吉田カバンのSNS広告詐欺と戦ってみた(2) | マキオカのネイチャーな日々

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山梨県の牧丘に手作りの2区画だけのキャンプ場を作りました。

広い空には満天の星。
ティピィの煙突からはバーベキューのけむりと笑い声。
ハイジのブランコは空まで届きそう。

いるだけで気持ちが和んでいく。そんな不思議なキャンプ場から贈ります。

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

先日「吉田カバンのSNS広告詐欺と戦ってみた(1)」をアップしたところ「わたしも同様に騙されました。どうしたらいいか教えてください」とのご連絡や「対応の仕方を緊急に知りたいです」との切羽詰まったメッセージを多数いただきました。
どうやら、世の中、詐欺が横行している模様です。
皆様、お氣を付けくださいね。

郵送された商品を見て騙されたことに氣付き、怒り心頭のわたし。

ぐぬう・・。
消費者センターのHPだとネットで購入したものはクリーリングオフが出来ない、とある。

そうであるならば、まずは敵の情報を集めなければ。
故事に「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」とあるではないか。

配送された品物には、何の案内も印刷物も入っていない。
送付元として大阪の住所があるのみ。

それでは、と注文時に送られたメールをじっくり見る。
「ストアにアクセスする 」という文字をクリックすると、隠れ文字のように【会社概要】【重要なお知らせ】【返品を受け付ける条件】が現れた。
(一昨日ぐらいから「このサイト危険!」の表示が現れ、ページが出なくなりました)

わたしが注目したのは【重要なお知らせ】に書いてある内容。
「お使いのモニター種類、撮影場所やイメージにより実際の商品と色味が若干異なる場合がございます。
製品により多少の誤差が生じる場合がございます。
生産時期により、商品のタグ、ボタンなどまれに変更されている場合ごございます(原文ママ)」

「ふざけるなっ」と言いたいのは山々だけど、「デザインが違う」とか「ニセモノ!」といくら声高に叫んでも「そんなの知らないもんね!」というスタンスを取っているってことね。

次は【返品を受け付ける条件】にある、「未開封・未使用のもので、商品ご到着後7日以内にメール連絡いただいた初期不良品のみお受けいたします」という文章。
もちろん商品を見なければニセモノかどうかも分からないのだからそんなこと無理に決まっているんだけど、この段階で「ちっ、面倒だから諦めるか」となってしまう人が多いのではないか。

とにかく相手の出方を見るために、まずはメールを出してみる。
『今日、商品を受け取った○○と申します。商品が注文時の写真と全く違うので返品をお願いします』

それに対し『これは正規品です、同じメーカーは生産したので、デザインは少し違いますが、性能は全く問題ありません(原文ママ)』との返信が。

アホかっ!
「同じメーカーは」って、言葉おかしいだろ。
「デザインは少し違いますが」って、違うのを認めてるじゃん。
「性能」って、なんだよ!!
そんなら百均のカバンで十分だよ。
こんなのが来るって分かってたら、誰が大枚をはたくかっ!!!

などと一人ツッコミをしつつも「あー、クレームが来ると皆にこれを送ってるんだろうなあ」とニヤリと笑ってしまう。
オモシロ道免許皆伝のわたしは、いつもの癖で、すでに面白がり始めている。

『正規品であるのであれば吉田カバンの保証書をお送りください。どちらにしても返金をお願いしたいので、送付先の住所、手続きの仕方をお教え下さい』と返信した。

翌日『ご迷惑をお掛けましたが、確認のため、お商品の写真をこちらに送っていただけますでしょうか?よろしくお願い致します』との返信があった。

ぷぷぷ、「お商品」だって。
なんかカワユイ。

それはともかく。
返品を受け付ける条件にある「未開封・未使用」に当てはめるには、郵送された状態の写真を送らなきゃイカンってことだよ、うん。
なにやら謎解きをしているような氣持ちになりつつ、送られてきた状態のカバンと、「FASHON」と書かれたタグをビニール越しに撮影した写真を添付して送る。

未開封のカバンの写真を送るまでは非常にテンポよく返信があったのに、写真を送ったとたん返信がパタッと途絶えた。
くっくっくっ、いつものパターンじゃなくて残念でしたっ!

