テストが終わったあとでよく聞くセリフ第1位ではないかと思います。
「もう少し時間があれば解けた」
あるいは、
「時間が足りなかった」
とも言います。
前者と後者の最大の違いは、前者は「解ける」可能性を主張しているのに対して、後者はそれについては特に何も触れていない点です。
世間一般にはこれらは”負け犬の遠吠え”とか”あとの祭り”などと言われています。
中学受験の世界でも「言い訳をするな」の一言で片づけられてしまいます。
それに対して、どうしても納得できない人がいるようです。
「あと5分あればもう1問は解けた」
「もう1問解けたら○○点だった」
「○○点取れていたら偏差値も□□になったはずだった」
「そうすれば受講資格が取れたはずだった」
ですが、塾はそういう話を一切聞き入れてくれません。
議論にすらなりません。
当然ですね。
こういう話は一切相手をしてはいけないのです。
「もう少し時間があれば解けた」というのをもう少し論理的に解析してみましょう。
命題P:もう少し時間がある
命題Q:問題が解ける
とすると、
「もう少し時間があれば解けた」は、P⇒Q(PならばQ)と表すことが出来ます。
真偽について考えてみましょう。
テストには制限時間がありますから、終了後に追加時間が与えられることはありません。
したがって、Pは常に偽(F)となります。
Qは実際に解かせてみないとわかりませんから、真(T)と偽(F)が考えられますね。
【真偽表】
Pが真、Qが真のとき、P⇒Qは真となります。
Pが真、Qが偽のとき、P⇒Qは偽となります。
Pが偽、Qが真のとき、P⇒Qは真となります。
Pが偽、Qが偽のとき、P⇒Qは真となります。
つまり、「もう少し時間があれば解けた」というのは、実際に問題が解けるかどうかは関係なく、常に真となるのです。
簡単に言うと、非常に論破しにくい言い訳(屁理屈)であるということです。
それでは困りますから、テストには必ず制限時間があって、時間内に解いたものしか認めていないわけです。
「家に帰ってやり直したら○○点取れた」
こういう主張もよく見られます。
つまり、本当に時間があったらこれだけ点数が取れたということを証明しようとしているわけです。
確かにそれで本当に正解出来ているのであれば、その子には問題を解く力があると考えても間違いではありません。
しかし、問題を解く力がそのまま得点力となるわけではありません。
得点というのはテスト時間内に正解できた問題の合計点数ですから、家で解けても当然ながら一切加点にはなりません。
もちろん、テスト直しが宿題として出されているのであれば、家で解いたことは評価の対象にはなると思います。
しかし、それなら全問正解するまでやり直しておいた方がより評価は高いと思われます。
学校の宿題ならその評価は成績に加点される可能性もあります。
家でやり直して点数が取れたのだから、本当の実力はそれくらいあるはずだと主張する人がいます。
「本当の実力」というのをもっと明確に定義しておく必要があります。
本当と言うからには、それは塾でも正式な成績として認められなければなりません。
つまり、受講資格やクラス替えの資料として参考にされるものが「本当の実力」です。
これは月1回実施される公開テストの点数(偏差値ではなく素点)、毎週実施される復習テストの点数ということですね。
ですから、家で解き直した点数は本当の実力としては認められていないということになります。
そもそも、家で解き直した点数を成績とするのであれば、受験者全員を同じ条件にしなければ公平性は保てません。
多くの人が家で解き直したら点数が上がるはずです。
もちろん、問題を解くのは2回目ですから、当然1回目より短い時間で解けるはずです。
※ 自宅受験の模試等の結果が成績としてカウントされないのは、同じ条件が確保できないからですね。
なぜ勝負の世界では「言い訳」をするなと言われるのでしょうか?
もう少し時間があれば解けたと言う人の言い分を認めてみたとしましょう。
すると、もう少し点数が取れたはずだ主張してくるでしょう。
もう少し成績が取れたはずだから、受講資格が取れたはずだと言うかもしれません。
A判定が取れたはずだから、受験すれば受かるはずだと考えるかもしれません。
そして、入試が終わったらまた同じセリフが出てくるのです。
「もう少し時間があれば合格出来た」と。
で、第一志望校に合格出来ていたらもっとやる気を出せていたはずだとか、もっと上の大学を目指していたはずだとか、大学受験ももう少し時間があればもっといい大学に合格できたはずだと。
で、ある日気がつくのです。
「こんなはずではなかった」と。
それで気づけばまだマシな方かもしれません。
やがて、自分が親になると今度は自分の子に期待をかけます。
自分は時間が足りなくて出来なかったけど、自分の子どもはもっと早くスタートすればきっとうまくいくはず、と。
で、期待を込めた我が子の成績を見てショックを受けます。
どうして点数がとれないの?
