毎日積み重ねる『自分づくりの授業』
本日のテーマ

【沖縄戦――ひめゆり学徒隊(1)】

 

 

わたしは沖縄が大好きなので、仕事やプライベートで毎年のように行っていますが、その都度、戦争のことを学ぶようしてきました。

 

以前、“ひめゆり学徒隊”の生き残りのOさんに、お話を伺ったことがあります。
その体験の凄まじさに愕然とし、涙しました。

 

今回は二回に渡り、「ひめゆり学徒隊」のお話です……。

 


ひめゆり学徒隊は当時の15歳から19歳までの女学生でした。



昭和19年春、ひめゆり学園の女学生

 

わたしが特にひめゆり学徒隊に強く関心を抱いたのは、当時、わたしの娘はまだ小学二年生でしたが、娘を持つ親の気持ちになって捉えていたからでしょう。
ひめゆり平和祈念資料館にも数回足を運び、祈りをささげ、戦争の悲惨さを学ばせていただきました。

 

戦後、ひめゆり学徒隊のことは、『ひめゆりの塔』と題され、映画化され、2007年までに6作品が公開されました。
その中で、わたしが観た映画は3本です。
吉永小百合さん主演(1968年作)
小手川裕子さん主演(1982年作)
沢口靖子さん主演 (1995年作)

 

映画では凄まじいシーンの連続でしたが、直接の体験談はその比ではありません。
映画のシーンでは、戦闘が激しくなる中、ひめゆり学徒隊は退避します。
約1ヵ月間も、満足な食料もなく、睡眠時間もなく、野山を歩き続けるのです。
ある日、戦闘が静まった合間に、泉の水場で体を洗うことができました。
1ヵ月ぶりで体を洗えたのでした。
映画では、みんな楽しそうに笑顔ではしゃぎながら水をかけ合うシーンがありました。

わたしは、このシーンのことを、元ひめゆり学徒隊のOさんに聞きました。

 

 ―― あのシーンは実際にあったのですか?

 

「はい、ありました。」

 

 ―― みなさん、一息つけて、はしゃいでいましたね。

 

「とんでもないです。誰も笑顔なんか見せなかったです。いつ敵のグラマン(戦闘機)が来るか気が気ではありませんでした。でも1ヵ月ぶりに体を洗えたことは嬉しかったです…」

 

 ―― 一番辛かったことは何ですか?

 

「野戦病院で負傷兵の看護をしていて、私と級友で近くの水場に水を汲みに行ったときのことです。いきなりグラマンが機銃掃射してきました。突然のことで自分の身を隠すのが精いっぱいでした。気がつくと級友が弾に当たり、道の真ん中で死んでいました。グラマンが頭上を飛び交う中、何とか級友のところまで行きたかったのですが機銃掃射され動くことが出来ませんでした。グラマンのエンジン音が小さくなったスキに、走って級友のところまで行き、級友を道の向こう側の窪みに突き落としました……。それができる精いっぱいのことでした。そのままほうっておくと米軍の戦車に引かれるからです。級友を突き落としたときが一番辛かったです……」

 



アメリカ軍戦闘機グラマン 

 


明日は、ひめゆり学徒隊に助けられた兵士の体験談です。

 

――つづく