5年前にこんな記事を書きました。

Nikonで作ってくれないかな? レボルビング一眼デジカメ

 
ちょっと読んでいただけるとありがたいです。
この時は、「Nikonもそろそろミラーレスを作る」という噂があったので、わりと本気で、知人のNikon社員にも話をして、「こういうのを作って下さい」とお願いして実用化を願っていたのですが、残念ながら、2018年に発売されたNikonのZシステムは、この方式を採用してくれない、つまらない普通のカメラでした。
 
というわけで、昨夜の「タモリ倶楽部」で「妄想」というのをテーマにしていたので、今となっては、私の「妄想」でしかなくなった「レボルビングデジカメ」の話を再度させていただきます。
なお、前回の記事を書いた際に、「実際にどんなものなんか、イメージがわかない」というご批判があったので、今回はわかりやすく説明したいと思います。
 
まずは現状を説明します。
 
写真を撮る際は、「縦位置(縦長画面)」と「横位置(横長画面)」の2種類の撮り方があります。
 
カメラを普通に構えた時は、横位置での撮影になります。
 
これは横位置のカメラのセッティングです。
 
撮れる写真はこんな感じ。
 
いっぽう、縦位置の写真というのはこんな感じ。
 
ツーショットではよくある構図なので、ブライダルスナップなんかでは、縦位置の写真がすごく多くなります。
そして、その写真を撮る時は、カメラを90度回転させないといけません。
 
手持ちの場合はわりと簡単ですが、三脚に取り付ける場合、90度回転は、この写真のように、非常に面倒です。
かつ、重心の位置がずれるため、不安定になります。
 
そこで、カメラを回転させなくても、カメラ内部で、横位置と縦位置を簡単に切り替えられるカメラがあると便利なわけなんです。
 
 
雫写真事務所発案 Nikonのまぼろしの新機種
ZR-1(仮称  Zシステムでレボルビング機能つき という意味)
すごいヘタな絵で恐縮ですが、ご説明します。
まず、基本的には、ミラーレス一眼で、光学式ファインダーはありません。
撮影時にカメラを90度回転させなくても、縦位置と横位置を瞬時に電気的に切り替えることが可能で、三脚に乗せた際も、正立の状態でそのままで大丈夫です。
縦位置でのツーショット写真も横位置の集合写真もカメラを構え直すことなく、そのままの姿勢で継続して撮影できます。
 
前面  (カメラボディのみでレンズはなし)
イメージ的にはD800をちょっと縦方向を伸ばした感じです。
 
 
マウント部分
これが最大の特徴で、縦横両方撮影できるように短辺24mm長辺36mmの十字型の特殊なセンサーを搭載します。
(※普通のセンサーを物理的に90度回転させる方法もありますが、それだと機械的に大変で故障も頻発しそうなので、その方法は採用しません)
マウント内の空白部分が少ないので電気接点とかをうまくレイアウトするのが大変かもしれません。
横位置の写真を撮る際は、24mm*36mmの横方向のセンサーで受像し、縦位置の写真を撮る際は、36mm*24mmの縦方向のセンサーで受像します。
 
背面
従来製品と違うのが液晶モニターが大きくなり、かつ正方形であること。
縦位置の画像と横位置の画像の両方を大きく見られるように、こういう構造になります。
なお、スタジオなどで、ウエストレベルでの使用を考え、モニター部分は可動式で90度跳ね上がるようになっており、カメラの真上からもモニターを見ることができます。これで、しゃがまなくても、ツーショット写真が撮れます。
イラストはないのですが、ファインダーの中も、正方形の大型液晶モニターが入っていて、縦位置でも横位置でも大きく見れるような構造になっています。
 
こういうカメラを欲しているカメラマン(特にスタジオ関係)は多いので、爆発的とは言わないものの、かなりの数は売れるはずです。ブライダルスナップも報道も縦位置は多用しますから、このようなフットワークのいい小型なものが作れれば、需要は多いはずです。
 
特に、この方式だと、フラッシュ接続のホットシューは常に上部にありますから、縦位置の撮影の時も、フラッシュを真上で発光することができて、おかしな影が発生しません。ブライダルスナップや報道カメラマンなどでは、このことのアドバンテージは非常に大きいです。
 
 
NikonがZシステムという新しい形式のミラーレスカメラを制作する際に、大口径のマウントを採用しましたが、それであれば、十分、このカメラも作れたはずです。技術的には特に目新しい発明も不要で、現状の技術だけで、簡単に作れたはずです。すぐには作らなくても、将来こういう派生機種を作る予定も組み込んで、それに対応した構造で作っておいてくれればよかったのに、と、ほんと嘆いています。
 
 
この前、「オリンパスが買収された」というニュースが有り、昨日は「Nikonが大幅赤字」というニュースがありましたが、この「ZR-1」があれば、Nikonは赤字になんかならなかったはずです。
 
現場のカメラマンの声を聞かずに、新しいカメラを作った、Nikonの失敗です。
 
ほんと、残念です。