本山村怪々奇團【80】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第80話 "逆"一飯の義理【前編】

 

一昨日、昨日と食事に関する考察を行いましたが、今回は應援團版一飯の義理のエピソードをご紹介しましょう。
ある年の春の新入生勧誘シーズンの出来事であります。勧誘の主力である2回生団員がある新入生に目を付けました。この新入生、当時、流行っていた漫画での大学応援団の悪評を真に受けておりまして、入学以前より「応援団だけには入団するまい」と応援団に対する意識があったらしく、声をかけただけで尋常ではない反応を示したのであります。それが却って勧誘員である団員の何かを刺激した様でありまして、付きまとう様になった訳であります。


「ワシも先輩に活動を報告する必要があるから、名前や連絡先だけでも名簿に書いてくれんか」
と団員は妥協案を提示しました。先輩に一人でも多くと話をしているという成果を報告する為に勧誘名簿に名を連ねてもらう代わりに、今後、勧誘は手を緩めてやろうという案であります。また他部に勧誘されて気が進まない場合、應援團に勧誘されていると言って逃げれば良いという特典も付けてあげようという太っ腹ぶり。新入生も激しい勧誘が幾分かでも緩和されるならば、という事で後先を考えず名簿に名前を書いたのであります。


無論、これが運の尽きと相成りまして、これまで以上に激しい勧誘を受ける事になりました。新入生も団室の近くはなるべく通らない、出席する必要がある授業では出来るだけ人混みに紛れる等の対策を図っておりましたが、出席が必須とされている語学や体育の授業では講義終了近くになりますと、教室の前には学ラン姿がウロウロしている姿が見られる様になったり、また大学での用事を終え、実家から通っていた新入生が最寄りの駅で降りたところ団員がいたりとか、日に日に包囲網が強化されて参りました。【以下次稿】

 

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