雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

続 ・ 画素数 と ピクセルサイズ(フルサイズ vs APS-C Part 3)

2018年12月01日 | 機材
記事に入る前に まず前回記事で Nikon D810A の画素数・ピクセルサイズについて
誤った記載をしてしまった事について、重ねてお詫びを申し上げます。
今回の検証課題にも関係する事項ですので正しいデータを再掲載させていただきます。
各カメラの 画素数
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Cooled 60D ・・ 5,184  × 3,456 ピクセル
EOS 6D・・・ ・・ 5,472  × 3,648 ピクセル
Nikon D810A ・・ 7,360  × 4,912 ピクセル・・・・・・
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ピクセルサイズ
( 受光サイズ ÷ 画素数 で机上算出 )
--------------------
Cooled 60D ・・ 4.3 μm
EOS 6D・・・ ・・ 6.5 μm
Nikon D810A ・・ 4.9 μm・・・・・・
--------------------
受光部がフルサイズの大きさになったのですから、画素数も大幅に増えるのが自然。
その意味では Nikon D810A より、EOS 6D の方が不自然です。
これはやはりフルサイズカメラを普及価格帯まで安くする方策のようにも思えます。

今回の記事の本題に入ります。
検証 その3 EOS 6D(フルサイズ) はノイズに強いか

わたしは Nikon D810A は持っていませんので、
今回もフルサイズのEOS 60Dと、APS-CサイズのCooled 60Dの撮影画像で検証します。
本来は同じ露光量で比較すれば良いのですが
EOS 6D は最初から ISO感度を従来の2倍から4倍にして撮影しています。
そこで、APS-Cサイズの Cooled 60D で撮った画像と
ISO感度を2倍・4倍に上げて撮った EOS 6D の画像を比較してみました。

上段 ) ノートリミング画像 ( 縮小画像 )
下段 ) 等倍(一部50%縮小)トリミング画像 ( 512 × 512 ピクセル )
) EOS 6 D (HKIR改造)  ( ) Cooled 60D (SEO-SP4)

まずは前回記事と同じ光学系で撮影した画像で比較してみました。
共通DATA : Vixen R200SS+コレクターPH( 合成f = 760 ㎜ F = 3.8 )

■ ペリカン星雲 (はくちょう座)
EOS 6D ISO3200 総露光時間70分(6分×10・1分×10) LPS-D2 2018/9/18
Cooled 60D ISO1600 総露光時間94分(15分×6・1分×4) LPS-P2 2017/9/25 ( 冷却
■ ハート星雲 (カシオペア座)
EOS 6D ISO3200 総露光時間76分(6分×11・1分×10) LPS-D2 2018/9/19am
Cooled 60D ISO1600 総露光時間124分(15分×8・1分×4) LPS-P2 2017/9/26am ( 冷却
■ プレアデス星団 (おうし座)
EOS 6D ISO3200 総露光時間70分(6分×10・1分×10) LPS-D2 2018/10/19am
Cooled 60D ISO 800 総露光時間120分(20分×6) LPS-P2 2015/10/15am ( 冷却
従来のCooled 60Dでは、冷却してもISO感度を上げると確実にノイズが増え 画質が劣化していました。
EOS 6D 画像はISO感度を上げて 撮影露光時間を短縮しています。
( 感度を考慮すると実質的な露光量はEOS 6Dの方が多くなります )
比較画像の優劣判定については皆様にゆだねますが、
感度を上げてもノイズが目立たず、更にコントラストも上がってるように見えるのですが。

長焦点で暗いVixen VC200L鏡筒でも高感度での撮影を行っています。
まだレデューサーを付けてでの撮影ですが ISO感度を従来の2倍・4倍にしました。
(注)今年2月に高性能のレデューサーに更改しています
EOS 6D 画像・・・VC200L + レデューサーHD ( 合成f = 1,386 mm F = 6.9
Cooled 60D 画像・・・VC200L + レデューサー ( 合成f = 1,278 mm F = 6.4

