しばらく入院生活を送っていました。
若い頃から子宮筋腫があったのですが、特に悪さをするわけではなく、「閉経したら自然に小さくなります」とどのお医者さんもおっしゃっていたので放ってありました。
ところがもうそろそろ閉経か、というような年齢になってから生理の出血がひどくなり、常に貧血という状態に。
ある日、立っていられないくらいフラフラして、後ろ頭がガンガン痛み、思考力もなくなって、病院に連れて行ってもらったところ、輸血が必要なくらいのひどい貧血状態になっていました。
そこでしばらくホルモン調整をし、増血剤を飲んで、ヘモグロビン値が正常になったところで、子宮筋腫を摘出する手術を受けることになりました。
ところが詳しく調べてみると、子宮筋腫の数も大きさもすごくて、卵管にまでできていることがわかりました。おまけに左卵巣は子宮内膜症で、かなりひどい様子でした。
開腹してからわかったのですが、子宮は通常の5倍に膨れあがり、卵巣が腸と癒着して思っていたよりも大変だったそうです。
それでも、3年前の生体肝移植に比べたら手術の時間も半分以下だし、事前の検査も楽なものでした。
手術当日、手術室で背中に針を刺されてからは記憶がなく、病室で目覚めた時も、3年前に経験したような痛み、呼吸のしにくさ、喉の異常な渇きなどが全くなく、とても元気でした。
夜勤の看護師さんに「手術直後とは思えませんね」と言われるくらい元気だったのです。
翌日の午前中には尿管が抜け、御手洗に行く練習をし(車椅子を使った時は気分が悪くなって吐いてしまい、歩行器を使った2度目で成功)、昼食(重湯、スープ、ジュース)も全部飲みきりました。
その夜、背中の痛み止めが切れて4時間ほど苦しみましたが、錠剤服用と2回の点滴でおさまり、それ以降は痛み止めのお世話にはなりませんでした。
毎日少しずつできることが増えていくのは、当たり前の日々の生活に改めて感謝を感じる機会になりました。
病院では手術の翌々日に4人部屋に移動し、規則正しい生活をしました。
食事もとても美味しいし、カーテンで仕切られていてプライバシーも確保できます。
Wi-Fiを持ち込んだので、イヤホンさえすれば仕事や動画鑑賞なども自由にできました。
バイタルチェック等で頻繁に様子を見に来てくださる看護師さんたち、回診に来てくださる3人の先生方、お茶を配ってくださる方、お掃除をしてくださる方、ゴミ集めをしてくださる方、シーツなどを取り替えてくださる方、髪を洗ってくださる方、食事の準備をし配膳や片付けをしてくださる方、本当に多くの方々にお世話になりました。
友人知人にもお見舞いに来ていただき(基本、お見舞いはお断りしていたのですが遠くから来てくださった方だけ……)、有意義な時間を過ごしました。
様々な媒体で様子を尋ねてくれた友人知人たち、毎日見舞いに来てくれた夫、必要なものを揃えたり家事を一手に引き受けてくれたりした娘……みんなに感謝です。
同室にはひどい症状で入院されている方や、なかなか退院できずにいる方もおり、「入院生活快適!」などと喜んでもいられませんでしたが、今後の人生を考える時間になりました。
これからは、今まで以上に丁寧に心身の声を聴き、動ける時間を大切にして、当たり前の幸せをかみしめながら生きていこうと思います。