時間の陥穽30
相対性理論では、時間と空間が相対的な関係にあるという立場をとります。 光速に近い速度での運動では特殊相対性理論による効果が顕れ、強い重力場においては一般相対性理論による効果が顕著となります。特殊相対性理論から時間の進み方は絶対的なものではなく観測者に依存して決まること。一般相対性理論からは重力の正体は時空に生じる歪みであるといった結論が得られます。片や共に現代物理学の根幹を成す量子論(quantum theory)は、一般相対性理論と共に現代物理学の根幹を成す理論として知られ、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、微視的な物理現象を記述する力学です。量子力学とその発展としての場の量子論や量子統計力学は原子・分子から原子核・素粒子・天体・はては宇宙に至るまで適用範囲をも持ち、物性物理学や量子化学・量子生物学・量子光学・量子エレクトロニクス等々、広範な研究分野に拡がっているのが現状です。二者相俟(あいま)っての相対論的量子力学としての場の量子論は素粒子物理や宇宙論に多くの成果をもたらし、今日現代さらに発展しつつあります。量子論の相補性原理や不確定性原理などは思想・思考の原点と云われる哲学などにも対して強い影響を及ぼしています。
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