■ らせん星雲 (みずがめ座)
( * 50%縮小した画像からトリミングしています )
EOS 6D ISO6400 総露光時間88分(8分×9・2分×8) LPS-D2 2018/11/ 3
Cooled 60D ISO1600 総露光時間90分(10分×9) LPS-P2 2014/10/19 ( 冷却
■ NGC 253 (ちょうこくしつ座)
( * 50%縮小した画像からトリミングしています )
EOS 6D ISO6400 総露光時間88分(8分×9・2分×8) LPS-D2 2018/11/ 3
Cooled 60D ISO1600 総露光時間100分(10分×10) LPS-P2 2016/12/ 3 ( 冷却オフ )
■ NGC 891 (アンドロメダ座)
EOS 6D ISO6400 総露光時間96分(10分×8・2分×8) LPS-D2 2018/11/ 4am
Cooled 60D ISO3200 総露光時間120分(20分×5・5分×4) LPS-P2 2017/11/21 ( 冷却オフ )
高感度にしてもノイズが目立たないからといって
もっぱら短時間露光で効率化を図る というのもちょっと違うような・・

そこで高感度に加えて、撮影露光時間も従来より増やしてみました。↓
■ IC 342 (きりん座)
EOS 6D ISO6400 総露光時間144分(10分×12・2分×12) LPS-D2 2018/11/ 4am
Cooled 60D ISO3200 総露光時間100分(20分×4・5分×4) LPS-P2 2017/12/21 ( 冷却オフ )

記載してなかったのですが EOS 6D を使いはじめた頃からステラショットを使用して、
ノイズ低減効果のあるディザリングを実施しています。

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もうじき新月期がくるのですが
週間予報では星が見える気配がないので、
天体写真へのモチベーションは下がりっぱなしです。
そろそろ 昼間晴れたらタイヤ交換しなきゃ。

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2 コメント

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やっぱりフルサイズの方がいい感じ (いっそくドラゴン)
2018-12-01 11:31:58
雲上さん、こんにちは。
フルサイズとAPS-Cの比較、興味が付きません。
一般写真の場合、フルサイズの方がピクセルサイズ(受光素子の大きさ)が大きいので、ダイナミックレンジやラチチュードが大きく、階調豊かな写真となり、また、センサーサイズの関係でいいボケ味がでるとも言われています。
この点があるのか、Canon、Nikonともプロ用ハイエンド機は2000万画素と低く抑えられていますね。
私も一般写真の場合、画像処理に強く、少々適正露出を外したものでもフルサイズでの処理は、簡単には破綻しないので、フルサイズを使い出してからはAPS-Cには戻れないと感じています。
天体写真の場合は、一般写真と違い、高感度、長時間露出時のノイズは低く、でも解像度もほしいということでしょう。
ノイズについては正確に比較した訳ではないのですが、ダークフレームを見た感じでは、熱ノイズはD810A=D610<<D7100で、D810Aがピクセルサイズがより大きいD610と同等と感じるということは、値段の分はあるのかもしれません(^0^)。
私も、ご指摘のようにフルサイズのほうがコントラストも良くなり、はるかに処理しやすいと感じています。
フルサイズでもCanonからEOS5Ds(5000万画素)と言うとんでもない機種がでていますね。
ただ常用感度ISO6400と他に比較して低く抑えられていますから天体写真には不向きなのかもしれません。

やはりフルサイズ一本でいくしか・・ (雲上(くもがみ))
2018-12-01 19:50:23
いっそくドラゴンさん、先日はご指摘をいただきありがとうございました。
そうでなくてもファジーな検証が、ますます怪しい印象を与えてしまうところでした。(笑)
ピクセルサイズが小さくても、やはりD810Aは天体撮影に特化したカメラのようですね。
日本海側の天候が災いして撮影機会が少ないので、わたしも新しく買ったフルサイズ一本で行くしかないと考えています。
当初は利点と考えていた写野の広さも、使ってみたら対象が小さく写る欠点に思えてきたりして・・
今後は高感度でもノイズに強い利点をいかして、
レデューサーなしのVC200Lで更に拡大しての撮影も検証もしてみたいです。

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