久々に東京貴金属品製造同業組合の品位証明印のある帯留めを見つけました。星にSの刻印がありますので、当時の山崎商店が大正6、7年〜大正15年の間に制作した帯留めとわかります。長さ約5.5センチ。よく輝く天然ダイヤと真珠が埋め込まれていて、帯留め自体あまり大きなものではありませんが、すっきりしたデザインで大変手の良いものです。大正時代でも中〜後期になると、爽やかな柄の着物を着る人が徐々に増えていったのではないかと思います。

 

 

少しアップで撮りました。真珠の方は金が外、ダイヤの方は艶消しのプラチナメッキが外側になっているのがおわかりでしょうか。状態は未使用に近いほど綺麗です。

 

透かしがとてもバランスよく造られています。

 

ちょっと横から撮ってみました。少し湾曲させて、しっかりと造られています。

 

刻印です。☆にS、「K20」、金の品位を証明する組合刻印の金槌印があります。

 

この金槌印ですが、私の所有しているものは四点です。

正直この刻印があってもデザイン的に「まあ今回はやめとこか」という帯留め等もいくつか見ていますが、全体的に見てやはり金槌印のあるものは丁寧な出来のものが多いです。私の所有しているものはもちろん最高級というものではありませんが、当時の日本人の仕事に対する丁寧さ、真面目さが伝わる素敵なものばかりです。(上から帯留め、ヘアーピン、短鎖2点)