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意思による楽観のための読書日記

魔性の子 小野不由美 ***

「十二国記」の序章、十二国記で描かれる世界で麒麟として存在するはずだったものが、間違って日本に生まれてきて高校生になるまで育ってしまうという物語。広瀬は大学生、自分の母校に教育実習のため戻った。恩師である後藤の紹介された2年5組のクラスには、広瀬にはひと目で分かるほど異質な存在の高里という生徒がいた。そういえば自分も高校時代には周囲に馴染めず、化学実験室の後藤のもとに通った。広瀬は高里をそんな自分に重ね合わせた。

 なぜ高里が異質なのかはすぐに分かった。クラスメンバーが彼を存在しないかのように振る舞い、高里もそれを気にしないかのように、静かにそこにいたのだ。教育実習を始めると、高里をいじめた者は逆に傷ついたり、ひどい場合には死んでしまったこともある、ということを知る。クラスのメンバーは「高里は祟る」と言って遠ざけていた。

広瀬は自分と重ね合うところが多い高里に話を聞いた。幼い頃神隠しにあって一年間の記憶がないという。その時のことを思い出そうとするのだが、雰囲気を感じられても、具体的な映像とならないので、絵を描いているという。絵を見せてもらっても具体的な世界の映像は不明のままである。

ある時、クラスメイトが高里と諍いになり、高里を叩いてしまう。次の日、彼はひどい怪我をする。クラスメイトたちはこういう状況に耐えきれず、高里を二階の窓から落としてしまう。するとクラスの7人が死亡してしまい大事件となる。事態はどんどん悪くなり、そのうちに、高校の校舎が崩壊するという大惨事にまで発展、警察もマスコミも巻き込んで大騒ぎになる。

「十二国記」まだ、本体小説を読んでいないので、その全容を知らないが、WIKIPEDIAによると、次のような世界観である。
「十二国記は、神仙や妖魔の存在する中国風の異世界を舞台にしたファンタジー小説。この異世界には十二の国が存在、各国は王政国家である。麒麟が天の意思を受けて王を選び、王は不老の存在となり天の定めた決まりに従って統治を行う。地球と十二国の世界は隣り合っており、十二国の世界に生まれるはずの人間が生前に流されて地球に生まれることもある(胎果)」

高里はこの胎果の結果地球に生まれてきた麒麟であった。高里を迎えに高里が生まれるはずだった王国から使者が遣わされ、麒麟を守るために、周りに災厄をもたらしていたのだった。最後には高里は元の世界に戻っていく。本書内容はここまで。

壮大な構想のファンタジー小説であり、全体を読んでみたいと思う。

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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