリア語でもよく探していました。

 

その際に、日本のサイトでよく目にした薬品の名前

Omegaven(オメガベン)

 

日本では未承認の薬のようです。

 

 

 

ピピウもそうですが、短腸症候群の人は腸から十分な栄養を吸収できないため、

太い血管にカテーテルを入れ(中心静脈カテーテル)、中心静脈栄養点滴により(以下TPN)、

生命維持に必要な栄養を摂取することがほとんどのようです。

 

“食べられなくても、そうやって点滴から栄養が摂取できるならいいじゃないか”

と思われるかもしれませんが、

私も命が助かるなら、この際それでもいいんじゃないかと思ったこともありましたが…

このTPNにも落とし穴があるんです。

 

TPNの長期投与により肝機能が低下し、

肝硬変などの合併症を引き起こすことがあるそうです。

 

この合併症も命を脅かします。

 

それだけではなく、去年の12月にピピウが手術をした胆嚢炎。

これもTPNの副作用の一つのようです。

 

 

TPNにより肝機能が低下してきた際、

TPNの中にオメガベンという魚油(ω3系脂肪酸)を主成分とする薬品を加えることにより、

肝機能回復の効果が認められているようです。

 

ところが、このオメガベンという薬、

日本では未承認薬であり、

患者(またはその家族)が輸入し、

経費と薬品代は全額負担。

 

しかも、輸送料等も含めると安い薬ではなく、

患者やその家族の経済的負担がかなり大きいと

日本で治療されている方のブログを見てしりました。

 

 

数日前、ピピウはオメガベンを使用したか、

イタリアでは承認薬なのかといった質問をいただきましたので、

少し私なりに調べてみました。

 

 

 

まず、ピピウですが…

 

基本的に生まれたときからTPNを投与しており、

ピピウも例外なく、肝機能が低下してきました。

 

特に、腸を大量切除した直後は、

肝機能の低下により素人の私でも黄疸がでているのがはっきり分かるくらい

浅黒い肌をしていました。

 

当時のピピウの体重は約1000g。

 

ドクターの当時の説明では、

「肝機能が低下してきている。

TPNの成分を調整して、できるだけ肝臓に負担がかからないようにはするが…

これだけ小さな赤ちゃんには治療と言う治療はできない。」

と言われました。

 

その後、幸いにも肝機能は回復し、

NICUを退院するころには

「奇跡的に肝機能の問題も乗り越えた。」

とドクターに言ってもらえるほどでした。

 

なので、私は今の今まで、ピピウは肝機能低下に関して、

そのための投薬、治療はされていないと思っていたのですが…

 

 

 

 

日本での未承認薬オメガベンの質問を受けてから、

ダンナとそのことを話していて、

私たち夫婦が少し調べたところによると、

イタリアでは承認薬のようです。

よって、保険適応薬です。

(イタリアの場合はおそらく無償で投与できるのではないか思われます。)

 

でも、ピピウも肝機能が低下した時期があったのに、

ドクターたちから“オメガベン”といった薬品の名前を聞いたことがないと少し不思議に思いました。

 

 

そこで、オメガベンを調べてみると、

上にも書いた通り、魚油が主成分の薬品のようです。

 

すると、ダンナがピンときました。

 

「たぶん、ピピウのTPNにすでに入ってる。」

 

 

ピピウのTPNの成分表を改めて確認してみたのですが、

ありました。

 

魚油と書いてあります。

漢字では書いてないけど。

 

1年前の成分表も見てみたのですが、魚油はいつも入っていました。

 

ということは、ピピウのTPNに入っているのが“オメガベン”という名の薬品かどうかは分かりませんが、

おそらく、オメガベンと主成分を同じくする薬品は常にTPNの中に含まれていたのだなと…。

 

ちなみに、イタリアでは病気のレベルによって、治療費、薬代等全額が保険でカバーされ無料になります。

ピピウのTPNもずっと無料でいただいています。

 

 

ピピウが奇跡的に肝機能障害を乗り越えられたのは、

この魚油を主成分とする薬品のおかげなのかどうかは分かりませんが、

今考えればその可能性も高いのだなと。

 

ということは、イタリアでは、ピピウがお世話になっている病院ではTPNにそういった薬を入れる治療が当然のように行われているのだなと。

 

 

オメガベン、またはそれに代わる薬品が、早く日本でも承認されることを祈らずにはいられません。

そして、TPNを使用する患者さんたちの肝機能低下が防げますように。

 

 

*今日、ここに書いたことは、素人の私とダンナが少し時間のある時にネットで調べたことであり、

推測の域を超えません。ドクターの確認は取っていないことはご了承ください。

 

 

 

 

 

 

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