疳の虫を出してみた(2) | マキオカのネイチャーな日々

マキオカのネイチャーな日々

山梨県の牧丘に手作りの2区画だけのキャンプ場を作りました。

広い空には満天の星。
ティピィの煙突からはバーベキューのけむりと笑い声。
ハイジのブランコは空まで届きそう。

いるだけで気持ちが和んでいく。そんな不思議なキャンプ場から贈ります。

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

ネットで「疳の虫」を検索してみると、様々な意見がある。
「有名な迷信です」「癇の虫なんて実際はいませんよ。虫きりのときに使う布巾の糸くずがそう見えるだけだそうです」などと、どちらかというと否定的な意見が主流のようだ。

知恵袋の回答にはこんなものも。
『それは塩です。 手をいくら洗ってもすり込んだ食塩は なかなか落ちません。そんでその後、 げんこつにすると、食塩が手の 皺に沿って再結晶化し、そのように 見えるのです。食塩によって落ちた 手の垢なども含まれてます』

随分テキトーな回答だな。
いや、やってみればわかるけど、絶対に塩の結晶などではない。

『疳の虫なんていません。迷信です。思い通りにならなくてキーキー怒るのは珍しいことではありませんし、むしろ当然の事です。1歳半ぐらいの子供って、怒って泣いて笑って、それが仕事ですからね。穏やかにニコニコしている子供の方が不思議です』とワケシリ顔で書いている人もいらっしゃる。

「ふーん、この方は理性的で賢いママなんだろうけど、お子さんの夜泣きで苦労したことがないんだろうな。もしくは夫や母親がよくできた人達で、赤ん坊の世話を手伝ってくれたとか?」などと邪推するわたし。

何日も一晩中赤子に泣かれて自分の方が泣きたくなったり。
やっと寝かしつけて自分もウトウトし出した時、またしても泣き出す我が子を見ながら「育児ノイローゼって、こうしてなっていくのね」と、うなだれたり。
産後の体力がない時「一晩でいいからゆっくり寝てみたい」と涙目になったことなんてないに違いない。
迷信だろうと思いつつも「疳の虫封じ」に縋りたくなる新米母の氣持ちがわかっていない。

または『よくテレビなどで「手をこすると白い糸のような虫が出てくる。これが疳の虫じゃ」なんてホントに白い糸のようなものを取り出して見せてる場面がありますが、あれはウソ。トリックです』と言い切っている小児科医もいらっしゃる。

「このドクター、絶対ご自分でやってみていないよね。ここまでトリックと言い切るのであれば、やってみてから否定するのがカガクテキな思考なのでは?」と、ただの暇でオモシロ好きのおばさんのくせにイチャモンをつける。

どちらにしてもわたしは、昔から伝わっている風習をやってもみないで頭ごなしに全否定する方々とはお友達になれそうにない。

一方、かつての体験談もたくさん載っている。

『うちのばあちゃんは明治生まれで疳の虫取りをしてくれた時はただ手を握ってぶつぶつなにかお経みたいなことをつぶやいてただけでしたよ。墨もガーゼもタオルも塩もないですw白いもやっとしたものがふわーと浮いてうねうねしながら消えていくんですよね』

『私はよく祖母に疳の虫を出されました。墨でなんとと書いたのかは不明ですが、字を書き、立て横に線を交互に書き、三回息を吹きかけて洗い流し、手をタオルで拭き手をかざすとたくさんの糸状のものが出てきました。私は疳が強かったのか何度もされて、時には赤い色のものまで出てきました。(大分きかん坊でした…)今では何と書いていたのか知りたくても祖母は亡くなってしまい分かりません』

『地方と流派によって多少流儀が違うようです。手には虫の字を三回書き「アビラウンケンソワカ」を三回唱えます。天理教のお婆さんに聞いたことがありました。「・・の御霊・・たまち栄えませ」しか覚えていません』
などなど。

「親戚は皆やっていた」など、かつては常識だった趣さえある「疳の虫封じ」。
今ではすっかり都市伝説の仲間入りをしてしまったけれど。

この物質を化学分析したところ、カドミウムや水銀などの有害物質を多く含んでいたとの話もある。
『大量に出てからだの調子がよくなる人もいたそうです。大人でもこの「疳の虫出し」をやると、イライラが溜まっているひとはこの糸状のものがより長く、より多く出る傾向にあるらしいです。
程度の激しいひとは数センチの糸が指などから伸びていき、その様子はまさに「生えている」感じになるとか』

そうそう、二度目にやったわたしの疳の虫もこんなカンジだった!
・・・ケンカしている最中にたくさん疳の虫が出たってことは、デトックスのやり方としてアリなのでは?
それに喧嘩中に「ちょっと疳の虫を出しっこしよう!」って、間抜けでいい感じ。

この白い糸のような「疳の虫」の正体に明確な回答は出ていない。
手を拭いたタオルの繊維(うん、わたしも最初はこれを疑った)、塩の結晶が手のシワに沿って紐状に固まったもの(さっきも書いたがこれはないと思う)、水銀、カドミウム(そうだったらスゴイ)など、諸説あるのだが。

で、わたしが「ここんとこどうなのよ?」と思った一文がこちら。

『カラシ菜をぎゅうぎゅう塩もみしているとき、子供の頃友達の家で手を塩で洗って疳の虫を出す実験をしたのを思い出した。
たしか、塩で手をごしごし洗って流して水分を拭いたら、しばらくぐっと握る、すると指から繊維のようなものが出てくるってヤツだった。
友達のお母さんが教えてくれて、友達とふたりでやってみたのだ。
ホントに白い繊維のようなものが出てきて面白かったので、家でも何回かやってみたことを覚えている。
あれは一体何が出てきたんだ? と気になったので検索してみたところ、カドミウムだと書いてあるサイトがあった。
疳の虫は見たり間違って吸い込んだら体に悪いからその辺にちらかしていけないと書いてあるところもあった。
でも、台所仕事してると手を塩で洗っちゃうこととかって、しょっちゅうあるはず、ということは、その物騒な白い繊維が漬物の中にかなりの確率で混じっちゃうかもしれないってことでしょ? あり得ない~』

ご存知の方、いらしたら教えてください。

世の中、不思議で面白いものに溢れている!

つづく