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水曜日が消えた★★★

2020年08月27日 | アクション映画ーサ行

         

中村倫也が、曜日ごとに入れ替わる7つの人格を持った男を演じた主演作。中村が7つの人格を持つ主人公を演じるほか、石橋菜津美、元「乃木坂46」の深川麻衣、きたろう、中島歩、「ゲスの極み乙女。」の休日課長などが顔をそろえる。MVやCM、短編作などで注目される吉野耕平の初の長編監督作。

あらすじ:幼い頃の交通事故により、曜日ごとに性格も個性も異なる7人が入れ替わる「僕」。彼らは各曜日の名前で呼び合っているが、中でも「火曜日」は一番地味で退屈な存在で、他の曜日から家の掃除など面倒なことを押し付けられる損な役回りだった。しかし、ある時、1日を終えてベッドに入った「火曜日」が、水曜日に目を覚ます。僕の中の「水曜日」が消え、「火曜日」は水曜日を謳歌するが、その日常は徐々に恐怖へと変わっていく。

<感想>だいぶ前に観たが、思い出しながら。7人の人格を中村倫也が演じるという、ふれこみだが、その設定をこれみよがしなフックにしないで、周囲との関係をめぐるドラマとして、描き出している。だが、中村倫也の1人7役という演技力が乏しくて、映像、設定等を加えてもとても高評価にはならない。なんだか内容的に薄く感じました。

1週間を日替わりの僕として生きる青年に起きる異変という設定も、妙にすんなりと受け入れられ、そんな驚きのなさが企画の乏しさのせいなのかと、悶々としたものの、ひっかかりのないままに観終えてしまった。なんだかハリウッドの「セブン・シスターズ」と同じネタだ。

7人というわりには、火曜日と水曜日の二人の僕しかいなかったかもと、姑息的な文句を飲み込みながら、7人格を筋として絡めて演じ分ける中村倫也を観たかったのだと自分に言い聞かした。

吉野監督、オリジナル脚本とVFXも、観終わって奇妙な夢を見たという感じだ。観客がついていけるギリギリを狙ったとしか思えないが、全体の希薄さも狙いだったようだ。舞台は、近未来なのか、現代なのかはっきりとは分からないが、静と動の漂わせ方、及び透明感ある映像の美しさは良かった。

そして、随所で挟み込まれる、”幼き僕”が交通事故に遭った際のアスファルトに横たわる”僕の目”が、画面いっぱいにクローズアップされ、その後、道に転がるサイドミラーに映し出される飛翔する鳥の姿。最初は7羽、5羽、2羽と減っていくところは実に見事。

火曜日が寝たあと1週間分の夜が来るはずが起きたら水曜日。図書館に行って喜ぶ火曜日だけど、その内木曜日までやってきてと。そんな緩い展開なのだが、対人関係や恋心というのがメインであり、掃除するのは火曜日の役目。

それに通院するのも火曜日。映画とかビデオってのは他の曜日はどうなんでしょうかね、さすがにビデオを借りるのが「トレマーズ」とはびっくり、何だか一ノ瀬さんと気が合うような。

ラストで、深刻な顔をはっきり始末していないのもなんだかなぁ。曜日ごとに変化する多重人格で、一番地味な火曜日をベースにした選択はよかったが、中村倫也の他の曜日の演技がわざとらしのも仕方がないのか。それにしても女性たちが表面的にしか存在しないのも不思議だ。

そして、医師もその助手もそうだ。そう考えるとすべてが記号的に見えて、それが狙いだったのかもしれない。それにCM的な口当たりのよさに始終した画作りには、今一つのめり込めないのも残念。

 

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