ノートをケチるな! | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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ブログ開設11周年を迎えました。

なんかものすごくノートをケチる人っているんですよね。

ノートをケチっているのか、字を書きたくないのかはわかりません。

でも、明らかに書いている文字数が少ないのです。

 

宿題提出用のノート(プリント)がある塾や、ノートチェックが厳しい塾の子はまだマシな方です。

でも、そうでない場合はひどいものです。

 

 

大問1題解くのに1行しか使わない

 

これは最悪のパターンですね。

 

B1(1)28.26(2)301.44(3)254.34

 

と、1行に答えだけ書いて終わり。

「計算は?」と聞くと、「違う紙にした」とか言います。

ここにやれよ!

 

かと思うと、

 

改行しない

 

B1(1)2×2×π×9÷3-1×1×π×9÷3=9π=28.26(2)6×6×π×9÷3ー2×2×π×6÷3ー2×2×π×3÷3=96π=301.44(3)5×5×π×15÷3ー2×2×π×9ー2×2×π×6÷3=81π=254.34

 

こんな書き方をする子もいます。

まだ式を書いているだけマシですが、最後のπ計算は横の方でやってます。

こういう子はだいたい、ノートの下までくると罫線を無視して下の隙間に書きます。

だんだん文字が小さくなっていって、それでもおさまらないと上に向かって曲がっていきます。

 

 

で、大問5題くらい解いてもまだノート1ページの半分くらいなんですね。

多分、全部解いても2ページも使わないでしょう。

 

何が問題かというと、

「どこに書いたかわかりにくく、読みにくい」のです。

その結果として、

・丸つけに時間がかかる

・間違えたときに直しにくい

などの弊害がでます。

それ故に、

・丸つけをしない

・直しをしない

ということに繋がります。

計算ミスも増えます。

 

 

塾講師の場合

 

塾講師が質問受けをする場合、よく計算用紙を使います。

コピー用紙のB5判の紙が使いやすいです。

大きすぎるとかさばります。

折らずに持って帰れるベストな大きさなのです。

 

1枚に1問しか解きません。

それくらいたくさん書くということですね。

あとで整理するときにも1枚1問だと便利だと思います。

たとえ1ページの半分しか使ってなくても1問しか質問がなければそれでおわりです。

たまに裏も使って2ページになることもあります。

 

とにかくレイアウトとか見やすさを重視です。

必要に応じてスペース(余白、行間、マージン)をとることが大事なのです。

 

解説をするのでボールペン3色を使い分けます。

しかし、みなさんが家で宿題をやるときは鉛筆またはシャープペンシルでいいと思います。

 

1枚に1問だと20問で20枚使います。

これが100ページのノートなら100問解いたら1冊使い切ります。

 

できればそれくらいのペースでノート(紙)を使ってみてください。

紙がもったいないと思うのであれば、図、式、計算などを書けばいいのです。

それで学力がアップします。

 

 

ノートの使い方(玄人思考流)

 

1.問題番号、小問番号を見やすくする

 スペースを空けます。

 縦に眺めたときに問題番号が1列に揃うようにレイアウトします。

 文章レイアウトの基本です。

 

2.改行をする(1行あける)

 どこまでが図なのか、どれが式なのか、次の問題に移ったのかをわかりやすくします。

 式が長くなるときは=のところから改行します。

 数学では基本ですね。

 

3.1ページに大問1問しか解きません。

 ただし、小問形式の問題のときはレイアウトを考えながら1ページで2~3題解きます。

 テキストの問題や解説レイアウトを参考にするといいと思います。

 

4.間違い直しは余白か、新しいページにやります。

 間違えたところに赤入れをします。

 

 

例)

 

B1

 

 (1) 2×2×π×9÷3 - 1×1×π×9÷3 = 9π= 28.26

         12             3

 

 (2) 6×6×π×9÷3 ー 2×2×π×6÷3 ー 2×2×π×3÷3 = 96π = 301.44

        108             8              4         

 

 (3) 5×5×π×15÷3 ー 2×2×π×9 ー 2×2×π×6÷3 = 81π = 254.34

        125             36           8  

 

 

こんなふうに隙間を空けるだけで見やすくなるのです。

それが計算ミスを防ぎます。

実際には立体図形の問題なので必ず図を描きます。

これだけでもノート12行分くらい使います。

それを1行しか書かないなんて頭がおかしいとしか思えません。

 

 

隙間を使ってちょっとした計算をしておくだけで正答率も能率も上がります。

そういうことが出来ない人はだいたい数学が苦手になります。

 

 

 

 

よくわからない問題集にお金を掛けるくらいならノートにお金を掛けてください。

コピー用紙なら1枚あたり1円、ノートなら1枚あたり3~4円です。

使えば使うほど学力は付きます。

 

 

 

 

 

かつての教え子で1日に1冊のペースでノートを消費していた子がいました。

もちろんそれだけたくさん問題を解いていたということです。

多少雑な書き方だったとは思いますが、スピードはすごく速くなりました。

今は高校生ですが、最近全国模試で数学満点を取ったそうです。

ノートをたくさん使ったからだとは言いませんが、

そんなところでケチってはいけないということです。

 

 

 

 

本当はノートをケチるなということではなく、たくさん書けということです。

ノートをたくさん消費すると勉強したという実感が湧きます。

スピードも上がり、自信もつき、学力もつくのでいいことづくめです。
でもそれがなかなかできないのは、式の書き方がわからない、手が疲れる、めんどくさいなどのネガティヴな理由があるからです。

ここで「ノートを消費することに喜びを感じる」子に変えてしまえば、きっといい流れがやってきます。

ぜひ試してみてください。
 

ちなみに塾に通う子どもたちはなぜか計算用紙を欲しがります。

ぜひご家庭でも1つ、いつでも取り出せるように用意しておくといいと思います。

問題を解くためなら惜しまずにどんどん使って下さい。