安心感ナンバーワン 「やわらかめ」の歯ブラシ。

 「やわらかめ」の歯ブラシは現在、お勧めされることの増えた歯ブラシだと思います。

その大きな理由の一つは、弊害が少ないこと。

 歯や歯ぐきを傷つけることが少なく、安心して磨ける歯ブラシ、
今、注目の? 「やわらかめ」または「超やわらかめ」。

 例えば、歯科先進国スウェーデン国民の、約80%が使っているというテぺ歯ブラシでは、
選べる歯ブラシの毛の硬さが、「ミディアム」、「ソフト」、「エクストラソフト」。
(「ふつう」「やわらかめ」「超やわらかめ」)

「かため」「ふつう」「やわらかめ」の表示ではありません。

 例えば、日本の歯科材料の最大手メーカー、株式会社GCの歯科専用、ルシェロ歯ブラシ。
選べる歯ブラシの毛の硬さは、「ふつう」と「やわらかめ」。
「かため」はありません。

 最近は、「かため」の歯ブラシより「やわらかめ」の歯ブラシがお勧めされる傾向があるように思いますが、その理由、一因の考察として、先日記事を書きました。
コチラの記事。
(長文なので、サクッと一言でまとめしまうと、製造物責任法(その製品を使ったことで何かがあった際、その原因が「製造者」になかったかを問われる法律)が施行され、
使用者に弊害がでないように、製造者側が細心の注意を払うようになった。
ということも理由の一つにはあるかも、みたいな記事。)

 さて、そういうわけで? 現在は、「かため」の歯ブラシが少なくなり、「やわらかめ」が押してきたな、という印象を受けているのですが、

 その「やわらかめ」の歯ブラシ。
特徴は、歯と歯ぐきの間を磨きやすいこと。

 歯ぐきの形というのは、意外に変わりやすく、磨き方などでも変化をします。
「かため」の歯ブラシを歯ぐきに当てる際には、歯科衛生士でも細心の注意を払い、
とも歯科衛生士さんも患者様の歯を磨くときは、細かく動かすというより、0㎜のストローク(毛先の位置をほとんどずらさないような動き)のような磨き方で磨きます。
(こちらの記事。 『なぜ、歯ブラシで、歯ぐきは傷つくのか? (歯ブラシの動かし方)』

その弊害に対する気遣いが、やわらかめの歯ブラシだと少なくて済む。
歯ぐきに当てても比較的安心して磨けるので、
歯周病など、どうしても歯と歯ぐきの境目の歯垢を落とさなければ治らない病気の治療、予防にむいていることも多い歯ブラシだと思います。

また、やわらかめの歯ブラシの欠点、デメリットとしては、
そのやわらかさで、歯垢が落ちにくいこと。

歯垢は、ベットリと歯に張り付き、自然にしておくと容易に取れない一面ももっているので、
それを取るのにある程度の弾力や硬さがあったほうが、取りやすいということもあります。
また、ふつうの歯ブラシの硬さで、歯にしっかり毛先があたる感覚で歯磨きをされていた患者様が、
そこからやわらかい、磨き心地の少ない歯ブラシの感覚に慣れるまで、満足されるまでの感覚を変える期間が長い。
というのも良くないところかもしれません。

 ただ、近年はそれをカバーするように高密度植毛で毛の本数を増やし、
歯垢を落とすようにこする本数を機械的に増やすことによって、
より歯垢が落ちやすくなっているような工夫がされていたり、
弊害が少ないため歯科医院でも硬めより「やわらかめ」をお勧めされることが多いように思います。
硬めの歯ブラシは、毛の持つ威力も大きく弊害をだしやすいこともありますし、
やわらかめで歯ぐきの形を変えないように、その可能性を少しでも低くすることもあります。

 それでも、「やわらかめ」がいいんだ、と素直に思いこまず、
時代が今、やわらかめを押しているかも、みたいな感じでとらえているのは、
もしかしたら、とも歯科衛生士さんがそれだけ、年齢を重ねているから、とも言えると思うのですが、
(隠しきれない、昭和の香り。(笑))
人の考える医療は変わっていきます。

昔、冷やしなさい、と言われた症状を、
今は温める。

昔、動かすな、と言われた時期に、
今はリハビリして積極的に動かす。

などということは多く聞くことですが、
常に、最新のやり方が、それまでのやり方を塗り替えていく、
それが現在の医療の形なのだと思います。

 今、やわらかめの歯ブラシは歯周病の患者様にお勧めされることが増えたと思われる注目の歯ブラシ。
とも歯科衛生士さんも通常は「ふつう」の歯ブラシをお勧めすることが多いですが、
歯ぐきが炎症を起こして傷つきやすい場合だったり、
患者様の磨き方を見て、やわらかめがいいと思ったり、
時と場合、患者様の個性によっても、その時お勧めしたいと思う歯ブラシは変わってきます。

 もし、歯科医院で「やわらかめ」の歯ブラシを勧められたときは、
ぜひその安心感で、歯と歯ぐきの間についた歯垢をよく落とし、
優しい感覚に、安心して多く歯を磨き、歯周病を予防、治療していただきたいと思います。

 

☆ オススメ記事

『スウェーデンで約8割が使用する 「TePe (テペ) 歯ブラシ」』

 

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