中国茶に見る医食同源 

こんにちは、社長の乾です。

     中医学の「医(薬)食同源」というと、食材についてなかりが話題になりますが、「お茶」も大切な役割をしています。

     中国のお茶の教科書と言われている「茶経(チャキョウ)」によるとお茶の起源は、漢方生薬についてはじめて記された「神農本草経(シンオウホンゾウキョウ)」とされていますので、煎じ薬とお茶とは生まれ故郷が同じ親密な関係があります。

この「神農本草経の著者「神農」さんは、山野を歩き回って野草や樹木の実を食べ、食物の効能を後世に伝えたといわれています。そんな中で、白い花が咲くお茶の木の葉を見つけ、食べてみたところ、整腸作用があることが分かり、以後解毒や長寿の薬とし て用いられるようになったといわれています。漢方薬(生薬)と同じ考え方で始まったお茶は、最初は貴族などの特権階級のものから、しだいに一般にも普及したようです。当初のお茶は、発酵処理などの加工を施さ    な い緑茶で、茶葉を蒸して固めた固形茶を煮
出して飲む「 煮茶 」で  した 。

中国の宋の時代にお茶を飲ませる茶館や発酵茶も登場し、日常的な飲み物としてなったようです 。

 

 

 

 

 

 

その後、蒸した固形茶に代わって、現在の茶葉を釜で炒った散茶が主流になる一方で、花茶や龍井茶などお茶の種類や製造方法が増え、伴って茶壺などの茶器も登場し、中国のお茶文化が形成されたと言われています。清の時代には、数多くの銘茶が生まれ、緑茶の他に紅茶や烏龍茶が新たに加わり、シルクロードなどの貿易路を経て、広く海外へも輸出されるようになり、ヨーロッパ諸国が中国の緑茶や紅茶を輸入し始め、独自の茶文化を築くようになりました。 お茶の樹木は、     もともと中国とインドのアッサム地方にしか自生していなかったのですが、イギリスの冒険家によって、インドで中国種とは別の自生の茶樹が発見され現在は様々なお茶があります。

いづれにしても、もともと中国茶は薬として飲まれ、種類によってさまざまな効能があります。おおまかに以下でご紹介します

 

味と香と中国茶

 

茶葉の数だけ趣があると言われる中国茶は数え切れないほどの種類があります。今回は中国茶を、

緑色、白色、黄色、青色、黒色、赤色

の六色に分類してお茶の種類と特徴をこ紹介します。

中国茶は、本来ツバキ科のカメリア・シネンシスという茶葉から作られ、 茶葉の生産地の気候風茶葉の生産地の気候風土や製造工程での発酵度の違い、 茶葉とお茶を出した時の水の色によって緑茶(ルーチャ)・白茶(パイチャ)・黄茶(ホァンチャ)・青茶(チンチャ)・紅茶(ホンチャ)・黒茶(ヘイチャ)の六種類に大別してお伝えします。

 

お茶の味と香について

 

味と香りの違いは、 お茶の滝れ方や発酵度によって変わります。おおざっぱには発酵度の低いものは香りがさわやかで渋みが出やすく、 発酵度が進むにしたがって香りや味も濃厚になり、 茶葉の色や水色も褐色に近づいて行きます。

発酵度の違いは、茶葉の色やお茶を滝れた時の水色の違いとしても現われるので、 発酵の度合いが分かるようになれば、 中国茶の香りと味を楽しむ世界も広がってきます。

それぞれの分類のお茶についておおざっぱにお伝えします。

 

緑茶

摘んだ茶葉をすぐに熱処理することで、酸化酵素が働かないようにした不発酵茶。中国でも我が国でも、最もポピュラーなお茶ですが、日本の緑茶が蒸すのに対して、中国では釜煎りが主で香りに重点が置かれ、渋みは少ないのが特徴です。お 茶 を 出 し た 時 の 水 色 は 緑 黄 色 が 多 く 見  受  ら れ  ま  す。

 

白茶

白い産毛に包まれた新芽のみを、茶葉を自然微発酵させただけの弱発酵茶。種類も生産屋も少なく、価格も高めです。お茶の水色は薄くて透明感があり、ほのかな甘味と上品な清涼感のある香りが特徴です。

 

黄茶

緑茶と同様に茶葉を加熱処理して自然発酵を抑え、仕上げの乾燥前に高温多湿の所で徐々に発酵させた弱後発酵茶。茶葉の色も水色も黄色みを帯び、渋みのないまろやかな味わい。20 0 0 年前の漢の時代から飲まれていたと言われる歴史あるお茶。

 

黒茶

他の中国茶のように茶葉に含まれる酸化酵素による発酵ではなく、プーアール茶などのように菌を作用させて作る強発酵茶です。茶葉も水色も黒っぽく、熟成した独特の 香りが特徴です。年代を経たものが珍重され、一般的に熟成が進むとまろやかな味になる。

 

紅茶

紅茶の本場と言われる英国をはじめヨーロッパの紅茶のルーツも実は中国茶。じっくり と茶葉を発酵させた完全発酵茶。中国の紅茶もインドの紅茶も渋みが少ないのが特徴で、ミルクやレモンを使わずストレートで楽しむのが一般的です。

 

青茶

日本で中国茶の代名詞のようになっている烏龍茶が半発酵茶の青茶で、発酵の度合いは15~7 0 %ぐらいまでと幅広く、種類が豊富です。中国茶の中でも特に青茶は「香りを聞く」と言われ、発酵度の違いで変化する昧と香りを楽しみます。

 

 

まとめ

 

・神農に始まるお茶は兼子にたいする穏やかな効果が期待されていたようです。お茶も体調体質に合わせて賢く選びたいものです。

・中国茶はお茶の入れ方や発酵度合によって豊富にあります。が、色によって

緑色、白色、黄色、青色、黒色、赤色

の六色に分けられます。

ひとつひとつのお茶については、これからまた詳しくお伝えします。