現役引退 | 断酒てへ日常

断酒てへ日常

断酒を続けること、そのために断酒例会に毎日出席を続ける日々

 10年ちょっと前に、失業しました。何度目かの失業ではあったのですが、だいぶんアルコール依存症も進んでいて、再就職も思わしくありません。当時55歳だったのですが、もうちょっと前の世代では55歳って定年の年齢でしたから、まあ早めの引退でもいいんじゃないかなんて勝手なことを思っていました。

 実際のところまだ子供たちは3人とも学生だったり生徒だったりしていて、とても引退できるはずもなかったのですが、そこがアル中の勝手なところです。すくなくとも、嫁さんも働いているし、あわてることは無いなんて考えていたのです。

 

 そこで、引退生活って何をするんだなんて考えるのですが、およそビジョンがありません。そもそも、私が就職したころは終身雇用なんて考え方がはびこっていた頃です。大企業に努めれば後の人生は面倒を見てくれるそんな意識だったのです。定年になってもその後もそれなりに面戸を見てくれる、厚生年金と企業年金で暮らしていけるまでは勤め先も面倒を見てくれる、そんな意識があったわけです。

 それがバブルがあって、それが壊れて終身雇用なんてどっかに逝ってしまって、アル中にならなくても、お荷物社員はあっさりリストラされる時代になっていたのです。

 

 そんな時代の変化も考えることができない状態であったのです。それどころか、無職で家にいるものだから程なく連続飲酒状態に入りただ無為に日々を過ごすだけとなります。そしてそんな状態に愛想をつかした家族は家を出ていきます。何とかきっかけを得て断酒生活に入ったものの、しばらくは年金受給年齢にもならず、たくわえを食いつぶす日々でした。

 

 断酒会の例会には出席する以外には何もすることがありません。素面になってみると、本当にすることが無い自分にこれと言ってすることもありません。もしリストラされることが無く定年まで勤めたとしてもその後することが無くて、結局昼から酒を飲むだけの生活となって、そこで定年アル中と言った顛末しか見えません。

 

 そこで独り暮らしから自炊を余儀なくされていたところもあって、料理に注目し、パンを焼いたり、れパ^トリーを増やしたりしました。また日曜大工的なことに興味があったことから、竹細工に始まり、近所の新築工事の廃材を集めて、木工をしたりもしました。さらにおもちゃ病院の医者になって、電子技術者としての知識、経験を生かすこともしました。

 

 しかし拘束力のない趣味的なことではどうも怠惰に流れる自分があることが判って、シルバーに仕事を求めることになります。

 

 引退後と言っても、いわゆる楽隠居なんて立場にはなり得ないもので、何らかの社会へのつながり、貢献ウを欠くようになると、人は堕落していくように思えます。まあ体が動く限りはシルバーでもなんでも社会とのつながりを持ち続けることが必要なようです。

 


 ランキング投票用のバナーはサイドバーに設置してありますが、リンクもつけておきます。

クリックいただけると励みになります。