すべてのフェイクを脱ぎ捨てた、
裸のあなたがかわいい。
「人魚姫のハイヒール」のスピンオフです。
同じような女装ものでも
前作の人魚姫と今回ではまったく違うので
前作が苦手だったという方にも
是非今作は読んで欲しいなって思いました!
BLではあるけれど、
根底にあるのは家族愛よね。
複雑だけど、屈折していても
それはやはり家族だから、
愛しているし、愛して欲しいし。
女装家佳衣史の気持ちがとても丁寧に書かれていて
好きな作品です。
安西 リカ著「舞台裏のシンデレラ」
舞台裏のシンデレラ (ディアプラス文庫)
670円 Amazon
女装子カレンの名で女装グッズ専門サイトを運営する佳衣史。あるときお持ち帰りした大学生・時生とコトに及ぶ寸前、豪快に偽物のおっぱいを外して見せたところ、なぜか気に入られてしまう。可憐な見た目に反し性格は男前な佳衣史だが、早逝した姉・佳憐へのコンプレックスから自分に自信が持てず、時生の告白にも素直に頷けないでいた。時生は誠実で、身体の相性は最高にいい。彼を信じてみようと思った矢先…? |
カレンちゃんのことを正直全然覚えていなかったけど、
女装サイトと読んできっとあの関係で出ていたんだなと。
それでぱらぱらっと人魚姫を再読。
ああ、瀬戸子の師匠だったー!と
段々と思い出してきた。
人魚姫は攻めの加賀屋がタイプじゃなくて、
イマイチ好きになれずにいたのだけど、
今回の攻めである時生は好印象!
しかもカレンちゃんも可愛い!
それだけじゃない、男前なのだ!!
女装していても心は男!っていうのが好きなんだよね。
男っていうか男前っていうのがね。
佳衣史が女装するきっかけになったのは姉の死だった。
生まれつき病弱で両親は姉にかかりっきり。
淋しい思いをした幼少時代の佳衣史。
でもそんな佳衣史の気持ちを一番わかってくれていたのも
佳衣史を一番可愛がってくれたのも
亡き姉佳憐だったのだ。
だからこそ、姉の事が大好きでも
そんな風に思ってしまう事自体姉への裏切りのような
佳衣史の気持ちは複雑なものがあった。
なので、姉が亡くなったあと、
カレンとして女装し、姉が作ってくれた人形を
大事に大事にしていたのだ。
もうカレンちゃんというか佳衣史というか
本当に彼の気持ちがよく伝わってきた。
こういう複雑なタイプには
包容力のある大人なタイプがいいのかと思ったら、
意外と違うのよね。
時生は学生だし、年下で社会にもまれたこともない。
そのかわり小さい頃大病で生死をさまよった経験はある。
今は健康体となってできるだけ好きなことをしようと
ある意味吹っ切れているのよね。
そういうタイプだから良かったのかな。
そして一番は一途なところ。
甘え上手でもあり甘えられ上手でもある!
天然たらしキャラだな〜ww
佳衣史には色んな意味で覚悟があって好きなキャラ。
だから全体的に見ても人魚姫よりも面白く読めたんだよね。
ケンカで啖呵きるのもその後はさっぱりしているのも好き!
カレンちゃんから女子力を教わり、
佳衣史とは飲み友達になりたいな〜ww
カレンでも佳衣史でも魅力的なキャラでした!
H度(さすがHは小悪魔発揮です!)
ストーリー度