久しぶりの下賜品の紹介です。底に「昭和14年下賜」とありますので同年に皇室から下賜されたものですが、今のところまだはっきりとした由来がわかりません。この形の水差しは、最初は純銀製でしたが、支那事変後は貴金属が使えないため磁器製に代わったようです。

以前箱付きのものがオークションに出ていたのですが、それにはある皇族女子が誰それに下賜した、と書かれてありましたので、今のところこれは皇族女子専用の下賜品ではないかと思っています。表の絵は撫子柄が最も多いのですが、その他松や梅、竹、菊、桜など多くの種類があります。

 

 

 

薄造りで精巧な磁器製品なので大変欠けやすく、完品で残っているものは少ないかもしれません。

製造元ですが、絵付けや素地から判断して、当時宮内省御用達だった『辻常陸』製ではないかと考えています。

 

底の部分です。「昭和十四年下賜」とあります。

 

手のひらサイズで可愛いですね。

 

大正15年製の純銀製の同型水指と並べてみました。

 

撫子の図です。染付が綺麗です。