一週間近く待ったが返信がないので、痺れを切らして『先日商品の写真を送らせて頂きましたが、その後返信がありません。どうなっているのでしょうか?早く返品の手続きをしたいので、すぐに返信をお願いいたします』とメールを出し、ダメもとで送付先に電話をしてみた。

誰も出ないかと思いきや、片言の日本語をあやつる女性が出た。
今までの事情を話すと「調べて今日、係りのモノがお電話しマス」との返事。
「あなたの名前を教えて下さい」と尋ねると「デンです」とあっさりと教えてくれた。

その日、電話の代わりに『上役に提出しましたが、ただいま、確認していますので、しばらくお待ちくださいませ(原文ママ)』との返信があった。

「上役に提出」って(笑)。
いつものパターンが崩れて、上役に対応を聞いているのか?

そろそろ勝負時かも知れぬ、と鼻息を荒くするわたし。

『今日貴社にお電話させていただきました。直接お話をしたく、折り返しのお電話をお待ちしていました。「上役に提出しました」とのことですが、7日以内に返品の手続きをするようにと貴社のホームの説明書きがあります。
商品が到着し、すぐ返品のご連絡をしてからすでに6日経つので、消費者センターにご相談しようかと思っています。できるだけ早い回答を希望します』とのメールを送る。

本当を言えば、これだけ詐欺が横行しているのだから「消費者センター」が一件一件対応してくれるとは思えない。
でも、揺さぶりという意味では、ここぞという時に効果的な単語だと思う。

翌日、再び電話をかけるとまたデンさんが出た。
経緯を話しつつ「あなたの会社は返品はできないんですか?もう消費者センターにご相談しようかと思っているんですけど」と言うと「そんなことアリマセン。今日、返金手続きしマス。月曜日に届きマス」との意外な返事が。
いい人じゃん、デンさん。

「やったー!!」と、ほくそ笑む。
・・・いや、待てよ、まだ本当にお金が手元に戻るまで安心できぬ。

案の定、月曜日になってもお金は届かない。
火曜日の午後、再び電話すると、今度は片言の男性が出た。
「デンさんいらっしゃいますか?」
「デンさんは、故郷に帰りまシタ」

え?このタイミングで故郷へ帰った?
やはりウソだったの?デンさん。

「あなたのお名前は?」
「チンです」
声としゃべり方から、氣の弱そうな若い男性だと推察する。
チンさんに事情を説明すると「チョットお待ちくだサイ。調べマス」と言って電話を切った。
その後折り返しの電話があり「今、郵便局にありマス。今日か明日に届きマス」といって問い合わせ番号を教えてくれた。

デンさん、ちゃんと仕事してくれたのね。
疑ってゴメン、そしてありがとう。
・・・でも、できたら職場を変えた方がいいと思うよ。

SNS広告詐欺から無事返金された今、同じ経験をされている方にわたしなりのアドバイス。

【SNS広告詐欺のやり口】
1.商品の広告は本物の吉田カバンの広告で使われている写真を使っている。吉田カバンは実際に80周年を迎えていることもあり、消費者は騙されやすい。
2.詐欺集団は郵便局のヘビーユーザーっぽい。
郵便局の代引きを使うことにより、有無を言わさずお金を払わせ商品を受け取らせる。
クレジットカードなら可能な「支払い拒否」を出来なくさせ、諦めさせる。
まだ商品を受け取っていなければ、受け取り拒否をすれば大丈夫。
3.送り先を「代発送物流センター」とすることにより「ここは発送センターだから問い合わせても無駄」と勘違いさせ、クレームの電話をかけることに躊躇させる。
4.【重要なお知らせ】【返品を受け付ける条件】は内容が滅茶苦茶で、分かりにくいところに書いてある。
だが「告知しているにもかかわらずそれを読まなかったあなたに落ち度がある」と主張し、消費者に諦めさせる効果がある。
5.騙された商品の金額が一万円弱で、泣き寝入りしやすい金額設定になっている。

