ドイツもようやく春らしい気候のこの頃
行楽日和だし、色々出かけたいところ
だけど現在の我が家は・・・。
それどころじゃない・・・
諸事情あって、急遽引越しが決定し、現在バッタバタ荷造り中。
断捨離しなければ…。
要らんもんはさっさと捨てる!!コレ基本
そんな中、今回どうしても捨てられず困ったものがコレ↓
何だかわかります?
えーと、見てのとおり歯です。(ちなみに左上の奥歯)
サイズはりんご大、ガラス製でずっしり重い・・・。
文鎮?置物?
うーん・・・用途不明の代物・・・。
普通は迷わずポイだと思いますが。
そうもいかない理由が・・・。
これにはちょっとした思い出がある。
今から数年前、二泊三日の小旅行に出かけた時のこと。
最終日、ガラス工房に寄った私たち。
まず工房に入ると大きなお土産コーナー。
見学の開始までまだ時間があったので色々見てまわることに。
しばらく見ていると、私の眼を引くものが・・・
それは数々のガラスの歯
でもこの商品↑あまり忠実に作られておらず、微妙
職業柄、つい細部にわたって見てしまう
しばらく歩くと、また歯が
それが、さっきの歯↓
おおーこっちはなかなかいいじゃないの~
まさに教科書の見本のように再現できてる
…でも。
こんなもの欲しがる人、いる
気になるお値段は…。50€こんなものに50€・・・トンデモナイ
たかがガラスのこれが?私なら絶対要らんわ~。
その後もあちこち見ていたらあっという間に30分過ぎ、
そろそろ見学案内の時間
あれ、どこいった、うちのドイツ人(夫)
まーた好き勝手に行動してイライラ・・・
吹き抜けの二階から一階を見渡すと、あれ
レジの人と話してる?何か買ったの
まさか・・・アレ買ってないよね・・・
50€もあんなものに払ってないよね
相変わらず勝手に行動するマイペースぶりに怒り沸騰
階段を上がってきたところをとっつかまえる。
わたし:
「もういつも勝手に行動するのやめて。」
「側を離れるなら一言くらい言いなさいよ。」
「それより、アンタさっきレジ前で何してたの!?」
ドイツ人:
「ん?レジ前?何もしてないけど??」
わたし:
「まさかだけど。あの歯、買ってないよね?!」
ドイツ人:
「欲しいの?さっきじっと眺めてたよね。」
わたし:
「は?50€よ?あんなの私が欲しがるとでも」
「買ってないよね!?」
ドイツ人:
「まさか。ほら、ボク手ぶらでしょ。」
わたし:
「ならいいけど。購入したのかと焦ったよ」
「万が一買ってたら喜ぶどころか、むしろ怒ってたわ」
ドイツ人:「・・・・。」
少しして怒りが収まったわたし。
さっき、私かなりひどい言い方したような…
もし一瞬でも私の為に買おうとする気持ちが彼にあったとしたら・・・。
結構可哀相な言い方してしまったような・・・。
レジ前の姿を見たときは、
「まーた勝手にウロウロしやがって。」
「しかも、ろくでもないもの購入して」
という怒りのが大きくてつい・・・
まあでも、本人も「買ってない」というし、手ぶら。
私の勘違い
でも・・・あんな言い方したけどさ・・・。
もしもこっそり買ってくれてたら・・・?
うーん・・・それはそれで案外嬉しいような気が…
本当に買ってないのかなあ・・・。
欲しいの、欲しくないの?どっちなの?相変わらずひねくれすぎ
あれだけ「要らん!」と怒っておいて、どこか期待してる私・・・
もしかしたら旅行後にくれたりして…
そんな感じでほのかな期待を胸に帰宅。
だけど、帰宅後も変わらぬ様子の彼。
ん?私の歯はどこ?ほーら、早く出しなさいよ
どこまでも自己中でずうずうしい私は本人に聞く。
わたし:
「ねえ。私に渡し忘れてるものない?」
ドイツ人:
「何の話?」
わたし:
「私の歯は?本当は買ったんでしょ~。どこにあるの?」
ドイツ人:
「何言ってんの?要らないって言ってたじゃん」
わたし:
「確かに言ったけどさ、本当はあるんでしょ」
ドイツ人:
「え?ないよ。」
わたし:
「…ないのぉ!?」
ドイツ人:
「ないよ、だって本当に買ってないんだもん。」
わたし:
「………」
なんだよ。買ってないのかよ・・・。
期待した私はなんだったのよ・・・。
まあ仕方ない。諦めよう。
それから数週間後のクリスマス
いつもどおりプレゼント交換。
お互い希望していたものをもらって大満足
すると「ツリーの下、忘れてるよ。」と言うドイツ人。
ツリーの下
何だろう?見てみると小さな袋がポツン・・・。
手に取った瞬間、そのずっしりと重さにハッとした。
中身はそう、ガラスの歯…
え??なに、本当はやっぱり買ってたの
これには本当にびっくり
驚いて?嬉しくて?涙が…
その姿を見てウルウルしだす彼。
なんのこっちゃ分からず戸惑うチロル夫妻(義両親)
そんな経緯で我が家にやってきた用途不明の歯
なぜだろう…。
「こんなもの絶対要らん!」と本気で思った代物だけど、
今となっては捨てようにも捨てられない
仕方ない、大事に新居に持っていくことにしますか