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【アメコミ】バットマン:ヨーロッパ【感想】

バットマン:ヨーロッパ

「…そろそろ美しい友情が、花開きそうな気がしねえか?」

アメリカ2015年11月〜2016年4月アメリカ


アメコミ界の伝説ジム・リーのペンシルを拝む

2015年に刊行された短編『バットマン:ヨーロッパ』
入院生活中にアメコミを久しぶりに読もうと思いどれがいいかな?と選んでいたら、
ペンシラーにジム・リーの名前があった本作を発見したので購入しました。
バットマンの時期的にはリバースが始まったぐらい。
当初は2004年に企画を立ち上げたが実現したのは2015年と色々揉めたよう。
バットマンの時系列からは完全独立したものだね。

全4話の本作の内第1話をジム・リーが担当。
謎のウイルスに侵されたバットマンは、
犯人の小細工によりバットケイプのPCもウイルス感染。
そのハッキング元がヨーロッパのドイツのベルリンということで、
バットマンのヨーロッパ旅行開始!!
だがそこにはバットマン同様謎のウイルスに侵されたジョーカーもいた!!
ウイルス事件の犯人そして、
ワクチンを入手すべくジョーカーと共闘することになったバットマン。
犯人はヨーロッパ各所にヒントを残し、2人はヨーロッパ廻りをすることに。。。

というお話。

とりあえずは、ジム・リー先生のアート見たさに購入。
内容は短編なので、そこまで期待しておらず。

今作はヨーロッパというアートの栄えた地であることを意識してか、
コミックらしさよりも芸術性を意識していたのか、
鉛筆の細い線でキャラクターを描いていて、
力強い線などはなりを潜めて、
細かい繊細で淡いタッチで全体が描かれている。
どこか濃い目のタッチを期待してしまった自分としてはちょっと物足りない。

もしかしたらジム・リー先生のタッチが過去と変わってしまっているのかもしれないが。。。

むしろジム・リー先生より、あとの3本のタッチの方がより前衛的ですごいと思えたり。

それでも

笑えんか?言葉が通じねえのかよ 殺すぞ

の時のジョーカーさんは屈指のイケメンでした。
キャラデザブレブレなのもアメコミの醍醐味ってやつですかね。

プラハ:油絵タッチのアートを堪能

4話それぞれアーティストが違う本作。
アーティスト自身でどうアプローチするのか考慮したように思える。
2話のチェコの首都プラハを舞台にしたエピソードでは、
油絵タッチのアートで物語を彩る。
アーティストはジュゼッペ・カムンコリ。
この手の油絵タッチでずっとやっている人かと思ったら、
他のDC作品では全く違った普通のアメコミタッチで描いているので、
今作ではわざと油絵タッチのアプローチをしたようだ。
スパイダーマンなども多数担当している売れっ子アーティスト。
絵本のような画風が見事で、まるで美術展に足を運んだような気分になれる。
オリジナルのカラクリ兵士たちとの戦いなども胸熱。
また黒幕のエピソードでは赤いカーテン調の舞台で、
カラクリ使いとのやりとりが描かれて、その部分も非常にお洒落。
てっきり彼の画風かと思ったら、演出なのか。。。
すごいな。

パリ:アーカムアサイラム風のジョーカーのエピソード

アーティストの方は無名の人。
グラント・モリソンの名作『アーカム・アサイラム』を彷彿させるタッチで描かれた
パリでのバットマンとジョーカーのエピソードではジョーカーが主役。
ジョーカーという犯罪プリンスをパリは、偉大な芸術家として崇め、
市内の有力者たちがこぞってフォロワーとしているという、
高熱に侵されたバットマンの見てる白昼夢のような狂った回。
後半ではついに黒幕が出てくるが、
バットマンとジョーカーを足したようなピエロバットマンの姿で、
今シリーズの悪役の異常さを感じてわくわくするのだが、
次のエピソードで納得いった悪役があっさり登場し、
このコスチュームはネタでした!と明かしてくるが残念。
いや。途中までそれで戦ってよ!!という感じ。。

ローマ:コロシアムで黒幕とバトル!!

マーベルでも実写風タッチでアートを行なっていたGerald Parelさんが担当。
ちなみに後半2話の取りまとめは、ジュゼッペ・カムンコリさんだったもよう。
ミニシリーズの完結なので、
ミステリー要素の回収がメイン。
独特なたっちの水彩画風のタッチも見事だが、
ネタとしての悪役が意外にもトンチが聞いてて納得していまった。
ウイルス→毒→〇〇〇。笑
バットマンの中でもジョーカーに並ぶ強キャラ。
でもジョーカーと対立することはあまりなかったキャラなので、
コラボ面でも面白いな。
普通に強いキャラなので、いい戦いをバットマンと見せてくれるが、
謎が解けて本調子のバットマンには敵わず。
というかお前、すさまじく悪いやつだな。。。

回復を祝って旅を続けねえか?
ロンドンで切り裂きジャック対シャーロック・ホームズごっことか

まっちゃはしゃぐジョーカーの顔芸やばい。
表情がコロコロ変わるのもアメコミだから許せる。
それに切り裂きジャック対シャーロック・ホームズごっこが普通に見たかった。

総評

ウイルスに侵されたバットマンの意識が朦朧とした中で、
ジョーカーとのヨーロッパ旅行という、スピンオフらしさが濃厚。

本来のバットマンのストーリーテリングやミステリーのひねりのカタルシスはない。

あくまでも番外編として楽しむことを前提において読まなければ、
期待外れの作品になってしまう。

だがジム・リーを筆頭としたアートは秀逸。
ただ本の質感はいつも通りなので画集的側面も低い。

アート性の高いコミックやジョーカーファンはおすすめ!!

ラストのおちが少し分かりづらく、
『バットマン:キリングジョーク』ちっくな賛否両論な展開。
ぼこして終わりなのか?ついにジョーカーと縁を切ったのか?
そのあたりのぼかしは残念だった。

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