いやー、アクドイですな。
そしてそれなりに工夫が感じられるところがエゲツナイ。

対応アドバイスとしては
1.「返金」を目的にするか、「こんな詐欺をするヤツにとにかく文句を言ってやりたい!」という憤懣をぶつけるのが目的か、はっきり自覚する。
2.「返金」を目的にした場合、怒りに燃えているとつい罵詈雑言を吐きたくなるが、相手も人の子、節度を保った方がよい結果につながりやすい。(たぶん)
3.「こいつとこれ以上係わってもしつこくて面倒くさそう」と思わせる、もしくは「この人にはお金を返してあげたいな」と思わせる言葉、対応を心がける。
4.相手の名前を必ず確認して連呼し「漠然と会社に対するクレームを言っているのではなく、○○さん、あなたに対応してもらいたいんですよ」という氣持ちを伝える。
5.切り札の「消費者センター」や「FBに通報」は、ここぞという時に出す。

もちろん全てのケースに当てはまるわけではありませんが、参考にしていただければ幸いです。

最後に「結果がどうなろうと面白がったモノ勝ち」というわたしの信条をお伝えしたいと思います。

・・・なんちゃって。
お金が戻った今だから言えることなんだけどね。

つづく

※追記
吉田カバンの詐欺に遭われ、ここに辿り着いた方へ

わたしがこの記事を書いて一年が経とうとしていますが、アクセス解析からも未だ被害が拡大しているように感じています。
コメントやメッセージを寄せて下さった方々の文を拝読させて頂き、激しい憤り、悲しみ、戸惑いや後悔が伝わってきて、わたしも当時の悔しさを追体験しています。

詐欺に遭ってしまったご自分を責める氣持ちになってしまう方がたくさんいらっしゃいますが、断じてそんなことはありません!
当時、わたしも子ども達から叱られましたが、被害に遭われた方々とやり取りさせて頂いた際、とてもたくさんの知識や情報をお持ちで、理性的で有能な方が多く、そんな方々でも被害に遭ってしまうということを実感しました。

「勉強になった。これからもっと氣を付けよう」と思うのと「勉強代と思って諦める」というのは、まったく違います。
わたしは「泣き寝入りこそ詐欺集団の思うツボなのではないか」と思っています。

簡単に無法を許してはいけません。
コメント欄をお読み頂ければわかりますが、頑張って返金された方が多数いらっしゃいます。
簡単に諦めず、持っている情報を駆使して戦ってみてください!

但し返金された際、わたしは返品してしまいましたが、それは間違った判断だったようです。
頂いたコメントの中から、ご本人の了解を得て転載させて頂きます。

『ゴミ同然のバッグですが返品はしないでください!
私の相談した消費者センターによると模造品を海外へ返品する事によって逆に私が模造品を輸出したと言う事になり、罪に問われるので絶対やめてくださいといわれました。

国民生活センターの越境消費者センターのHPに相談事例が掲載されています。
「消費者が自ら事業者に模倣品を返品すると、この行為自体が関税法で禁止されている模倣品の輸出に問われる可能性があるため、返品することはお薦めできません。」とあります。
下手に着払いで送りつけて相手側も拒否した場合に返り討ちに遭ってしまうかもしれませんね。

私は、まきおかんさんのブログに出会って
海外悪質業者から返金出来るって事がわかったので自分は騙されたけど損して得取ったという気分になっています‼️
家族に諦めなさいとか、勉強代だとか言われたりしてる人は見返してはいかがでしょうか。
悪質詐欺集団に負けないでほしいと切に願っています』

戦ってみようと思われた方、まずはコメント欄を熟読してみてください。
返金された皆さんがご自分の成功体験を語ってくださっています。
そして、まずは粘り強く電話を繋ぐ努力をしてみてください。
毅然とした対応が効果的なようです。

健闘を祈ります!

マキおかん 拝