こんにちは。大阪府池田市の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は慢性炎症に関するおすすめ本のご紹介です。
炎症とは?
炎症とは、からだの中で起きている異常状態に対する正常な反応(防御反応)です。
炎症がうまく働くと異物が追い出され、傷ついた細胞が修復され、生体は元の状態に戻ります。
ですので、炎症は一過性であることが普通なのです。
ところが、時に例外があります。
- 動脈硬化
- アトピー性皮膚炎
- 喘息
など、炎症がだらだらと続くことがあります。
このような炎症を慢性炎症と言います。
急性炎症は「発赤、腫脹、熱感、疼痛」という4徴候が特徴ですが、慢性炎症では必ずしも4徴候ははっきり見えず、気づかないうちに炎症が進行します。
慢性炎症は他にも、
- ガン
- アルツハイマー病
- 多発性硬化症
- 関節リウマチなどの自己免疫疾患
- 血栓、脳梗塞
- 肝硬変
- クローン病
- 潰瘍性大腸炎
などの病気があります。
慢性炎症の仕組みについては下記に、自分だけがわかるようにまとめています(^^;
詳しくは本をお読みください!!
「慢性炎症が万病のもと」
■炎症が続く理由
炎症が局所で起こるのに、その影響は全身に及びます。
それは、炎症性サイトカインというタンパク質が炎症組織で作られ、全身に広がるからです。
現在サイトカインは数十種類見つかっています
■サイトカインの種類
炎症性サイトカイン ⇒ TNF-α、IL-6、IL-1、IL-18など
抗ウイルス作用を持つサイトカイン ⇒ Ⅰ型インターフェロン(IFN-α、IFN-β)
TNF-α(マクロファージが産生) ⇒ インスリン抵抗性
IL-4(好塩基球が産生) ⇒ アレルギー反応、特に喘息
■インターロイキン(IL)
IL(インターロイキン)はサイトカインの一種です。
現在ではIL-1からIL-39まで約40種類が見つかっています。
主に白血球が作りますが、白血球以外の細胞によってつくられるものもあります。
インターロイキンは主に免疫系の細胞増殖・分化・活性化・細胞死の制御に係わります。
■インターフェロン
インターフェロン(IFN)もサイトカインの一種です。IFN-α、IFN-β、IFN-γがよく知られています。
- Ⅰ型インターフェロン(ウイルスの増殖を抑制) ⇒ IFN-α、IFN-β
- Ⅱ型インターフェロン(活性化したTリンパ球により作られ、免疫細胞の働きを調整する作用を持つ) ⇒ IFN-γ
■ヘルパーT細胞
- Th1 ⇒ IL-2,TNF-α,IFN-γ
- Th2 ⇒ IL-4,IL-5(好酸球),IL-13 ⇒ IgE抗体
- Th17 ⇒ IL-17
IL-12 ⇒ Th-1活性
IL-23 ⇒ Th-17活性
■自然リンパ球
- 自然リンパ球ILC1 ⇒ IFN-α(1型サイトカイン)
- 自然リンパ球ILC2 ⇒ IL-4、IL-5、IL-13(2型サイトカイン ⇒ IgE抗体)
■西洋医学における炎症マーカー
炎症マーカー ⇒ CRP、IL-6、TNF-α
CRPは急性炎症でも慢性炎症でも上昇。
■急性炎症と慢性炎症の違い
急性炎症は主に好中球と呼ばれる細胞が炎症巣に見られます。
慢性炎症では単核球(リンパ球やマクロファージ)が浸潤細胞の主体です。
■自然免疫系センサー(PRR(パターン認識レセプター):TLR、RLR、NLR、CLR)
白血球だけではなく身体中のほとんどの細菌に発現しています。
これらのセンサーがウイルスのような病原体の構成成分を認識するだけではなく、自分の体の成分まで認識できます。
■炎症を促進するPAMPS・DAMPS
- PAMPS(病原体関連分子パターン:病原体成分に特有に存在する)
- DAMPS(障害関連分子パターン:細胞が壊れた時に放出される分子パターン(ATP、熱ショックタンパク質(HMGB)など)。その他、尿酸結晶、コレステロール結晶、アミロイドβの結晶、遊離脂肪酸も刺激)
炎症 ⇒ 炎症産物としてのDAMPS ⇒ 炎症 という悪循環を生みます。
DAMPS・PAMPS ⇒ インフラソーム複合体(NRL、アダプタータンパク質、カスペース1前駆体) ⇒ 活性型カスペース1 ⇒ IL-1、IL-18が活性型になる
インフラソームの異常な活性化 ⇒ 自己炎症性疾患(遺伝性の炎症疾患、痛風(尿酸結晶)、動脈硬化(コレステロール結晶)やアルツハイマー病(βアミロイド)、悪性中脾腫(アスベスト)、2型糖尿病(膵島アミロイドペプチド)) ⇒ IL-1、IL-18による炎症
