※今回は、カメラマニア向けの記事になります。
舞台撮影をするカメラマン。「無音で撮れる」(=演奏者や観客に迷惑をかけない)という利点を求めて、SONYに切り替えた人が多いです。
しかし、従来のプロカメラマンが使用する機材は、ほとんどが、NikonかCanonであり、その2社のもので、もともと機材を揃えていたのに、そこにSONYを導入するというのは、ものすごいお金がかかります。カメラもレンズも全部SONYのものを新たに買わないといけないからです。
というわけで、高価な撮影料をもらっていない、うちのような零細写真事務所では、おいそれと新機材を導入できないわけでして。
望遠レンズに関しては、今までは、SONYの70-200mmでなんとかやっておりましたが、ちょっと大きなホールになると、200mm(APS-Cの場合300mm相当)では足りなくなることもよくあり、そういう場合は、「レンズがないのでお引き受けできません」とお断りすることもありました。
Nikonでは80-400mmの望遠ズームを持っているため、「静寂性が必要ではない」撮影では、このレンズが利用できますが、ここのところ、ステージ撮影が増えている当事務所の仕事では、どうしても「SONY製品でもっと望遠が欲しい」ということになりまして。
非常に高価なレンズですが、清水の舞台から飛び降りて購入しました。
SONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
そして、3ヶ月ほど実戦投入しました。その感想を。。。
<悪い点>
・価格が高い (長期補償料を含め28万円くらいする)
・大きい かさばる 重い 特に、フードが大きいので、いつものカメラバッグには入らない
・ズームを望遠にすると、レンズ先端がかなり出っ張る (70-200mmは全長変化なし。レンズの長さが変化すると、三脚に載せた時にバランスが崩れる) 伸びた時はかっこ悪い
・短いほうが、100mmでなくて80mmだと最高だった
・三脚座の穴がわかりにくい
<良い点>
・描写力がズームとは思えないほど素晴らしい
・大きいがゆえに、「いかにも高価なプロの機材」と思わせて、ハッタリがきく
さて、100-400mmズームの欠点というと、「望遠側がF値が5.6になる」ということが挙げられます。70-200 F2.8と比較すると「2段」の差になり、これは非常に大きな違いです。しかし、α7Sという、「暗所に非常に強いボディ」を使用することにより、「ISO6400でもきれいに撮れる」ようになったことで、通常のステージ照明で「ISO6400 1/400 F5.6」で撮影できるため、「5.6の暗さ」が気になりません。このレンズは絞り開放でも十分な高画質が得られるため、F8に絞ることも不要でした。
ということで、今までは、100-400mm 80-400mmといった望遠ズームは「屋外専用」という感覚でしたが、高感度カメラの誕生により、「ステージ撮影でも十分使える」ということがわかり、実戦でも十分に通用し、愛用レンズとなっています。お金はかかりましたが、その価値はあると思います。
以上 ご参考まで。
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/date_lens/1070652.html
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