天気の子 感想・レビュー (ネタバレあり) | 隠れ鍵っ子の泣きアニメの懺悔日記

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人には他人には言えない趣味があってもいいじゃないですか。社会的な地位、ご近所様に対する世間体。本当はそんなくだらないことにとらわれたくないけど、やっぱり気になるから人には言えない。だからブログで懺悔します。実はKeyで涙腺崩壊するのが趣味なんです。

今回のレビューは新海誠の新作「天気の子」です。

 

結論から言って評価は☆4つです。どストレートの恋愛もの。そして、全く想定していなかったラスト。これは評価が分かれるかもしれません。いわゆる世界系です。中高生は大絶賛。昭和の方は???の作品です。60億円の興行収入予測に対して1ヶ月ちょっとで100億超えたのもうなづけます。

 

前半の導入部の感想は

 

「ああ、やっちゃったぁ」でした。

やるんです。ジブリの真似したりすること。占いのおばあさんとか誰かにそっくりでした。

その後、細田守のバケモノの子を意識したストーリー運び。

 

今回は修作で遊んだなと思えるシーンのオンパレードでした。

 

しかし、後半からがらりと変わり、面白くなってきました。まるで大沼心監督の作品を見ているような。。。

 

さて、前作の君の名の立花瀧と宮水三葉は見つけましたか? 彼らの物語とつなげるとよくわかりますね。

 

おっと、ここからはネタバレになるのでネタバレ編です。ここから先は見られてから読むことを強くお勧めします。

 

 

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ネタバレ編です。

 

 

想定どおりのストーリ-運びで予定調和の破滅に向かい一直線。

青春の思い出として淡い初恋を思い出す。

 

徹底的に思わせるストーリー。

陽菜の母も圭介の奥さんも死んでいます。

 

なので陽菜も死ぬと思いました。

 

しかし、

 

想定外の結末。世界系でした。世界系とはぶっちゃけていうと「世界がどうなってもかまわない。僕たち二人の幸せが僕たちにとって大切なんだ」という今風の考え方です。純愛系といっても過言ではありません。

 

この物語の運び方。数多くの泣きアニメを見てきた私の頭の中で検索した結果、たった一つだけみつかりました。

 

ef-a tale of memoriesです。

 

強烈な一発大逆転です。完全に想定外でした。13時間て長いんですねです。

昭和や平成では考えられなかったストーリー展開です。家出少年と母親が死んで弟と世間の片隅で年を偽って働く少女と出会い、ひと夏の思い出を作る。そして、二人は別れ。。。

 

でなく別れないんです。冷静に考えて当たり前ですよね。そりゃあ、3年して二人が大人になればいいだけの話しなんです。

 

二人の思春期の妄想だった。それだけで結論付けられてしまう思い出話なんです。

 

なんだあ、つまらんと思った人も多いでしょうが、愛はつらぬいたもん勝ちなんです。必ず報われるときが来る。これが新海さんが言いたかったことではないでしょうか。瀧も三葉も出てて幸せそうだったでしょう。

 

ちなみに瀧は立花のおばあちゃんの孫として、三葉は宝石店の店員で出ています。

 

この展開はジブリでも細田監督でもうまくかけていないんですね。ここに新海監督の主張があるきがします。俺だったらこういうストーリーにするぜっていう挑戦状の気がします。

 

「天気の子」で泣けなかったという人も多いでしょう。それはそのはずです。世界というか世の中の理を関係ないと言い切ったのですから。

 

昔でいえば、シェークスピアのハムレットで「家の事情なんて関係ない。私たちの愛のほうが私たちにとって重要だ」といって駆け落ちしたようなものです。

 

時代の移り変わりを敏感に表現していますね。宮崎駿が権力者に対する挑戦でしたが、その権力者が常識的になり、振りかざした拳に生暖かい目で見られてしまうのに対して、新海誠は、恋愛に関する不条理を「くだらない。愛するもとの一緒になって何が悪い」と言い切っちゃったんです。だから中高生に人気なのです。

 

ハッピーエンドの新海誠。末恐ろしいです。

 

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド