パピとママ映画のblog

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プライベート・ウォー★★★★

2019年10月12日 | アクション映画ーハ行

「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクが2012年に取材中のシリアで命を落としたベテラン戦場記者メリー・コルヴィンを演じる伝記映画。黒の眼帯をトレードマークに、数々の危険な紛争地帯に飛び込み、命がけの取材活動を続けた伝説の女性記者の壮絶なジャーナリスト人生を、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にも苦しんでいた彼女の知られざる素顔とともに描き出していく。共演はジェイミー・ドーナン、スタンリー・トゥッチ。監督は「カルテル・ランド」「ラッカは静かに虐殺されている」などのドキュメンタリー作品で高い評価を受け、本作が劇映画デビューとなるマシュー・ハイネマン。

あらすじ:英国サンデー・タイムズ紙の特派員として活躍するアメリカ人記者のメリー・コルヴィン。2001年にはスリランカでの取材中に戦闘に巻き込まれ、左眼を失明してしまう。それでもすぐに現場復帰を果たしたメリーは、これ以降、黒い眼帯がトレードマークとなる。2003年にはフリーのカメラマン、ポール・コンロイとともに乗り込んだイラクで大きなスクープをものにする。しかし紛争地での過酷な取材は徐々に彼女の心を蝕み、ついにはPTSDで入院してしまうメリーだったが…。

<感想>新聞やニュースでは知ることのできない“真実”が、本作では描かれていた。戦地では何が起きていた? 女性戦場記者が見た“信じがたい事実”とは?・・・銃声と爆音轟く危険地帯の圧倒的臨場感 戦争を肌で感じる稀有な良質作品であります。

映画は、ときに新聞やニュースでも報じない“真実”を映し出すことがある。報道機関が入り込めない危険な最前線で、一体何が起きているのか。メディアがカメラを回していない戦地で、住民たちはどのように暮らしているのか。「プライベート・ウォー」は、そうした“信じがたい事実”を暴き出し、戦争自体を肌で感じさせる稀有な作品である。

本作は、実在の女性戦場記者メリー・コルビンの半生を、「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクの怪演で成し遂げたものである。戦地を、ノーヘル革ジャンで突進する百戦錬磨の女性ジャーナリストは、英雄的すぎると萎えてしまうが、戦争ジャンキーで酒とSEXの依存症、使命感でなく狂気で動いている感じがスキ。しかも男性客に大サービスまでして。

レバノン内戦や湾岸戦争など、世界各地の戦場を取材して飛び回ったコルビン。その業績から“生ける伝説”と称され、型破りな取材スタイルは同業者の尊敬と批判を一身に集めた。そしてこれは、命を賭して戦場の現実を伝えたコルビン、その生きざまに共鳴した人々が紡いだ、“信じがたい実話”でもある。

外見からも伝わってくるとおり、この主人公、言動は破天荒そのものだ。ルールに縛られることを嫌い、常に信念に突き動かされ、己の使命を全うすべくあらゆる手を尽くしていく。本項目では、そんなコルビンの無茶苦茶ではあるが、愛すべき“クレイジー”な行動の一部を紹介していく。

□危険地帯への取材を、会社が禁止したが…

スリランカ内戦を取材するためオフィスを出ようとした瞬間、コルビンは上司に「危険すぎる」として渡航を禁止される。しかし、コルビンはこれを全く無視し、即日、現地へと飛んで行った。さらにイラク戦争では、応じなければ従軍資格がはく奪される手続きさえも、行動が制限されるとして無視。アメリカ軍も近寄らない危険地帯へと、颯爽と出かけて行った。

映画の序盤、コルビンがスリランカ内戦で大ケガを負う場面が白眉だ。薄暗い夜半、反政府組織とともに農地を移動するさなか、突如、足元の土がいたるところで跳ね上がった。一瞬ののち、けたたましい銃声が耳に届く。同時に強烈なライトの光があたりを照らし、前方に銃を構える人々のシルエットが浮かび上がった。撃たれていたのだ。コルビンは反射的に「記者だ!」と両手を上げるが、遅かった。背後が爆裂し、まともに食らった彼女の視界は暗闇に包まれた。命は助かったが、そう、彼女が片目を失った戦場での出来事であります。

主人公は戦場での経験からトラウマに苛まれ精神的な危うさの瀬戸際に立ちながらも、紛争地に舞い戻らずにはいられないのだ。使命感と、恐怖と紙一重の激しさにしか生きている証が感じられない者の行為だと感じた。

この複雑な人物をロザムンド・パイクが見事に演じきっていた。恐怖という感覚を喪失する映画「フィアレス」にもあったように、怖れを失った人間は自由になれるわけではなく、危機意識を感じたくてさらに危うい領域に踏み込んでしまうのだ。戦場だけでなく、その精神的彷徨いも豊かであった。

民間人は当然のように戦火に飲み込まれた。医者もおらず薬も足りず、野戦病院では獣医が血だるまになった人間を手当てしている。この映画は、女性記者が目撃した “現実”にスポットを当てているのだ。

ジャーナリズムとは多くの真実のうち、正確なたったひとつをいかに伝えるか。そして固有名を持たない人間は、この世で一人もおらず、個々の出来事を他人事ではなく伝えようとする姿勢をみました。

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