カテゴリ:夢有無有
「霊魂論」エチカ詳解140
有限である人間が神の持つ属性のうち「思惟の属性」と「延長の属性」持ち得ることは、「完全なる実体」である絶対存在・絶対意識・絶対意思の有り様に感謝すべきでしょう。神の無限の属性のうちの「思惟の属性」と「延長の属性」とを併せ持つこと自体が生命を持たない物質と比して奇蹟だからです。「延長の属性」は物体はもとより空間や運動の属性から生じる時間にしても持つものですが、思惟の様態である心の世界{内精神」においても当て嵌まります。スピノザによれば人間が神の延長の様態と思惟の様態を持つ限り、人間が奔放だと想定する意志の自由は否定され、私自身の持つ意志とは単なる実体である「神」の一様態としてその必然が顕れているものでしかあり得ません。今眼前のスイーツを食べたいが自己のダイエットのために我慢するというのは自己の目的遂行を自由意志で決していると思いがちですが、スピノザの「目的論批判」から見れば、自己が此の思惟に意志の自由を感じるのは、只々、私自身の内精神が全体としての無限世界を把握出来得ない有限存在であるがゆえに得手勝手に捉えてしまうからだとしています。 哲学・思想ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年03月18日 07時24分50秒
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