IL-1 ⇒ TNF-α ⇒ インスリン抵抗性
■自然免疫系のブレーキ役
- 抗炎症性脂質(DHA・EPAなど)
- 抗炎症性マクロファージ
1型マクロファージ ⇒ IL-1、IL-6、TNF-α、インターフェロンなどの炎症性サイトカイン
2型マクロファージ ⇒ IL-10 樹状細胞やマクロファージに働いてその活性化を阻害することから、炎症反応を抑える働きがあります。
肥満 2型マクロファージが減って1型マクロファージが増える ⇒ インスリン抵抗性
- 脂肪組織にはIL-33レセプターを持つ制御性T細胞が存在し、脂肪組織での過剰な炎症を抑えます。
- Mreg細胞(制御性ミエロイド細胞) ⇒ 大腸に存在する白血球で免疫抑制性のIL-10というサイトカインのシグナルを受けることにより活性化Tリンパ球の働きを抑制して、免疫反応が過剰に起こることを防いでいる。
■獲得免疫系のブレーキ役
- 制御性T細胞(Tリンパ球の一種 免疫反応にブレーキをかける)IL-10、TGF-βなどの抑制性サイトカインを作り、ヘルパーT細胞と抗原提示細胞(主に樹状細胞との相互作用を抑制し、主にTリンパ球の働きにブレーキをかけます。ヘルパーT細胞が抑制されると、Bリンパ球の働きもやがて止まり、免疫全体が収束していきます。
- 補助刺激分子(CD28、CD80、CD86)
- 抑制性の補助刺激分子群(免疫チェックポイント分子群 CTLA-4,PD-1)
炎症が引き起こす問題
■炎症が癌の転移を促進する
- TGF-β
- COX-2(プロスタグランジン合成酵素(線維芽細胞や好中球))⇒ プロスタグランジンE2 ⇒ TNF-α ⇒ 癌細胞の増殖 ⇒ PGE2 ⇒ …
- 癌細胞がマクロファージを呼び寄せるケモカインを酸性し、癌細胞がマクロファージを抑制性マクロファージへ。IL-10やTGF-βのような抑制性サイトカインを生産しTリンパ球の働きを止めてしまう。
- 癌細胞が制御性T細胞を呼び寄せるケモカインを産生し、寄ってきた制御性T細胞が腫瘍攻撃性Tリンパ球の働きを抑制
■アトピー性皮膚炎
Tリンパ球 ⇒ Th2 ⇒ IL-4、IL-5、IL-13、IL-31(神経細胞に働いて強い痒み) ⇒ IgE抗体
皮膚をかく ⇒ 傷ついた上皮細胞からアラーミン(ケモカイン(CCL17、CCL22)⇒ Tリンパ球を引き寄せる、サイトカイン(TSLP、IL-1、IL-33)⇒ 2型サイトカイン(ICL2や好塩基球)
■喘息
アレルゲンによる炎症 ⇒ IL-33の放出 ⇒ メモリーTh2リンパ球(一度抗体に出会ったことを覚えていて、二度目に同じ抗原に出会ったときにすぐに反応する)の増加 ⇒ IL-5の産生 ⇒ 好酸球の増加 ⇒ さらに病原性メモリーTh2リンパ球の増加 ⇒ 慢性炎症
■慢性閉塞性肺疾患(COPD)
喫煙やPM2.5などの有害物質 ⇒ 自然免疫系TLR4が刺激されインフラソームの活性化 ⇒ 炎症性サイトカインIL-1の放出 ⇒ 慢性炎症により肺胞の壁が破壊
■関節リウマチ
炎症 ⇒ マクロファージ、樹状細胞、マスト細胞、自然リンパ球、Th-1・Th-17、Bリンパ球、プラズマ細胞などが終結 ⇒ このうちTh-17リンパ球がIL-17というサイトカインを作る ⇒ マクロファージに働いてTNF-αやIL-6などの炎症サイトカインを作らせる + 滑膜の線維芽細胞に働いて関節を破壊する分子(タンパク質分解酵素やサイトカインRANKLなど)を作らせる ⇒ 関節破壊
■アルツハイマー病
アミロイドβの結晶ができる ⇒ ミクログリア細胞が結晶を取り込みNLR3インフラソームが活性化 ⇒ IL-1などの炎症性サイトカイン
最後に
この本には書かれていませんが、慢性炎症の悪循環によって悪化していくものとして変形性膝関節症があります。
がん細胞は炎症システムを悪用して、増殖していきます。
慢性炎症を止めるのは対症療法も必要ですが、根本的問題を解決しないと解決しません。
慢性炎症の原因をフィシオエナジェティックで調べると、
- 有害な重金属
- 活性酸素
- 血行不良
- 感染症(ウイルス・細菌・真菌・酵母)
- 抗炎症物質の減少(必須脂肪酸などの栄養素不足)
などが多いです。
※当院でおこなうフィシオエナジェティック検査は医学的な検査ではありません。どうすれば解決するのかはわかりますが、診断は基本的には行いません。あくまで診断については医療機関でお願い致します。
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