意外と難しい
幻想即興曲


片手ずつしか
弾いていただいていませんが


テンポアップしても
最後まで固まらずに
弾くには…


というミッションのもと


色々な弾き方(テクニック)
の複合を使って


指を使わず
手指アーチをお椀に見立てて
左右にひっくり返すように
使ったり


手首縦レガートで
手首を上方向に
立ち上げることで
手首を脱力して
フレーズを繋いだり


弾き終わった指を
離鍵して脱力し
突っ張ったままにせず
弾いている指に
引き寄せる方法など


併せて使いながら
弾いていただきました。


お椀奏法は
固定奏法の基本です。


(お椀奏法も固定奏法も
私が提唱している概念です)


固定奏法は
脱力奏法の
一見真逆です。


脱力できることが
前提で


固定ができることが
ベストです。


ただし!


脱力と固定は
概念が違いますので
混同しないように
してください。


脱力は筋肉のこと。


筋肉を固めないで
弾きます。
関節も柔軟に動かします。


固定は骨のこと。


固定は骨(関節)を
ブロックして止めます。


筋肉は?
できる限り固めないように
しますが


関節を止めるのに筋肉を
使いますので
ある程度固まります。


ポイントは
固まったままにしないこと。


なるべく
瞬間的な入力にすることです。


特に手首は
脱力と固定
両方を自在に使えると


楽に弾く方法だけでなく
音色のバリエーションも
かなり広がります。


厳密にいうと
手指のアーチも
脱力と固定を使います。


指一本一本の
縦のアーチ
(手首から第3関節、第2関節、第1関節
を通って指先まで)
は基本的には
崩さず


手指全体のアーチを
型として固定したり


弾き終わった指や
弾いていない指を
脱力することが
できると良いです。



幻想即興曲の
中間部Largoは


音色の美しさと柔らかさ
が欲しいです。


それもテクニックとして
取り扱うことができます。


なぜなら
誰にでもできる方法として
確立しているからです。


主に
指を寝かせること
指の腹を使うこと
離鍵を遅くすること
手首を下げること


指を寝かせるには
第3関節は凹ませずに
第2関節と第1関節を伸ばすこと。


美しいレガートのためには
手首を柔らかく動かし
音と音の間を繋ぎます。


離鍵を遅くするには
弾き終わった指を
ゆっくり上げるように
します。


(先ほどと真逆です)


手首を上げると
軽やかな音
明るい音
粒が小さい音


手首を下げると
ふくよかな音
重たい音
しっとりした音


などを表現することが
できます。


手首は
たいていの方が
いつも使っている場所が
ほぼ決まっています。


上下に10センチくらい
動くのに
 

1センチくらいしか
使っていません。


しかも定位置で。


その他にも
指を鍵盤に入れる角度や


打鍵のスピードや
離鍵のスピード


打鍵した後の
様々な動き
筋肉の状態


上半身を固定
全身を固定


などなど
様々な方法を
用意しています。


カードにして
並べようかな(笑)


それほどに
選択肢はたくさん
あります。


これらが
体系的に学べるのが


今回の幻想即興曲
勇気をもって(?)
初参加してくださった方
いらっしゃいました。


その方のために
用語解説なども
しましたが


リピートの受講者の方は
弾きながら
分かりやすく
説明してくれたり(笑)


思いやりに包まれて
ありがたい限りでした。