この前、いきつけの洋食屋さんで食事をしていたときに、あとから入ってきたお客さん3名。

店主に向かって、「マスター 適当に料理を頼むよ。ちょっと時間を潰しにはいっただけだから、軽いやつで」と注文しました。

すると、店主は「適当に、とか言われても、うちには、適当に作るような料理はありません。ちゃんと注文して下さい」と言い返します。

(まあ、実際、何も好みを伝えられないんじゃ、適当にも作れないのは事実)

客「だからさあ。時間をつぶすだけだから、軽く食べられればいいんだよ。適当に作ってよ」

マスター「そんな注文は困る!」

客「なんでもいいからさあ!」

マスター「うるさい、出て行け!」

客「わかりました。ごめんなさい。じゃあ、コーヒーを3つ」

 

こんなやりとりがありまして・・・

 

この客がひどいのはわかりますが、店主もあとで自分で反省していて、「本当はお客さんにあんなこと言っちゃだめだってのはわかってるけど、”適当に”とか言われて黙ってられるかよ!」と反省しながら怒ってました。

 

まあ、この店主が一生懸命料理を作っているのを知っているため、私も、「そうだよね。しょうがないよ」と肯定しました。

 

 

ところで、我々プロカメラマンも、料理人と似たところがありまして。

昨年、某ピアノ教室の撮影をさせていただいた時のこと・・・・・

 

我々にとって、一番気を使う撮影である「集合写真撮影」の際に、「人数が多すぎる」こともあって、並べるのが大変だったのですが、そのときに、教室の先生が、「適当でいいですから、パパっと撮っちゃって下さい」と言い出し。

「そんなわけにはいきません。ちゃんと並ばせないと、お顔が写っていない人とか出てきてしまいます。その生徒さんにとっては大事なことです。ちゃんとやらせて下さい」と私が言うと、

「いんですよ、そんなの。適当で」と先生が言うので、ちょっと、私も切れちゃいまして・・・・そのあと、声を荒げてしまいました。

 

カメラマン仲間のなかには「いいんだよ、先生が”適当に”って言ってるんだから」「お客様が第一なんだから反論してはだめ」って言う人もいますが、たとえ、教室の先生が「それでいい」と言っても、やっぱり、カメラマンとしては「80人全員の顔をちゃんと写さないといけない」と思ってるわけでして、そこは妥協できないんです。写っている生徒さん一人の後ろには、家族や祖父母がいるわけなんですから、「顔が見えなくてもいい」なんてことは受け入れられません。(たまに、いたずらっ子が、「撮りますよ!」のタイミングでわざとしゃがんで隠れてしまうこともありますが、それは、その子の意思なんで、それは「しょうがない」と思いますが、「写りたい」と思っている子を消すことはできません)

 

その教室様からは、今年の撮影のご注文はいただけませんでしたが、これは「しょうがない」と思って納得しております。

 

個人事務所ゆえのわがままですが、どうか、お許しください。