毎日積み重ねる『自分づくりの授業』
本日のテーマ

【人から必要とされる人間になりたい…】

 

 

わたしの心に残る感動の言葉があります。


東日本大震災の被災地に元天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)が慰問されたときのことです。
被災者の前にひざまずき、

「生きていてくれてありがとう」

とお声をおかけになりました。


両陛下の国民を心の底から想い憂えている言動に感動しました。
その言葉はまるで、

「あなたは日本の国民として必要な方です」

と言って下さっているようにも聞こえました。


被災者の中には、その両陛下の言動に

「本当に助かってよかった。日本の国民でよかった…」

という気持ちになり、心の支えになった人もいたそうです。

 

この例のように、自分が人から必要とされていることは心の支えになるものです。

人から必要とされることは、わたしにとってとても嬉しいことです。
それが“わたしが生きている証になる”と思うからです。

 

家庭や仕事、サークル活動などで、

あなたがいたから、
 助かった…
 楽しかった…
 元気が出た…
 励みになった…
 やる気が出た…
 救われた…

 

人からこんなことを言ってもらえると嬉しいですね。
自分も誰かから必要とされている、頼りにされていることを実感したとき、生きる意義を感じます。

 

南カリフォルニア大学教授のレオ・バスカリア氏は人生へのチャレンジ精神や愛の奇跡を力強く説いています。彼の著書『愛するということ 愛されるということ』(三笠書房)の中に「人から必要とされることの大切さ」が記述されています。

 

ここでみなさんにすばらしい寓話をご紹介しましょう。
少女がひとり、野原を散歩していました。

ふと見ると、一匹の蝶がいばらの棘(とげ)にとらわれています。

少女が助けてやると、蝶はどこかへ飛んでいきました。
しばらくしてもどってきた蝶は、美しい妖精に姿をかえると、少女に向かってこういったのです。
「助けてくださってありがとう。お礼に、あなたの望みをかなえてさしあげましょう」
少女はいいました。
「幸せになりたいわ」
妖精は身をかがめて少女の耳に何かささやくと、ぱっと消えてしまいました。
やがて少女は国中のだれより幸せな娘になりました。

まわりの人たちはいいました。
「幸せの秘密は何ですか?」
そのたびに娘は、「妖精に教えてもらったのよ」とほほ笑むだけでした。
娘はだんだん歳をとり、やがて素敵なおばあさんになりました。

みんなはこのすばらしい秘密がおばあさんとともに消えてしまうのではないかと気が気ではありません。
「どうか教えてください。妖精は何といったのですか?」
するとおばあさんはほほ笑みながらこういったのです。
「『どんなに心安らかに暮らしているように見えても、みんながあなたを必要とするでしょう』と妖精はいったのですよ」

 


この寓話の作者は人から必要とされることが生き方を形成すると言いたかったのではないでしょうか。


 

 

わたしも幸せになるために、人から必要とされる人間を目指します。