近畿圏のトップ校である灘中学校は全国でもトップレベルの学校です。
言うなれば全国大会の決勝レベルと言っても過言ではないでしょう。
そんな学校に合格するためにはいったいどれくらい勉強しなければならないのでしょうか?
個別指導の塾を立ち上げて7年、灘中にトップレベルで合格した子を何人も見てきました。
教育相談に来られる方も含めたら毎年数名の保護者とお話をする機会がありました。
トップレベルというのは、各塾で塾内順位一桁台、四谷大塚の全国統一小学生テストでいうと決勝レベル、灘中模試などでA判定よりも上の判定を取るレベルです。
いわゆる「級長合格」を目指している人たちです。
そういう人たちがいったいどれくらい勉強しているのか、あまり詳細に触れると個人が特定されてしまうので、ざっくりと紹介しましょう。
トップレベルだけではなく一般的に灘中を目指す人たちの王道パターンで考えてみることにします。
王道パターン
近畿圏で灘中を目指している人が選ぶ方法はいくつかあります。
その中でも比較的人数の多いものを見てみましょう。
1.H学園またはN学園に小1から通う。
2.3年まではS社に通い、4年からH学園またはN学園。
3.上記以外の大手塾に通い、H学園またはN学園の特訓講座のみ受講。
4.H学園またはN学園に飛び級で通い、6年で移籍または併用。
5.その他
授業時間数
上記の1のパターンを見てみましょう。
H学園
マスター+最高レベル特訓+灘中合格特訓などを全部受講した場合の1ヶ月の授業+テスト時間数合計(月4週で計算)
小1
マスター算国90分隔週、最レ算数110分月2回、灘合120分月1回で、合計680分=11時間20分
小2
マスターが100分×2科目×月4回に増えます。月合計1140分=19時間
小3
マスターは110分になります。理科が90分月1回、灘合が算国2科目になり合計1310分=21時間50分
小4
マスター算国理で110×3×4、最レが140分になり合計2120分=35時間20分
小5
マスターに算数2ndが入ります。最レが算国になり時間が長くなります。灘合も3科になります。
灘トップ層は四谷対策&関東受験も視野に入れて社会も受講します。
3科合計3080分=51時間20分、4科の場合合計3520分=58時間40分
小6
国語記述が月2回、最レ理科が増え、灘合の時間数が増えます。
3科なら3870分=64時間30分、4科だと4530分=75時間30分です。
イベントや志望校別特訓が入ると月に20~30時間増えます。
ざっくり計算すると、1ヶ月の授業時間数=学年×10時間くらいになります。
N学園
ベーシック+最高レベル特訓+灘クラブの合計時間を計算します。(月4週で計算)
その他講座はお好みで追加してください。
小1
最高レベル特訓算数50分×月4回、灘クラブ50分×2科目、合計300分=5時間
小2
最高レベル特訓算国80分×2科目×月4回、灘クラブ50分×2科目、合計740分=12時間20分
小3
ベーシック100分×2科目×月4回、最高レベル特訓(算数120分+国語80分)×月4回、灘クラブ50分×2科目で合計1700分=28時間20分
小4
ベーシック105分×3科目×月4回、最高レベル特訓(算数120分+国語80分)×月4回、灘クラブ80分×2科目で合計2260分=37時間40分。
4科の場合は合計2620分=43時間40分です。
小5
ベーシック算国各210分理科105分×月4回、最高レベル特訓(算数230分+国語130分+理科105分)×月4回、灘クラブ100分×3科目で合計4260分=71時間。
4科だと4680分=78時間です。
小6
ベーシック算国理各210分×月4回、最高レベル特訓(算数230分+国語130分+理科150分)×月4回で合計4560分=76時間、4科だと86時間です。
ここに志望校別特訓やイベントが加わります。
※居残りサポートルームを入れると月10時間くらい増えます。
トータルで月120時間くらいにはなると思います。
S社(小1~小3)
算国各2時間×月4回、理科30分×月4回で月合計10時間です。
ざっくりと6年間の合計を出すと、いずれのルートでもだいたい3000時間前後くらいになります。
※授業とテストの時間数の合計です。
これだけの時間を塾に費やしているということになります。
1時間あたり1000円としても300万くらいはかかりますね。
家での勉強時間
塾で勉強しているだけでは成績は上がらないということはみなさんご存じだと思います。
毎週宿題をやらなければなりませんし、定期的に復習もしなければ成績を維持できません。
1日の勉強時間はどれくらいになるのでしょうか?
塾の授業1時間分の宿題をやるのに1時間、今までの総復習やテストの復習に1時間、これを2周するとしたら4時間になります。
塾にいる時間の半分はテストの時間とすると、6年間で約1500時間の授業を受けているとして、家での勉強時間の合計は3000時間になります。
合計で約6000時間ということになります。
学年とともに塾の時間数が増えることを考えたら、1日当たりの平均勉強時間は学年×1時間(塾の時間を含む)くらいにはなるかと思います。
これが順調に行けたとして灘中合格ギリギリラインくらいにはなるでしょう。
ギリギリということは5分5分ということです。
復習を3~4周回す場合は勉強時間が1.5~2倍近くになります。
6年の合計で7500時間~9000時間くらいになるかと思います。
それくらいやれば灘中合格者平均は超えるのではないでしょうか。
トップレベルの場合
学年順位1桁レベル、全国決勝レベルになるとさらに勉強量は多くなります。
私が知っている限りで、H学園10傑に入っている子のほとんどは飛び級経験者でした。
飛び級の場合、小学校入学の1年前から塾に通うことになります。
つまり、7年間勉強しているということですね。
そうなると勉強時間はどうなるでしょうか?
6年生を2回繰り返すので、7年分の通塾時間の合計は約4000時間になります。
家での勉強時間も含めると、7年間で軽く1万時間を越えてしまいます。
ただし、飛び級でここまでやり込むと6年後半ではやることがなくなってきます。
そこで6年生になると塾の掛け持ちをする人が出てくるわけです。
6年生で1日6時間勉強したとすると、学校から帰宅するのが5時だとしても11時には勉強が終わってしまいます。
そうするとけっこう余裕が出てくるんですね。
まとめ
灘中を目指すなら、
1日当たりの平均学習時間=学年×1時間
6年間で(1+6)×6÷2×365=7665時間
(塾の授業およびテスト時間を含む)
これを目標にするといいと思います。
あくまでも平均です。
6年後半になると勉強時間は増えるので、実際には8000時間を越えると思います。
ただし、これは各学年で灘中向けの特訓講座の受講資格をクリアしていることが前提になります。
順調に進もうと思ったら比較的余裕のある低学年のうちに頑張っておいた方がいいことはわかると思います。
例えば小3から頑張ろうと思った場合、すでにトップレベルとは軽く1000時間以上の差がついていると考えてください。
実際にはもっと勉強していると思います。
ちなみに大手塾の小1~2はほとんど全員が最難関志望だと思っていいです。
もっと詳しく知りたい方はご相談ください。