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◎【Netflix映画:80点】シカゴ7裁判【解説 考察 :政治批判メタファーか?俳優アンサンブル映画か?】◎

シカゴ7裁判

製作

2020年アメリカ映画

監督

アーロン・ソーキン
・モリーズ・ゲーム

脚本

アーロン・ソーキン
・モリーズ・ゲーム
ソーシャル・ネットワーク
・ア・フュー・グッドメン
・ザ・ホワイトハウス

キャスト

マーク・ライランス
ブリッジ・オブ・スパイ
ダンケルク
・レディ・プレイヤー1

エディ・レッドメイン
・リリーのすべて
・博士と彼女のセオリー
レ・ミゼラブル
ジュピター

サシャ・バロン・コーエン
・ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
・ブルーノ
レ・ミゼラブル
・タラデガ・ナイト オーバルの狼

ジョセフ・ゴードン=レヴィット
インセプション
50/50 フィフティ・フィフティ
LOOPER/ルーパー
・ドン・ジョン

ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世
ウォッチメン
アクアマン

フランク・ランジェラ
・素敵な相棒 〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜
・運命のボタン
フロスト×ニクソン
・マスターズ/超空の覇者

ジョン・キャロル・リンチ
・ゾディアック
・ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
・ファーゴ
・ゴシカ

あらすじ

1968年8月アメリカ中西部イリノイ州のシカゴ。
学生グループのリーダだった
トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)と
レニー・デイヴィス、
ヒッピーグループのリーダだった
アビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)、
ジェリー・ルービン、
そしてベトナム戦争終結動員委員会のリーダー
のデイヴィッド・デリンジャー
(ジョン・キャロル・リンチ)、
はアメリカの未来のために
民主党大会にて
デモ更新をすべくシカゴに向かった。

中心人物の5人の他に参加していた2人の青年は
デモの扇動を引き起こし共謀罪等の罪で逮捕され、
裁判が起ころうとしていた。
その裁判にはデモとは全く関係ない、
近隣にいただブラックパンサー党の議長の
ボビー・シール
(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)も
同様の罪に問われ同時に裁判に参加していた。

検事のリチャード・シュルツ
(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は
共和党のニクソンの仲間で
司法長官のジョン・N・ミッチェルより
絶対的に有罪を勝ち取ることを指示され、
また政府側も裏工作をしている援護があることを
掲示されていた。

おかしな事態に違和感を感じつつも
依頼された弁護士のウィリアム・クンスラー
(マーク・ライランス)はボビーに協力を仰ぐも
全く協力することもせず、
このおかしな人種差別的事態に
怒りをあらわにしていた。

仕組まれた裁判でもある本件を
クンスラー弁護士は承知ながらも
果敢に弁護をしようとするのだが、
裁判長であるジュリアス・ホフマン
(フランク・ランジェラ)はめちゃめちゃ偏屈な
人物であり、正しい裁判を行おうとせずに、
我が物顔で進行し、
弁護士も検事もやりづらい状況に陥った。

不利すぎる状況の中、
態度の悪いアビーとジェリーは、
ジュリアス裁判長に嫌われ、
2人は裁判事態への抗議を行う。

またボビーに対しては、
弁護士さえも来れない状況に陥り、
自ら無実であることを訴え始めるのだが、
差別主義者と思えるジュリアスの暴力的な
対処により傍観者だけに止まらず、
リチャード検事もまた引き始める。

クンスラーたちは策を練るのだが、
リチャードの上層部の裏工作により、
それも失敗。
無罪を冷静に勝ち取ろうと考えていた
トムのイライラは頂点に達する。
クンスラーは挽回策を見つけるため奮闘する。

2020年10月18日自宅Netflix鑑賞
2020年57本目




イカれた判事VSデモクラシー

現代の偉人の伝記映画の脚色にて高い評価を
得てきたアーロン・ソーキンの脚本、監督作品が
Netflixにて配信開始!!

コロナ・ウイルスにより劇場公開が断念され、
Netflixにて配信スルーになってしまった作品。

今回も実際の出来事を描いた作品。
自分は全く知らなかったが、
1968年にシカゴで起きた。
民主党大会での暴動により
逮捕されたシカゴ・セブンと呼ばれる
若き民主主義の活動家たちの
反体制の主張に対して、
右翼でレイシストの判事による
嫌がらせの数々を
今作はテンポ良く鮮やかに描いている。