ついつい、子どもを問い詰めてしまいます。
すると、子どもはこう答えるのです。
「もう少し時間があれば解けた」
※ この物語はフィクションです。実在する人物とは一切関係ありません。
家でやり直したら解ける人が取るべき対策法
家でやり直したら解けるということは、少なくとも問題を解くための知識は持っていると考えていいと思います。
しかし、それがテスト時間内に出来なかったということは、おそらく問題を解くのに時間がかかり過ぎているということです。
だとすれば、問題を解くのが早くなれば時間が足りないという問題は解決します。
問題を解くスピードを上げるにはどうしたらいいかという話になりますが、解き直したら時間内に解ける人であればもうヒントは出ていますね。
同じ問題を2回解けば、1回目よりも速くなることが証明されているわけです。
だとしたら、日頃から問題を何回も解いて速度を上げる練習をしていけばいいのです。
簡単ですね。
これを個別指導(マンツーマン)で教えてもらおうと思ったら1時間1万円かかります。
ところがこの対策法には致命的な欠陥があります。
多くの人が挫折するのです。
その人たちの言い訳がこちらです。
「そんなことをやる時間がない」
家でやり直ししても解けない人が取るべき対策法
時間があっても解けない人もいると思います。
それは問題を解くための知識が不足している場合です。
公式を覚えていないとか、使い方がわからないとか、計算ができないとかですね。
これでは何時間あっても解くのは無理かもしれません。
そういう人は、その問題を解くのに必要な知識を身につけることを考えなければなりません。
公開テストや復習テストの問題は、基本的にはすでに習った範囲からの出題になります。
上位クラスでは授業で習っているかもしれませんが、下位クラスでは習っていない問題が出る場合も多々あります。
しかし、いずれの場合も解き方を覚えてしまえば解けるようになります。
過去にテキストに出てきた単元をもう一度最初から解き直してみるとか、公式を覚える努力をしてみるのがいいかと思います。
それを世間一般には「復習」といいます。
中には難しい単元も存在します。
そういうときはさらに前の学年まで戻って、その単元に繋がる部分を復習しなければならないこともあります。
問題を解くためには必ずしも理解は必要ありません。
小学校レベルの公式ですから、理屈抜きに覚えてしまうものが多いのです。
中には高校数学の公式を意味もわからずに覚えて使っていたりする場合もあります。
公式の意味や証明は中学・高校で嫌というほどやらされますから、今は使い方だけ覚えてしまえばいいと思います。
そこはあまり理解にこだわってはいけません。
覚えるだけでいいのです。
簡単ですね。
成績を上げるのに必要な作業は比較的簡単で単純な作業ばかりです。
ただ、出題範囲が広くなればなるほど、その作業量は多くなります。n
授業で毎週1単元ずつ習うとして、年間で40~50単元×科目数になります。
それを1日1つ復習するとしても4~5ヶ月かかります。
2つずつなら2~3ヵ月ですね。
それだけやれば偏差値数ポイントは上がります。
簡単ですね。
言うのは簡単です。
読むのも簡単です。
だからブログにも何回も書いています。
※ 書くのは大変です。
でも、「おかげで成績が上がりました」というメッセージをくれる人は年に数人しかいません。
わざわざお礼のメールなんかしなくてもいいと考えているだけなのか、本当に成績が上がった人が少ないのかはわかりません。
別にどっちでもかまいません。
読んだくらいで簡単に成績が上がるのなら無料では書きません。
私に教育相談をしただけで成績が上がったと言う人がたまにいます。
騙されてはいけません。
成績が下がったタイミングで相談に来て、翌月に成績が元に戻っただけの話です。
そんな簡単に上がるわけないです。
せめて3ヵ月くらい通って下さい。
とっておきの裏技を紹介しようかと思いましたが、
時間が足りません。
もう少し時間があれば書けたのに・・・。