「りんちゃん、知ってる?今日で、りんちゃんがこの家に来てから、10年なんだよ。10年!
すごくない?」
ペロペロペロ。(毛づくろいで無視)
「あんなちっちゃかったりんちゃんが、こんな立派な美猫になって、感慨深いな~」
さらに激しくペロペロペロ。(毛づくろいで無視)
「りんちゃんってさぁ、昔話とかウエットな話、嫌いだよね。なんでぇ?」
「どうせ、ちっちゃい頃は可愛かったのに、とか言われるのがオチだから」
「そんな事、言ってないじゃん。ちっちゃい頃も、今も、世界一可愛いよっ」
「それに」
「え?」
「 10年、って何?」
「何、って言われると、えっと、なんだろ?
ま、なんだかわかんないけど、10分より10時間より、超すごい、ってことだよ」
「にゃんちゃん、ってさぁ。10年前も今も深く考えてないで、ペラペラペラペラ
よくしゃべるよね。なんでぇ?すごくない?」
「もー。なんでこんな記念すべき日に、そんなこと指摘されなきゃいけないのよー。
しかも私は、10年間、りんちゃんのおトイレを掃除し、ドライフードを与え、お水をあげて、
その上、おやつもおかかもあげて!」
「んで?」
「そして、いっぱいいっぱい、遊んでもらって、助けてもらって、すごく楽しくて、
幸せだったよ、りんちゃん、ありがとう!」
「なに、泣いてんねん。けったいな奴やな」
「だって...」
「自分ばっか、ワイン飲んでケーキ食べてセレブレーションしてないで、
りんにも、記念日のおかか、大盛り準備してーな」
「あっ、そうだね。はい、りんちゃん」
ゴロゴロ…。
りんちゃんと語ろう、10周年記念でした。