単純な法廷劇かと思いきや判事がクソ野郎すぎて、
苛立ち、そしてシカゴ7の面々を応援したくなる作風

賞レースがあったら演技部門で多数ノミネート間違いなし

嫌がらせの数々に対して、
巧みな技法を用いて対抗するクンスラーを
『ブリッジ・オブ・スパイ』の
マーク・ライランスが好演。

his
終始胸が熱くなる熱意のあるキャラクターなのだが、髪型が変過ぎてにやける。

反体制ながらもベトナムに誕生日により
強制的に戦争に招集され命を落とす人々への
自由を取り戻そうとする姿勢。
前面に出てこないが、
共和党政権下でのニクソンへの批判が
含まれており、
そういった背景には、
やはり大統領選挙での
トランプ政権での独裁的発言の数々や
富裕層優遇措置など民主主義を
蔑ろにしている現政権への批判が
含まれていると思う。

こういった時期に配信開始することも
またそのような意味も含まれているだろう。
さらにジュリアス・ホフマンの裁判を
自分の主義や支配欲により、
質問の権利を奪ったりする行いも
少なからずトランプへの皮肉を含めている
と思える。

ジュリアス・ホフマンを演じた
フランク・ランジェラは悪役をとてもうまく
演じており、本人としても辛い気分になってた
と思うが、すごくうまくヘイト集められていて、
アカデミー賞が今年あるのかはわからないが、
賞レースにてノミネートは間違い無いと思う。

同様にマーク・ライランスも賞レースに
ノミネート間違いないと思う。

俳優のアンサンブル映画であることが残念か?

老練した2人の俳優だけじゃない。

『ボラット』など皮肉目的のバカキャラを好演する
サシャ・バロン・コーウェンが凄まじく印象的

ヒッピー役でありながら人民のために戦うが、
劇中ではコメディショウのような
アナーキー活動にて、
彼のコメディアン的側面と
俳優としての側面が上手く両立。
同時に可愛い系の相棒との時折見せる漫才も
小気味よく、ウィットに富んだ皮肉の効いた
セリフも魅力的で、
これまでの彼の作品ではあまり
見ることができなかった俳優としての佇まいを
実感できた。

また学生運動チームのリーダーの
エディ・レッドメインの対立および対比も良く、
彼もまた賞レースに参加してもおかしく無い、
愛すべきわかりやすいキャラクターを演じる。

逆に演技野郎であるエディ・レッドメインは
今作では抑え気味。
俳優として1番に名前が上がっているにも関わらず、
陰で文句を言うなど、
あまり良い役回りでないなぁと思ったら、
最後の最後で演技力を大爆発。

彼が起こした取り返しのつかない間違いや、
アビーとの対立と、
最後の最後でのお互いの本音の吐露など
胸を熱くさせる役回りとして、
最後の最後に超パワフルな演技を好演し、
裁判の感動的なオチも彼が掻っ攫った。

his
演技野郎のエディ・レッドメインは伊達じゃなかった

逆にジョセフ・ゴードン=レヴィットに関しては、
中心人物というか立役者として、
角がなく、なんとも惜しい立場。

そして強力な俳優たちのアンサンブルや
俳優の優れた演技に魅了されるが、
肝心の法廷劇に関しては、
なんとも言えない。

FBIの裏工作含めて、
ジュリアス・ホフマンの一方的な
胸糞裁判がなんとも不愉快過ぎる。

それ以外に政治的背景が見えてこなかったり、
ベトナム戦争の状況などもわからない。
焦点をキャラクターのやり取りと
法廷劇に絞り過ぎて、
豪華俳優のアンサンブル作品の色が強過ぎる。

見え隠れするトランプ政権批判のメタファーや
この4年間を刷新すべきという意思ばかりが、
見えてきて、作品としての中身が見えない。

隠しキャストあり

マイケル・キートン
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
・ビートルジュース
・ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
スポットライト 世紀のスクープ

というわけで更なるアンサンブル要因としての
大物俳優が登場。
見ている最中はとても高揚したし、
このやらせ裁判に対しての風穴を確かに
実感できたのだが、
それでもアンサンブル感が拭えない。

アーロン・ソーキンの監督としての手腕は?

前作の『モーリーズゲーム』が
メタファーに走り過ぎて、
変に脚本家っぽい奥ゆかしく邪道な映画に
なっていた印象が強い。

逆に今作では、
普通の映画を撮っている。

さらにシカゴデモの背景を
裁判を通して一部始終を描き、
奥行き感のある映像など、
迫力もありとても良かった。

his
盛り上がるシーンの編集は終始良かった。

だが根本は地味な法廷劇の密室の人間ドラマ。

カット割り過ぎてる感もあったし、
もっと舞台劇のような全体が入る
長回しなど見応えのある映像は、
ちょっとした会話にも欲しかったと思う。
そう言う意味で配信作品としては、
最適な映像感覚だったのでは。。。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 9.5/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

80点

冒頭の軽い感じの音楽と
ベトナム戦争の描写など
意外と重要なのにさらっと流す感じ、
もっと仰々しく、
彼らが世界を変える何かのために
行動を起こすような、
そんな演出の方が自分は好きでした。

his0809
3日に1回更新を予定してます。また来てください!

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